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石油と天然ガスの埋蔵量総額は13000000000000000円! いま、世界経済を牛耳っているのはこの人たちです!

アラブの大富豪

前田高行/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2008/02/18

読み仮名 アラブノダイフゴウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-610251-6
C-CODE 0225
整理番号 251
ジャンル 社会学
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/03/30

原油高を背景に、世界中のマーケットを席巻するオイル・マネー。しかし、その担い手たちの肖像はベールに包まれている。彼らは情報開示義務のない同族企業を舞台に、イスラム圏独特の商慣行と人脈を駆使して、秘密裏に資産をふくらませ続けているのだ。欧米企業を買いあさるサウジの王族投資家、「ハコモノ行政」で大成功したドバイの首長、カネ余りのアブダビやカタルの政府など、アラブの大富豪たちの素顔に迫る。

著者プロフィール

前田高行 マエダ・タカユキ

1943(昭和18)年京都府生まれ。京都大学法学部卒。宇部興産を経て、1976年にアラビア石油に入社。1979年から1985年までサウジアラビア・カフジに勤務。1996年から1999年まで、JETRO(日本貿易振興機構)のサウジアラビア・リヤド事務所長。

目次

はじめに
第一章 サウジアラビア王家と御用商人たち
「サウド家」の「アラビア」/「砂漠の豹」イブン・サウドの国盗り物語/王妃26人、王子36人/門前町ジェッダの商人たち/ゼネコン御用商人ビンラディン/豪商が生まれた三つの時期/サウド家と豪商の「棲み分け」/財務諸表は誰のため?/日本企業との商談風景
第二章 世界一多忙なドバイのCEO
世界地図の形をしたリゾート/真珠採りと海賊稼業/マクトゥーム家の四兄弟/サラブレッドの大馬主/「ハコモノ行政」が大成功!/他人の財布を二度開かせる/ユニクロを退けた資金力/「湾岸一のクールなセレブ」ムハンマド首長/時には思わぬ横やりも……/成功の秘密は次男坊の気軽さ?
第三章 王族投資家アルワリード王子
フォーブス誌お墨付きの大富豪/サウジ初代国王直系の孫/母方の祖父は初代レバノン首相/王道を踏み外した父タラール殿下/最初の事業は失敗/「王族とのコネ」を武器に/投資事業への転身/白馬の騎士としてシティバンクを救済/キングダム・ホールディングの全貌/リヤドの豪邸、いわく付きのヨット/国益に目覚める/国王との連携プレー
第四章 踊る湾岸マネー――アブダビ、カタル、クウェイト
脚光を浴びるオイル・マネー/UAE、カタルの本当の一人当たりGDP/「誰もが金持ち」の湾岸産油国/石油と王制はいつまで続く?/「文化」の輸入にカネを使うアブダビ/カタルの売りは「メディアと教育」/海外に流れる余剰オイル・マネー/「国富ファンド」という怪物の出現/運用が積極的に
第五章 ムハンマドの末裔、ヨルダン・ハシミテ王家
大国に囲まれた貧乏国/アラブ世界最高の名門/アラビアのロレンスと共に/したたかだったフセイン前国王/アブダッラー現国王は英国人とのハーフ/現代のシンデレラ、ラニア王妃/同情するならカネをくれ!/メイド・イン・ヨルダン・バイ・イスラエル/流れ込む湾岸のオイル・マネー
第六章 アラブの政商
商売を奨励したコーラン/利息の禁止/昔ミリオネア、今ビリオネア/金持ちは深く静かに潜行/アラブの政商のルーツ/「武器商人」と「御用商人」/王族自らが武器取引に関与/お蔵入りした疑惑/サウジを巡って英仏が一騎打ち/英陸軍士官学校に集う王族子弟たち/現代アラブの政商は為政者自身
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

波 2008年3月号より 「アブダラー」で読み解く世界

前田高行

定年を控えた四年前、退職後は書斎からブログを発信、多摩川べりでウォーキング、そして地元(東京都府中市)に密着した活動、という三本柱を考えた。ブログの目的は、ビジネスマン生活の経験を現役世代に伝え、同時に頭のボケ防止のため。ウォーキングで健康を維持し、さらに一人の住民として地域に溶け込んだ地元密着の活動をしたい、という意気込みであった。
サウジアラビアでの足掛け十年近い海外生活を含め、サラリーマン人生の大半を中東と石油の世界で過ごしてきた。そのためブログのテーマは中東と石油に決めた。
そのキー・ワードが「ア・ブ・ダ・ラ・ー」。アブダラーはサウジアラビアやヨルダンの国王がそうであるようにアラブ人に最も多い名前の一つである。但しこの場合の「ア・ブ・ダ・ラ・ー」は判じ物である。
一つ目は「アラブ」。アラブのメディアがどのような情報を発信しているか、を伝えたい。日本で流されるアラブ関連のニュースは殆どが欧米通信社のフィルターを通したものである。我々は知らず知らずのうちに欧米の眼でアラブを見ている。アラブのニュースを紹介するのは、世界には多様な見方もある、と言うことを知ってもらいたかったからである。
二つ目は「アブラ」。つまり石油のことである。世界の石油資源の半分が中東の地下に眠っている。石油は「産業の血」と言われるほど重要な資源である。かつて日本は、石油の一滴は血の一滴、の掛け声のもと東南アジアを侵略し、太平洋戦争に突入した。そして現代世界では、エネルギー消費国の間で中国、インドを筆頭に激烈な石油争奪戦が展開されている。日本が石油を確保することの大切さを訴えるためにブログを開いた。
そして三つ目は「ダラー」即ちオイル・マネーである。石油の高騰によりアラブ産油国に世界のドルが集まった。彼らはそのドルで「ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF、国富ファンド)」を設立、世界規模でM&Aに乗り出した。米国の高級百貨店バーニーズの買収合戦でユニクロを退けたのはドバイのSWFであり、フランスのルーブル美術館の分館を開こうとしているのはアブダビである。最近話題のサブプライム問題では、中東のオイル・マネーが、経営危機に揺れる欧米金融機関に救いの手を差し伸べている。
拙著『アラブの大富豪』のキー・ワードも、この「ア・ブ・ダ・ラ・ー」なのである。
蛇足ながら冒頭で触れた三本柱のうち、地元密着型の活動は未だ実現していない。三十年近く府中に住んでいるとは言え、仕事場と家庭を往復していただけの身で今更地元密着とはおこがましいことと承知している。しかし、いつか何かの形で地域社会とつながりができれば、と考える気持ちは今も変わらない。



(まえだ・たかゆき 元ジェトロ・リヤド事務所長)

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ドバイと日本の奇妙な縁

 急速な発展振りが世界中から注目を集めているドバイですが、その歴史には意外なところで日本との競合関係が顔をのぞかせます。20世紀初頭のドバイは海賊稼業と天然真珠の採取が主な産業(?)でしたが、真珠の養殖を成功させた日本のミキモトがドバイ産真珠を壊滅させました。石油が出た後、ドバイ首長家はありあまるカネをサラブレッドの世界に振り向けますが、この世界でライバルだったのが日本のバブル紳士たち。昨年には、ドバイの政府系ファンドがバーニーズ買収を巡ってユニクロに競り勝っています。「神田うのの新婚旅行先」にとどまらない因縁が、ドバイと日本の間にはあるようです。
掲載:2008年02月25日

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