キニマナブ
木に学ぶ


早川謙之輔

木の文化は今も生きている――。その深い智恵、その恐るべき技術。

木の文化は今も生きている――。木曾檜はなぜ特別なのか。針葉樹と広葉樹はどこが違う。木目はいかにしてできるのか。縄文時代の技術レベルは。鋸の普及していない奈良時代に板はどうして作ったのか。「木挽き」や「剥ぎ師」のすごさとは。伊勢神宮の御木とは。奈良の寺の古材から何がわかるか。音と木の関係とは。……木工四十余年、現代の名匠が木と人の長い歴史を考える。

発行形態 : 新潮新書
判型 : 新潮新書
頁数 : 184ページ
ISBN : 978-4-10-610106-9
C-CODE : 0272
整理番号 : 106
ジャンル : 産業
産業
発売日 : 2005/02/20

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書評
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早川謙之輔
ハヤカワ・ケンノスケ

1938(昭和13)年岐阜県生まれ。木工。1969年、恵那郡付知町に「杣工房」を設立。1981年、建築家・白井晟一の依頼により静岡市立芹沢銈介美術館の天井張りを手掛け、広く注目される。著書に『木工のはなし』『木工の世界』『黒田辰秋 木工の先達に学ぶ』などがある。

はじめに
I 姿を仰ぐ
 1 檜あるいは木曾檜について
 2 大檜との出会い
 3 老杉を敬う
 4 楠をめぐって
II 歴史に触れながら
 1 縄文遺跡と栗
 2 伊勢神宮の御木
 3 法隆寺と東大寺の古材
 4 姫路城の心柱
 5 旧家の材
III 「割る」と「挽く」
 1 割って板にする
 2 正倉院の厨子を手掛かりに
 3 鑿・鋸・鉋
IV 根も葉もある話
 1 目を見る
 2 根の力
 3 樹皮は死なず
 4 葉、花、そして実
Ⅴ 木の時代は過去のものか
 1 コンクリートに変わっていく
 2 小屋が鳴る
 3 灰に至るまで
あとがき


山から広葉樹が消えていく

 桃太郎のお爺さんは山へ柴(小さい雑木)刈りに行く。折り焚く柴の木はおそらく広葉樹。折りやすいし、火力もあるからである。枝は炭用材として、葉は堆肥として活用されてもきた。人にとってだけではなく、山にとっても大事な木で、落ち葉は土を肥やし、保水を助けるし、根は土壌を保全する。
 しかし、柴刈りも炭も堆肥も世の中から姿を消して久しい。不要になった広葉樹に代わって、山には檜や杉などの針葉樹が植えられることになった。緑が深くとも、その山が健全とは言えなくなっているのである。

掲載:2005年1月25日
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