はじめに
I 姿を仰ぐ
1 檜あるいは木曾檜について
2 大檜との出会い
3 老杉を敬う
4 楠をめぐって
II 歴史に触れながら
1 縄文遺跡と栗
2 伊勢神宮の御木
3 法隆寺と東大寺の古材
4 姫路城の心柱
5 旧家の材
III 「割る」と「挽く」
1 割って板にする
2 正倉院の厨子を手掛かりに
3 鑿・鋸・鉋
IV 根も葉もある話
1 目を見る
2 根の力
3 樹皮は死なず
4 葉、花、そして実
Ⅴ 木の時代は過去のものか
1 コンクリートに変わっていく
2 小屋が鳴る
3 灰に至るまで
あとがき
山から広葉樹が消えていく
桃太郎のお爺さんは山へ柴(小さい雑木)刈りに行く。折り焚く柴の木はおそらく広葉樹。折りやすいし、火力もあるからである。枝は炭用材として、葉は堆肥として活用されてもきた。人にとってだけではなく、山にとっても大事な木で、落ち葉は土を肥やし、保水を助けるし、根は土壌を保全する。
しかし、柴刈りも炭も堆肥も世の中から姿を消して久しい。不要になった広葉樹に代わって、山には檜や杉などの針葉樹が植えられることになった。緑が深くとも、その山が健全とは言えなくなっているのである。
掲載:2005年1月25日