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「買って!」で買う客はいません。必ず役立つ「売る知恵」が身に付く。

売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門―

山本直人/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2007/06/18

読み仮名 ウレナイノハダレノセイサイシンマーケティングニュウモン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 202ページ
ISBN 978-4-10-610220-2
C-CODE 0263
整理番号 220
ジャンル マーケティング・セールス
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2011/11/25

「買って下さい!」と連呼すれば売れるというものではない。「高いから買うな」というコピーが当たることもある。モノを売るのは難しい。「売るための知恵」の集積、それがマーケティングである。「午後の紅茶」と京風キムチからブランドの正体を掴み、スーパーの腕利き店員と自虐CMから効果的な売り文句のメカニズムを知る。読めば仕事に役立つヒントが必ず得られる、すべての働いている人のためのマーケティング入門。

著者プロフィール

山本直人 ヤマモト・ナオト

1964(昭和39)年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。

naoto_yamamoto : 山本直人 HOME (外部リンク)

目次

序章 二つの「買ってください」
店員の殺し文句/店員は権威、野球は言い訳/「買って!」で買うならいいのだが
第1章 市場にingをつける発想
マーケティングとは何か/四つのP/日本でマーケティングが不要だった理由/やっと始まった競争/おっさんにお菓子を売る/スパゲティ・ナポリタンは偽物か/調べずには買えない/企業と消費者のオセロ/売る知恵は楽しく働く知恵
第2章 ブランドは魔法の杖か
ブランド研究とは何か/「やっぱり」の研究/マークに一〇〇万円払うか/あなたの検索エンジン/情緒的満足/コンビニで人生を想う/銀座と軽井沢の強み/京風キムチの怪/ブランドは脳内地図にあり/ストーリーを持てるか/「ブランド様」に惑わされるな
第3章 急増した「日本人の種類」
何でもあるけど何もない/「日本人の種類」が増えた八〇年代/家族が揺らぎ始めたとき/ファミリーの地殻変動/父のいない風景/ついに新しいパパが/女と男の風景/愛でられる男/夏のキャンペーンボーイ/多様化の果て/軌道修正の必要性
第4章 ああ言えばこう買う?
広告は本当に効くのか/広告が効くパターン/タレントは拡声器/「高いもやし」が売れた意味/ビールの鮮度問題/「人と同じ」がいい商品/巻き込み型コミュニケーション/いきなり一〇〇万台/自虐広告は難しい/もう一つの二〇〇〇年問題
第5章 テレビは本当に強いのか
広告で結婚はしない/電柱広告の謎/検索力という消費者パワー/テレビの憂鬱/CMを止めるとどうなるか/お詫び広告の思わぬ効用/広告を使いこなせるか/0円広告騒動の本質/白兵戦と空中戦/バラエティという停滞/二兆円を吟味する/新しい知恵の芽
終章 他者を知るということ
理論の前に感覚/当たり前の時代に/物は心を豊かにする
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

波 2007年7月号より コンビニという戦場  山本直人 『売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門―』

山本直人

 会社を離れて、フリーランスのコンサルティングをしていると、人から心配されることがある。
「自宅で仕事をしていると、情報収集とか困りませんか?」
 会社勤めの頃は、たしかに心配だった。だが、会社勤めを離れて三年近く経つが、特に不便はない。むしろ、会社員の方々よりも消費動向には敏感になっていると思う。
 そのカギの一つはコンビニエンス・ストアである。
 私は毎日、自宅の周りを散歩する。運動、気分転換などいろいろ理由はあるが、コンビニに立ち寄ることも目的の一つだ。
 そこでいろいろな売り物を見て、雑誌を眺めて、飲み物を買う。この、飲み物一つとっても、世の中のさまざまな流れが凝縮されている。
 たとえば、大きさ。ペットボトルといえば五〇〇ccと思い込んでいるかもしれないが、昨年辺りから変化がある。四〇〇cc前後に減量しているものがあるのだ。でも、値段は同じ。
 割高なようだが、結構人気がある。理由は簡単。女性がバッグに入れやすいのだ。女性は男性に比べて、たくさん飲めない。そして、時間をかけてチビチビと飲む。そうなると、持ち運びやすいことが重要なのである。
 このメーカーは今年になって、さらにユニークなボトルを出した。平べったいボトルである。「ダイエット」と銘打っていて、やはり量は少ない。女性客を徹底して研究しているのである。
 お茶の戦いも大変だ。昨年は「濃い味」がブームだった。どのメーカーも、明るい緑のレギュラータイプに加えて、深緑色のボトルを出している。
 今年は、さらに高級な路線を狙っている。そうなると、ボトルはどうなるか。
 金色を使ってくるのである。これは単純なようだが、結構効くこともある。人のアタマの中には「金=高級」という意識ができている。目を転じて、ビール系飲料の売り場を眺めていただきたい。かつては、高級ブランドしか金色は使われていなかったが、最近では価格の安いものでも使われている。金の魔力をあてにしているのであろう。
 だが、皆が金ばかり使うと、さすがに消費者も慣れて来る。「金色のインフレ」が起きる可能性もある。そうなると、さらに知恵を使わなくてはいけない。こうして飲み物の世界一つとっても、日々知恵の戦争がおこなわれている。
 丸の内や大手町の会議室でいくら議論しても、消費者の気持ちはつかめない。消費者に接し、売り場を歩いて頑張っている人々の知恵の片鱗が、コンビニには凝縮されているのだ。
 マーケティングとはこの知恵の集積のことである。本書を通じてそうしたマーケティングの面白さを知っていただくと、ビジネスも買い物も一層楽しめるのではないだろうか。



(やまもと・なおと マーケティング/人材育成プランナー)

担当編集者のひとこと

モノを売るのは難しい。

「モノを売るのは難しい。いや、簡単だよという人もいるかもしれないが、その人はかなり幸運な人だと思う。」

『売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門―』はこんな書き出しで始まります。毎月のように新刊を出していると、本当にその通りだと思います。近頃は新書イコール、ベストセラーのようなイメージすらあるのですが、実際にはそんなことはまったくありません。ベストセラーの陰には数多くの非ベストセラーがあります。ベストセラーならば、著者にこちらから「いやあ、売れてますよ!」と連絡できますが、全然そうじゃない場合には、先方から「どう?」と聞かれても「ええと、まあ勝負はこれからですね。それにしても年金問題は大変ですよね」とか何とか言ってお茶を濁すしかないわけです。
 思ったほどの売れ行きではないときに、「時代が悪かったんだよ」「世間の奴らには見る目がないんだよ」と割り切る編集者もいるかもしれませんが、普通は「タイトルが良くなかったのだろうか」「オビが失敗だっただろうか」と反省します。「売れないのは俺のせい」と思うわけです。そして、この反省から何か少しでも次に生かせる知恵が生まれないかと考えるのです。
 あちこちのビジネスの現場で試行錯誤の結果生まれてきた「売るための知恵」の集積、それがマーケティングだ、と著者は説きます。マーケティングというと、小難しそうですが、そんなことはありません。私たちはみな、あるときは「売る側」ですし、あるときは「買う側」です。つまり、マーケティングとは私たち全員が関係者である学問なのです。
「高いから買うな」と宣伝したモヤシがなぜ売れたのか。誰が見ているのか謎の「電柱広告」にはどんな効用があるのか。中高年男性にお菓子を売るにはどうすればいいのか。本書は身近な話題を中心に、楽しくマーケティングを学べる入門書です。
 もちろん、すぐに「モノを売るのは簡単だよ」なんて言えるようにはなりません。それでも、マーケティングがわかると、「売る側」としても「買う側」としても、少し賢くなれます。そしてビジネスや生活が面白くなってくるはずです。

2007/06/25

蘊蓄倉庫

ジャガイモ売りの天才

 あるスーパーで、ジャガイモをがんがん売る店員がいました。その秘訣はジャガイモを運びながら、小声で「このイモはいいんだよなあ。売るのがおしいくらいだ」とつぶやくことだったそうです。聞きつけたお客さんにとっては、下手に大声で呼び込まれるよりも、商品のプロが本音を漏らしている感じがしてしまうようなのです。『売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門―』は、モノを売るための知恵の集積、マーケティングが楽しく学べる一冊です。

掲載:2007年6月25日

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