ホーム > 書籍詳細:人生の鍛錬―小林秀雄の言葉―

勇ましいものはいつでも滑稽だ。生き方についての416の思索。

人生の鍛錬―小林秀雄の言葉―

新潮社/編

778円(税込)

本の仕様

発売日:2007/04/16

読み仮名 ジンセイノタンレンコバヤシヒデオノコトバ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 254ページ
ISBN 978-4-10-610209-7
C-CODE 0295
整理番号 209
ジャンル 哲学・思想、ノンフィクション、教育・自己啓発、趣味・実用
定価 778円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/05/03

日本の近代批評の創始者であり、確立者でもある小林秀雄――。厳しい自己鍛錬を経て記されたその言葉は、没後二十余年の今日なお輝きを増し続け、人生の教師として読む者を導いている。人間が人間らしく、日本人が日本人らしく生きるためには、人それぞれ何を心がけ、どういう道を歩んでいくべきか。八十年の生涯の膨大な作品の中から選り抜いた、魂の言葉四百十六。

著者プロフィール

書評

波 2007年5月号より 批評は引用に尽きるのだ  新潮社編『人生の鍛錬―小林秀雄の言葉―』

新潮社小林秀雄全集編集室

 いまからざっと三十年前、昭和五十年頃までに大学入試を経験した人たちは、小林秀雄と聞いて身を乗りだす人と、そっぽを向く人とに分れる。
 当時、国語の問題の出典第一位は、いまも同じで「朝日新聞」だったが、二位には夏目漱石と小林秀雄が並び、以下に大きく水をあけていた。しかも、小林秀雄は難解で通っていた。文科系・理科系を問わず、小林秀雄を制する者よく大学入試を制すとさえ言われていた。
 しかし今日、若い人たちに小林秀雄はさほどに知られていない。昭和五十年頃を境として、大学入試の出題数が急速に減ったからだ。国語にかぎらず受験生をただ落とさんがための奇問・難問が年々ふえ、入試問題の見直しが行なわれて、受験生泣かせの代表とされていた小林秀雄はぱったりと出題されなくなったのだ。
 小林秀雄と聞いてそっぽを向く人たちは、とにもかくにも難しいことばかり言う小林秀雄が許せなかった。身を乗りだす人たちは、入試のお蔭で小林秀雄を知り、ものの見方やいかに生きるべきかを教えられ、そのまま愛読者となった人たちだ。
 小林秀雄の全集は、計六回出ているが、生前最後の第四次全集を造らせてもらった時、私は、内容見本を、各巻からの抜粋文を並べるだけの「小林秀雄語録」に仕立てた。受験勉強を通じて小林秀雄は難しいと思いこんだ人たちに、けっして小林秀雄は難しくない、あなたが難しいと思ったのは、問題を作った大学のせいだ、嘘だと思うなら小林秀雄の言葉だけに、それもできるだけたくさんふれてごらんなさい、何度もドキンとするはずだ、そう訴えかけて新しい全集を売りに出たのだ。
 配本が始まってしばらくした頃、先生の応接室で行合せた相客氏が、今度の全集、ずいぶん思いきったカタログにしましたね、と話題をふってくれた。先生は、「いいだろう。こんなカタログ、ないよ、世界中にないよ」と相客氏に言われた。「世界中にないよ」は、本でもレコードでも、先生が満足されたり面白がられたりした時の口癖だった。
「僕は批評家といわれているが、批評は引用に尽きるのだよ。本居宣長でもゴッホでも、この人はこういう人だと直観できれば、だからこの人はこう言うのだと確信できる所を引く、過不足なく引く。それができたら批評家の言い分など一言だって必要ないのだ」。新しい全集は、期待どおりに売れた。内容見本もあっというまに底をついた。
 おととしの五月、六回目の全集となった「小林秀雄全作品」を出し終え、新潮新書編集部から「小林秀雄の言葉」の相談を受けたとき、ただちにあの日の先生の話を思い出した。〈過不足のない引用〉を肝に銘じ、「小林秀雄全作品」を第1集から読み返した。しかし、むろん、小林秀雄の言葉は尽きない。新潮新書の読後に読者がさらなる引用を試みられれば、小林秀雄の言葉はわかる、なるほどわかるとますます実感されるにちがいない。

目次

はじめに
1 批評とは 竟に己れの夢を懐疑的に語る事ではないのか 24~28歳
2 君は解るか 余計者もこの世に断じて生きねばならぬ 29~31歳
3 確かなものは覚え込んだものにはない 強いられたものにある 32~33歳
4 広く浅く読書して得られないものが 深く狭い読書から得られる 34歳
5 不安なら不安で 不安から得をする算段をしたらいいのではないか 35~36歳
6 誤解されない人間など 毒にも薬にもならない 37歳
7 美しい「花」がある 「花」の美しさという様なものはない 38~43歳
8 モオツァルトのかなしさは疾走する 涙は追いつけない 44~46歳
9 人間は憎み合う事によっても協力する 47~48歳
10 美は信用であるか そうである 49~51歳
11 見ることは喋ることではない 言葉は眼の邪魔になるものです 52~56歳
12 考えるとは 物と親身に交わる事 57~61歳だ
13 プライヴァシーなんぞ侵されたって 人間の個性は侵されはしない 62~74歳
14 宣長が求めたものは 如何に生くべきかという「道」であった 75~80歳
出典年譜

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