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心臓にいい話

小柳仁/著

748円(税込)

発売日:2006/09/20

  • 新書
  • 電子書籍あり

40歳すぎたら気をつけなさい! 心臓外科の権威がやさしく解説する心臓病の基礎知識。

狭心症に心筋梗塞、大動脈瘤――、がん・脳血管疾患と並んで日本人の三大死亡原因である心臓病。高齢化によりさらに増えつつある心臓の病気で死なないための知識を、四十年以上の臨床経験を誇る心臓外科の権威がやさしく説く。ダ・ヴィンチやリンドバーグも登場する心臓の歴史、機能とトラブル、心臓にいい生活、治療の最先端、そして患者の心得など。心臓に不安のある人もない人も、胸がすっきりする一冊!

目次
はじめに――今なぜ「心臓にいい話」なのか
1、意外に知られていない心臓の知識
神秘の臓器/5000年で数センチ/心臓はユニバーサルデザイン/心臓の仕組み/血液の循環/ヒトの心臓とブタの心臓/ヒトのワニ化計画/心臓破りの丘
2、心臓外科の歩み
心臓手術の夜明け/リンドバーグの発明/日野原先生に学ぶ/榊原先生との出会い/心臓手術のパイオニア/試行錯誤の連続/メスを捨てた2年間/カテーテルへの挑戦
3、心臓はどんな病気になるか
心不全という死因/不整脈は怖い病気か/ペースメーカーの役割/早まる動脈硬化/神様の設計ミス/狭心症は心筋梗塞のはじまり/移植でしか救えない心筋症/心室細動の恐怖/除細動器とは何か/誰でも心房細動になる/心臓弁膜症と動脈瘤/その他の心臓疾患
4、心臓の状態を知るために
心電図はどれほど役立つか/病気を引き出す負荷心電図/24時間のホルター心電図/エコー、CT、核医学検査/カテーテル検査
5、心臓病はこうやって治す
薬物による治療/不整脈の薬、心不全の薬/カテーテル療法の進化/ステントの有効性/減少するバイパス手術/弁膜症と動脈瘤の外科/最新の人工心肺/外科の領域、内科の領域/脳死移植の現在/4時間のタイムリミット/神経がなくても大丈夫/心臓の代替品/人工心臓の将来/究極のペースメーカー/心臓病治療の最前線
6、健康な心臓をつくる
生活習慣病としての心臓病/たばこは厳禁、お酒はセーフ/心臓にいい食事/控えろ外食、見直せ和食/ストレスは悪者か/心臓に悪いスポーツ/コレステロールと血圧は薬で/医者にかかるタイミング
7、もしも心臓病にかかったら
時間との勝負/心臓マッサージとは/救急車で運ばれた場合/心臓にいい病院/循環器科という診療科/手術後に心配なこと/心臓リハビリテーション/患者の心得/家族の心得
8、どうしても伝えておきたいこと
医療にはリスクがつきもの/インフォームド・コンセントと危険率/医療教育の真髄/医者のスピリット、患者のスピリット/心臓病の未来は明るいか
おわりに――「40歳の成人式」のすすめ

書誌情報

読み仮名 シンゾウニイイハナシ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610181-6
C-CODE 0247
整理番号 181
ジャンル 家庭医学・健康
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/11/25

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5000年がかりで数センチ

 先進的な医学で知られる古代エジプトでは、全身の外科的な手術が行なわれていました。そこには脳外科らしきものまで存在したのに、心臓外科に関しては痕跡すらありません。心臓に関する医学的な進歩といえば、はるか時代を下った15世紀末にレオナルド・ダ・ヴィンチが心臓の解剖図を描いたことくらい。生命の要であり、それが止まってしまえば死んでしまう心臓という臓器は、長らく聖域であり続けたのです。
 実際に心臓の手術が可能になったのは、20世紀初頭。今あるような循環器病学・心臓病学が発展したのは、ここ50年のことに過ぎません。心臓外科の世界には、「胸壁から心臓までの距離はわずか数センチだけれども、到達するまでに5000年の年月を要した」という名言があるそうです。

掲載:2006年9月25日

著者プロフィール

小柳仁

コヤナギ・ヒトシ

1936(昭和11)年新潟県生まれ。国立循環器病センター心臓外科主任医長、東京女子医科大学循環器外科学教室主任教授、聖路加国際病院ハートセンター長を歴任。2019年7月現在、東京女子医科大学名誉教授、米国胸部外科学会正会員、日本胸部外科学会名誉会長、日本移植学会名誉会長、日本人工臓器学会名誉会長、一般社団法人日本移植会議代表理事。一般書『心臓にいい話』(新潮新書)のほか論文・専門書多数。

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