ドウドウタルセイジ
堂々たる政治


与謝野馨

耳障りなことを言う。それが私の仕事である。

この国の土台が揺らいでいる。小泉政権の構造改革を継承し、突如瓦解した安倍政権、停滞し、綻び始めた国家の運営……いま、政治家に不可欠な判断の要諦とは何か、言葉と行動の重さとはいかなるものか。奇をてらわず、耳障りなことでも堂々と語る。文人の家系に生まれ、会社員から政治家に転身、度重なる落選やガンとの闘いまで、生涯を省察しながら、国の将来に深い想いをこめた初めての著書。

発行形態 : 新潮新書
判型 : 新潮新書
頁数 : 190ページ
ISBN : 978-4-10-610257-8
C-CODE : 0231
整理番号 : 257
ジャンル : 政治
日本政治・行政
発売日 : 2008/04/16

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与謝野馨
ヨサノ・カオル

1938(昭和13)年東京都生まれ。経済財政政策・規制改革担当大臣。東京大学法学部卒業後、日本原子力発電に勤務。中曽根康弘秘書を経て1976年に衆議院議員に初当選。文部、通産、金融・経済財政担当相、自民党政調会長などを歴任し、安倍内閣で官房長官を務めた。歌人の与謝野鉄幹・晶子は祖父母にあたる。

はじめに
第一章 三〇日間だけの官房長官
安倍総理辞任の顛末
消え入りそうな声
麻生・与謝野クーデター説のばかばかしさ
官房長官としての三〇日
率直さが魅力だった安倍総理
官房長官は番頭役
梶山氏から学んだ役人操縦術
第二章 奇道の政治、小泉元首相の遺産
天才的なカンとひらめき
肝心な時は人に相談しない
ワンフレーズ・ポリティクスの恐ろしさ
自民党はぶっ壊れたか
新聞の社説にとらわれない
有権者は「チラ見」と心得る
対米一辺倒路線の転換
防衛官僚の罪
第三章 国家観なき市場原理主義の危険
小泉構造改革の評価
米国は「市場現実主義」
小泉構造改革論はスローガン
不公平と格差の違い
第四章 落選三回、当選九回
与謝野家に生まれて
勉強嫌い
中学生からやり直し
中曽根氏との出会い
原発の会社に就職
政界入り前夜
結婚と出馬
当選、そしてまた落選
身にしみた温かさ
野党に転落
入閣と落選、そしてガン
第五章 政治家の王道
中曽根氏の言葉
熟成ゆえの重み
幻の大連立構想
政界再編の胎動
二大政党制は理想か
小沢・与謝野、囲碁対決の真相
政治家の王道
役人は使いこなすべき
第六章 国家は割り勘である
国は巨大な割り勘組織
主婦の感覚を持つ
財政における二つの無駄の形
先進国中で一番役人の少ない国
国が抱える二つの家計簿
選挙目当ての嘘を言わない
第七章 霞が関埋蔵金伝説と「上げ潮」路線
埋蔵金伝説を信じる人たち
「上げ潮」路線と「両輪」路線
金利と成長率
まっとうな日本
終章 温かさと改革は両立する
おわりに


「勘」という幸運

 毀誉褒貶はあるにせよ、小泉元総理に天性の勘とひらめきがあったことは、著者が指摘する通りでしょう。その後継者が「KY」、現総理などは「脳死」と揶揄される始末ですが、名宰相・吉田茂はかつてこう述べています。「『勘』というものは幸運と同じように、つくり出そうとしてつくり出せるものではない。それらはともに、すぐれた歴史の感覚をもち、勤勉に働く国民に与えられる一種の贈り物のようなものである」(『日本を決定した百年』)。明治の指導者たちの「勘」を称える一方で、「成功に酔ったり、実力を過信する人びとには、幸運も『勘』も与えられはしない」と断じています。
掲載:2008年04月25日
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