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山下洋輔、菊地成孔両氏が推薦! 第一人者による、百年の物語。

新書で入門 ジャズの歴史

相倉久人/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2007/02/19

読み仮名 シンショデニュウモンジャズノレキシ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 198ページ
ISBN 978-4-10-610203-5
C-CODE 0273
整理番号 203
ジャンル 音楽、音楽
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/02/24

書斎のジャズ、酒場のジャズ、演じるジャズに語るジャズ――ジャズって何だ? 百人いれば百通りのとらえ方があり、定義するのも難しい。奴隷制度から禁酒法、二度の大戦、黒人運動、ベトナム戦争、そしてポスト・モダン――。誕生からほぼ一世紀、アメリカ現代史とともに、ジャズは人種、文化の衝突と融合のなかで、自在にその姿かたちを変えてきた。ジャズ評論界の第一人者による、ジャズ入門書の決定版。

著者プロフィール

相倉久人 アイクラ・ヒサト

(1931-2015)1931年東京生まれ。音楽評論家。東京大学文学部中退。『ジャズの歴史』『相倉久人にきく昭和歌謡史』など著書多数。2015年死去。

目次

1 ジャズって何だ?
百人百様のとらえ方がある。
それをあえて定義すると――。
2 ジャズ誕生への道のり
奴隷制度のアメリカで出会った、アフリカとヨーロッパ。
クレオール文化としてのブルーズやラグタイムが生まれる。
3 ニューオリンズからシカゴへ
南部の赤線街、ストーリーヴィルが育てたニューオリンズ・ジャズ。
第一次大戦参戦で、ジャズはミシシッピ川を北上し、シカゴに向かう。
4 暗黒街と「ジャズ・エイジ」
禁酒法下の二〇年代、シカゴ。マフィアが仕切る闇酒場のジャズ。
「ジャズ・エイジ」に浮かれるニューヨークで、大恐慌が起こる。
5 スウィング時代とカンザス・シティー
「スウィング」の発火点は、土曜夜のラジオ番組「レッツ・ダンス」。
ビッグ・バンドとダンス・ブーム。そしてカンザス・シティー流とは。
6 ビ・バップからクールへ
ハーレム、「ミントンズ・プレイハウス」での実験の結果が、やがてビ・バップに。
研究室長パーカーと宣伝部長ガレスピー、半歩遅れてマイルス『クールの誕生』。
7 ウェストコーストとハード・バップ
ハリウッドから動きだした、白人主体のウェストコースト・ジャズ。
かたや東海岸では、人種意識の昂揚をうけて黒人ジャズが巻き返す。
8 JATPとニューポート・ジャズ・フェスティヴァル
オールスターによるコンサート・ツアーの隆盛と、日本のジャズ・ブーム。
東海岸の避暑地ではフェスティヴァル形式のサマー・イヴェントが始まる。
9 映画×ジャズ×ビート詩
『死刑台のエレベーター』で成功した、フランスのシネ・ジャズ。
新生面を拓いた『アメリカの影』。詩とジャズの結合の試み。
10 フリー・ジャズ誕生
〈シーツ・オヴ・サウンズ〉。コード進行からモード奏法へ。
公民権運動の激化にともなって、加速するジャズの先鋭化。
11 多極化するジャズ×日本からの発信
コルトレーン時代の到来。フリー・ジャズはヨーロッパに波及する。
ジャズの多極化と、〈モダン・ジャズ神話〉の終焉。
12 〈ポストモダン〉とジャズ
「エレクトリック・マイルス」を経て「フュージョン」に至ったマイルス。
〈大きな物語〉を失いポストモダン化する世界とジャズのややこしい関係。
13 ジャズって何だ? ふたたび
ニューヨークのロフト・ジャズ。〈差異〉の洪水が、〈歴史〉を押し流す。
〈カタログ〉というデジタル情報から、ふたたび〈ジャズ〉探索の旅へ。

ジャズと周辺領域の歴史的な相関
あとがき

主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2007年3月号より 三〇年ぶり、二度目のトライ  相倉久人『新書で入門 ジャズの歴史』

相倉久人

 三〇年という歳月をあいだにはさんで、たまたま二度〈ジャズの歴史〉にかかわるめぐりあわせになった。
一回目のトライは、一九七七年に出た『相倉久人の“ジャズは死んだか”』というタイトルの語り下ろし。調子にのって喋りまくり、テープに起こしたら原稿用紙千数百枚に達して、あとの整理がたいへんだったらしい。
それから三〇年。本書は、正真正銘の書き下ろしである。と妙に肩に力の入った言い方になるのは、つねづね遅筆と隣合せの追い込み執筆でなんとか切り抜けてきたぼくが、新書とはいえまるごと一冊書き下ろしたのは初めてだったからだ。
原稿を書くのと喋るのとでは思考のスピードが違い、したがって展開の仕方も変わってくる。おなじ書き原稿でも、手書きにするのとPCやワープロで打つのでは、文章の流れに微妙な変化があらわれる。それを意識しないようではもの書きを名乗る資格はない。というわけでキーボードにむかいながらの書き下ろし初体験は、いろんな意味で楽しかった。
書き進めるにあたって気をつけたことはふたつある。まず歴史を現在ではすでに分かっている視点や価値観にもとづいて、ばっさり切るようなやり方を極力避け、それぞれの時代背景の中での見方考え方に焦点をあわせること。そしてもう一点は、具体的なレコード・CDについての叙述は最小限にとどめること。
この点に関しては、多少説明が必要だろう。
かつてぼくが訳出したバリー・マクレーの『現代ジャズの奔流』の書き出しを引用するところからはじめよう。
「レコードのおかげで、ジャズは、あとからやってくる者のために音そのものが保存されている、史上最初の民俗音楽になった。その存在は、われわれに四〇年以上も前に創造された音楽を楽しませてくれると同時に、その急激な進化を跡づけることをも可能にしてくれる」
まずは正論である。ジャズの歴史を語るのにそのメリットを活用しないという手はない。
と同時にレコードやCDといった録音媒体は、歴史の流れをある時点で切りとった、ある種の静止画像にすぎないという見方もありうる。
まるでそのことを伝えたかったようにも聞こえるエリック・ドルフィーの有名なせりふ――
「音楽は一度演奏されると、そのまま空中へ消え去ってしまい、二度とふたたびとらえることはできない」
ジャズの真実はあい反するそのふたつの発言のあわいにある。レコードやCDの存在はもちろん重要だが、そういうかたちで作品として固定されることを忌避する可動性もまた、ジャズの歴史を考える上でのたいせつなポイントだからだ。

(あいくら・ひさと 音楽評論家)

蘊蓄倉庫

「デビュー」に関わる仕事

 今月新刊の『ジャズの歴史』の著者、相倉久人さんはジャズ評論界の大御所。東大在学中に執筆活動に入って約半世紀、ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんにとっては師匠的な存在です。30年前に『ジャズは死んだか』という伝説的な名著を書いたあとは、ポップスやロック評論の分野でも活躍。確かな音楽センスを武器に各種コンテストの審査を担当し、サザンオールスターズやシャネルズ、爆風スランプ、久保田利伸など多くのアーティストを世に送り出しました。「多くの場合、優勝者より次点の方が将来性がある」のだそうです。ちなみに『死んだか』のカバーは、著名な装幀家・菊地信義さんのデビュー作、同じくデビュー間もないタモリが推薦の言葉を書いています。そして本作は、古稀を過ぎた相倉さんの初めての書き下ろしです。

掲載:2007年2月23日

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