序章 〈ひらがな〉と〈カタカナ〉
優秀な語学的センス/先斗町も八重洲も/膠着語は文明と文明をつなぐ架け橋/今は「あいうえお」だが/子音と母音が整然と/システムと情緒
第一章 国家とは言葉である
漢字伝来の年代は誤りだが/『論語』と『千字文』/呉音は最も古い漢字の読み方/聖徳太子の時代になると/『十七条憲法』から『大宝律令』へ/大伴家持は和歌も漢文も/顔氏一族の業績
第二章 淵源としてのサンスクリット語
表音記号と表意記号/鳩摩羅什はバイリンガル
第三章 万葉仮名の独創性
漢字の音を漢字で示すには/漢文風に読んでしまうと/「ささ」は「つぁつぁ」/「借訓」と「借音」/『万葉集』だけではなく
第四章 『万葉集』が読めなくなってしまった
漢詩は政治的教養/国風暗黒の時代の到来/遊びを超えた真剣勝負/恋の歌は女性のためだけではない/言葉の意味すら
第五章 空海が唐で学んできたこと
長安の文化を求めて/中国の役人も驚く語学レベル/模倣から「実」へ/反骨・最澄の正論/陀羅尼と言霊信仰/中国語から日本語による理解へ/大きな革命/菅原道真と遣唐使の廃止
第六章 〈いろは〉の誕生
三つの母音が消えてしまった/朱点(ヲコト点)の登場/西大寺と日本語の深い関係/色は匂へど/空海の作ではない
第七章 仮名はいかにして生まれたのか
実名は伏せて/漢字を簡略化する/漢字の一部を利用する/仮名の「仮」とは/姿だけは漢語/外来語を消化する過程で
第八章 明覚、加賀で五十音図を発明す
現存最古の五十音図は/日々研究に没頭/なぜ薬王院温泉寺に/五つの母音を決める/法華経を読経するために
第九章 藤原定家と仮名遣い
歌学者たちの考察/御子左家の一人として正統を問う/「れいぜん」が「れいぜい」に/揺れる解釈をも含めて/あの定家でも/言語は変化する/体言から用言へ/「行」という考え方
第十章 さすが、宣長!
五十音図の横の列/「ヰ、ヲ、ヱ」はどこに/国語学史上の一大発見/現代の方法と変わらずに/復古神道
終章 素晴らしい日本語の世界
消えた「いろは引き」/大槻文彦の自負/新しい精神/情緒よりシステムの構築/「あ」から始まり「ん」で終わる/両輪で言語的バランスをとる
あとがき