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「夢ばっかり見るな」vs.「上ばっかり見るな」。「会社のミゾ」の正体を知る。

話せぬ若手と聞けない上司

山本直人/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2005/09/20

読み仮名 ハナセヌワカテトキケナイジョウシ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 190ページ
ISBN 978-4-10-610136-6
C-CODE 0236
整理番号 136
ジャンル 経営学・キャリア・MBA
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2011/11/25

「社員が働かない」のか「ベンチがアホ」なのか。上司と部下の間には暗くて深いミゾがある。会社をギスギスとさせ、士気をジワジワと下げてしまうこの「世代のミゾ」はどうすれば解消できるのか。一見、理解不能な若者たちとどう話し合えばいいのか。豊富な対話例をもとに、ケータイ世代の若手とその上司世代、それぞれの想いや背景を考える。そこから、会社に風を通すための知恵が見えてくる。

著者プロフィール

山本直人 ヤマモト・ナオト

1964(昭和39)年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。

naoto_yamamoto : 山本直人 HOME (外部リンク)

目次

序 章 「社員が働かない」vs.「ベンチがアホ」
火花の中で屁をこいた社長
このままじゃあまりに「もったいない」
猫の手を借りたいくらいなら
第一章 新入社員は「猫型」だった
犬のおまわりさんになってしまった
五月の空が恨めしい
女の子と原宿三昧
「若手の育成」はもの好きの仕事?
呆れるのも仕事のうち
猫に犬型調教はダメ
世界に一つだけの魚
第二章 若手が見抜く会社の将来
夢は会社の外
会社案内は夢の安売り?
「つぶれてもOK」でスタート
新人が見破る社長の資質
長嶋茂雄は日本的サラリーマン
言葉の手間を惜しまない
「適材適所」でごまかさない
第三章 サラリーマンの迷走、ビジネスマンの幻想
女房子どもはいずこ
借り物の夢に煽られて
自分ストーカー
お金は大事だよ
身銭切って遊べ
サラリーマンとビジネスマン
第四章 耳年増な若者のアタマをほぐす
耳年増な学生たち
プロ野球・デパート・NHK
まず「疑う」こと
「他人事」→「他人の気持ち」
街は欲望の鏡
本はリンクの宝庫
無駄を押し付ける
第五章 ケータイ世代の脆さと伸びやかさ
「こんなはずじゃなかった」
理不尽症候群
「やればできる」は大嘘
「怖い」と「厳しい」の大きな差
「泣く女」は弱いのか
女性と向き合える先輩
ケータイ・インパクト
否定されずに育って
平坦コース駅伝の世代
第六章 若手を「認める」ということ
「認める」と「理解する」
未来検索の呪縛
不満転職と不安転職
「普通の会社員」は無力なのか
世代は巡る
架け橋としての会社
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

波 2005年10月号より 新人たちの涙  山本直人『話せぬ若手と聞けない上司』

山本直人

 三十七歳の時に新入社員の研修を担当することになった。そして、会社員生活の最後の三年間は新人育成のために、実に多くの時間を割いてきた。酒を飲んだり休日の遊びにも付き合ったりしながら、若い社員のいろいろな側面を見てきた。その間に体験してきたことをベースに、若者と大人、会社におけるコミュニケーション、そして社会のこれからにも思いを巡らせてこの本を書いた。
書ききれなかったエピソードは数多いが、今でも印象的な思い出は、涙にまつわるものである。男も女も予想以上に涙を見せることが多かった。あまり感情をコントロールするように教育されていないのか、むしろ大人でも涙を流す方がカッコいい、というような価値観になっているのか。理由は様々だろうが喜怒哀楽は涙に表れる。
研修中に「プロジェクト実習」というものをおこなう。広告代理店なので、商品の広告プランをチームで考えてプレゼンテーションをして優劣を決める。研修の最後の数日は徹夜、休日出勤も当たり前である。そして、優勝チームの面々は、発表の瞬間から涙で顔をぐしゃぐしゃにする。
もちろん嬉し涙だけではない。配属の希望がかなわず、飲まずにはいられなくなる者もいる。杯を重ねるうちに、私は涙と付き合うことになる。さめざめと泣き続ける者もいれば、こらえているうちに、ツーッと頬に涙を走らせる者もいる。
現場に出てから上司とうまく行かずに悩む者もいる。ある年はラグビー部出身者が多かった。私もラグビーは好きなので彼らとはよく飲んだが、そのうちの一人が凹んでしまった。直進型フォワードの彼は、職場でも猛進して上司とぶつかり、見事にひっくり返されたのだった。
話を聞いているうちに十分冷静になって来たのでラグビー仲間を集めて飲みに行った。いろいろと話していると、ふとした拍子にみんなベソをかいている。何か思うところがあったのだろう。
しかし、大男のラガーマンが泣くのは、泥だらけのジャージを着てフィールドに立っている時だから様になる。スーツを着てれば「泣き虫のデブ」が集まっているだけで決して美しくはないと密かに思った。
最も印象的だったのはある男性である。彼は北関東に実家があるのだが、入社直後のある日、地元にいる「友だち」が世を去ってしまったのだ。
その友だちは馬だった。子どもの時から乗馬をしていたので、本当の大親友だったのである。親族が亡くなったときの休暇規則はあっても、「馬」についての規定は当然ない。
「兄弟みたいなものだったんだろ?」と聞いたら蒼い顔をして頷いたので、夕方に帰して翌日は半日休ませた。
戻ってきた時「お別れしてきたか」と訊ねたらゆっくり頷きながら無言で涙を流した。自分にとっても最も印象深いもらい泣きとなった。

(やまもと・なおと マーケティング/人材育成プランナー)

担当編集者のひとこと

自分ストーカー

『話せぬ若手と聞けない上司』の著者、山本直人さんは、大手広告代理店の博報堂でコピーライターや研究開発を担当した後に、若手の育成の部署で三年間務めました。本書は、若手の育成の仕事で山本さんが感じたこと、考えたこと、やってきたことをまとめたものです。
 さすが元コピーライターだけあって、いまどきの若者について、絶妙のネーミングやキャッチフレーズがたくさん出てきます。 なかでも私がなるほど、と思ったのが「自分ストーカー」。これは学生時代のぼんやりとした夢を社会人になってからも捨てきれない人のことです。つまり「理想の俺」をいつまでも追っている人です。
 もちろん、社会人になったからといって、理想や夢を捨てろと言っているのではありません。でも、例えば本書に出てくる新人が語る「フランス関係の仕事をしたい」という「夢」はあまりにぼんやりとしています。山本さんが、「それってたとえばどんなこと?」と聞くと、相手は「いや、何でもいいからフランスに関係できれば・・・」と答えるだけ。その理由は単に学生時代、フランスに行ったことがあるという程度でした。
 おそらく彼にとっては「フランスに関係したい」は、「学生時代の俺に戻りたい」と同じことだったのでしょう。
 本書では、さまざまな新人たちと山本さんがどのように対話していったかが記録されています。異動が嫌で泣く、遅刻癖が抜けない、何でも理不尽だと文句を言う等々、ちょっと困った新人たちが、どう社会人になっていったか。時折笑いや涙も交えて描かれています。

2005年9月刊より

2005/09/20

蘊蓄倉庫

会社の顔は掃除のおばさん

『話せぬ若手と聞けない上司』の著者、山本直人さんは博報堂で人材育成の担当者を3年間務めました。彼が出会った新入社員の中には、ネットなどの会社案内では満足できず、独自の調査をしてきた人もいました。その新人は、目当ての会社の掃除のおばさんに聞き込みをしたのです。気を使って仕事をしている掃除のおばさんに偉そうな態度の会社は、やはり業界の中でも傲慢という評判だったそうです。
掲載:2005年9月22日

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