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あの人の敬語はなぜムカつくのか? しゃべりのプロによる「敬語入門」!

すべらない敬語

梶原しげる/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2008/01/17

読み仮名 スベラナイケイゴ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 202ページ
ISBN 978-4-10-610245-5
C-CODE 0281
整理番号 245
ジャンル 言語学、政治・社会、ビジネス実用
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2011/10/28

敬語を正しく使って嫌われた首相もいれば、「タメ語」連発で愛される人もいる。使えないのは論外だが、やたらと使うのも考えもの。敬語は必要に応じて使うべき「武器」なのである。「すべらない」敬語はどう身に付けるのか? 失敬と丁寧の境界線はどこにあるのか? 国の「敬語革命」、名司会者のテクニック、暴力団への口のきき方等々、敬語という巨大な森の中を探検するうちに、喋りの力がアップする一冊。

著者プロフィール

梶原しげる カジワラ・シゲル

1950(昭和25)年神奈川県生まれ。早稲田大学第一法学部卒。文化放送に入社してアナウンサーとなり、1992年からフリー。司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)、日本語検定審議委員。著書に『口のきき方』『すべらない敬語』『即答するバカ』など。

目次

はじめに
1 敬語革命、勃発す
敬語漬けの日本人/五分でわかる「敬語の指針」/謙譲語が分裂した/丁寧語と美化語
2 「正しい敬語」はころころ変わる
敬語で痛い目/指針の歴史/答申の登場/驚きの新方針
3 敬語業界vs.国家
二重敬語が解禁/お次のお方/「お」の乱発/お受験問題/犬にえさを「あげる」/とんでも問題/休暇をいただく/最大の争点/チャンピオンの入場/申される
4 敬語は自己責任である
自己責任論/場を作る力/ホステス版「口のきき方」/暴力よりも強し/暴漢と傍観/差別との関係
5 トムとキムはどうなのか
帰国子女の悩み/好感度のスタイル/ポライトネス/英語の敬語/英語式と日本語式/韓国語は長幼の序/中国語の場合/コードスイッチ/方言は強い/悪用も可能
6 三大名人に学ぶ技
久米さんの独り言/みのさんのタメ口/小倉さんの使い分け/女子アナテクニシャンナンバーワン
7 小泉さんと安倍さんの差
改めて思う小泉首相のすごさ/棒読み大臣/東国原知事の方言力/タメ語の麻生/石原都知事の変貌
8 くすぶるマニュアル敬語問題
こちらのほう/椿山荘のホスピタリティー/摩滅の法則/させていただきます/遠慮を押し付けるな/傲慢語
9 失敬と尊敬の間
ネットでもタメ語は不評/タメ語の学問的使用法/タメ語の名人/「くん」付けの効用/目上から目下への敬語の魅力
10 お疲れ様かご苦労様か
お疲れ問題/身分格差の消滅/お疲れでーす/ちゃん付けの起源
11 肩書きに敬意をこめて
フリーターは素敵だ/童話作家はもてる/ヨメと呼んで/主人は偉いのか/団体へのさん付け/「方々」は敬称か/僕って何
12 褒める姿勢、謝る態度
他人のネクタイに言及すべきか/褒める秘訣/謝る敬語/絶品の謝罪文/誠意の敬語
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

波 2008年2月号より すべり続けた総理

梶原しげる

「すべらない敬語」。そのことを考えるきっかけの一つが、安倍前総理でした。本書を執筆するにあたって、敬語という巨大な森を探検していくうちに見えてきたことがあります。
戦後最年少総理は「美しい国」を謳いあげ、真正面から「正論」を「正しい敬語」満載で国民に訴えかけました。たとえば、こんな調子。
「皆様方の声に耳を傾けさせていただき、お子様からお年よりに至るまで、全ての日本国民が、安心、安全にお暮らしになれるよう、美しい国作りのため邁進してまいる覚悟でございます」
一方、前任者の小泉元総理はこんな調子でした。代表例は自身の年金未納騒動当時の答弁。
「人生いろいろ。会社もいろいろ。社員もいろいろです。あの社長、君は、仕事なんてしなくって良いって言った。太っ腹な人だったなあ」
まるで他人事のように、しかもほとんど敬語なしで答弁していました。右の発言は二人の総理の「敬語」に対するスタンスを分かりやすくお伝えするため、多少筆者の脚色を交えていますが、大体、お二人の「芸風」はいつもこんな調子でした。
安倍さんが「正しい敬語」一本やりなのに対して小泉さんは「タメ語」も厭わない。それなのに両者の人気の差はご存知の通りです。
もちろん時代背景、政治家としての力量など様々な要素も関係していたことでしょう。しかし両者の命運を分けた重要なポイントの一つが「敬語とタメ語の使い分け」ではないかと私は感じたのです。すなわち安倍さんは「正しい敬語」に囚われて「すべった」のではないか。
言うまでもありませんが「すべる」とは「場の空気を読み違い、しらけさせる」ことを表します。昨年の流行語KY(空気が読めない)は安倍さんとセットで語られましたが、「すべる」は、KYの結果生まれる状況を表現しているといえます。
ダウンタウンの松本人志さんが司会をつとめる人気番組「人志松本のすべらない話」では、突然指名された芸人が即座にすべらない、つまり「必ずウケる実話」を披露しなければなりません。常に変化する場の空気を読み続け対応しようと必死の芸人達の緊張感が肝です。お察しの通り、拙著のタイトルはここからヒントをいただきました。というのも、敬語で大切なのは「正しい」ことより「すべらない」ことであると考えるからです。
ところが世間にゴマンとある「敬語本」の多くは「正しい」敬語を叩き込むこと自体を目的にしています。そしてそれこそが「賢い」「好かれる」「できる」人への近道であると説いています。
でも実際には「正しい敬語」を使い続けたがゆえに、安倍さんはすべり続けてしまいました。
世間は「正しさ」だけでは通用しません。正しい敬語をバカ正直に使うのではなく、場に応じて言葉を使い分けることが「すべらない」秘訣なのです。小泉さんも最低限の敬語は使っていました。
適切な使い分けが出来たときに初めて敬語は日常を生き抜く「武器」になるのです。

(かじわら・しげる フリーアナウンサー、東京成徳大学客員教授)

担当編集者のひとこと

「喋り模写」の名人

『すべらない敬語』の中で梶原しげるさんは、小泉元首相から外国人、帰国子女まで、ありとあらゆる人の敬語とタメ語(非敬語)の分析をしています。
 その中でも、さすがアナウンサー歴30年、と思わせるのが、久米宏さん、みのもんたさん、小倉智昭さんという三人の喋り手の分析です。
 梶原さんはこの三人を「三大名人」として、ラジオでの喋りを見事に分析します。ここですごいのは、分析に使っているそれぞれの喋りというのが実は架空のものということ。梶原さんは、それぞれの特徴を掴んだうえで、「いかにもこういうふうに喋りそうなセリフ」を再構築しているのです。喋りの模写みたいなものです。「インチキじゃねえか!」と思われるかもしれませんが、一読いただければ、納得していただけるはずです。模写です、と言われなければ絶対に気づかないような出来栄えなのです。分析によれば、名人たちは三人三様の技術をお持ちです。
 とにかくNHKのアナウンサー以上に敬語を使いまくる久米さん。
 ほとんどタメ語で突っ走るみのさん。
 原則に従って、敬語と非敬語をめまぐるしく使い分ける小倉さん。
 ここまで明晰に分解されて、名人たちが「商売妨害だ!」と怒り出さないか、気になるくらいです。

2008/01/25

蘊蓄倉庫

敬語革命

 敬語は「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の三つに分かれる、というのが常識でしたが、実は昨年、これを国が変更していたのをご存知でしょうか。新しく出された「敬語の指針」では、「尊敬語」「謙譲語I」「謙譲語II(丁重語)」「丁寧語」「美化語」と何と五つに分けられているのです。ほとんどの人が知らないうちに進められていた「敬語革命」、その実体は、『すべらない敬語』で。
掲載:2008年1月25日

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