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がんをどう考えるか―放射線治療医からの提言―

三橋紀夫/著

756円(税込)

本の仕様

発売日:2009/01/19

読み仮名 ガンヲドウカンガエルカホウシャセンチリョウイカラノテイゲン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 220ページ
ISBN 978-4-10-610295-0
C-CODE 0247
整理番号 295
ジャンル 放射線医学・核医学、家庭医学・健康
定価 756円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/04/27

がんの最善治療とは何か? 医療技術が日進月歩で進化を遂げる一方で、氾濫、錯綜する情報とどう向き合えばいいのか……。専門分野に特化することなく、がんの生態を最も熟知する立場である放射線腫瘍医が、がん発生のメカニズムから最先端の治療法、治療に対する考え方までを、わかりやすく、そして大胆に教える。手術で“排除”するのでも、抗がん剤で“叩く”のでもない、“共存”の道とは――。

著者プロフィール

三橋紀夫 ミツハシ・ノリオ

1949(昭和24)年東京都生まれ。放射線腫瘍医。東京女子医科大学「放射線医学講座」主任教授。群馬大学医学部卒業。日本放射線腫瘍学会理事、日本癌治療学会理事、日本頭頸部癌学会理事、日本医学放射線学会代議員及び生物部会長等、多くのがん関連学会の委員、役員を務める。

目次

はじめに
第一章 がんとは何か
1、発生のメカニズム
がん細胞が生まれる瞬間――「多段階発がん説」/イニシエーターの三つの種類/「がん家系」って本当にある?/プロモーターの役割/増殖の過程で見るアナーキズムな六つの特徴
2、がんの種類
進行度合いを表すTNM分類法/外科医ベースでの考え方/高分化型と低分化型/悪性と良性の違い
3、発生率と治癒率への疑問
がんの自然史/宿主の抵抗力に委ねる発想/「五年生存説」のウソ
第二章 がん治療の現状
1、がん治療の考え方
がんが治って胃がなくなった/乳房温存療法
2、局所療法と全身療法
四つの外科的治療法について/放射線治療の概要/三大治療法以外の「その他」の療法/全身療法について
3、集学的治療は本当に効くか
外科療法との組み合わせ/化学療法との組み合わせ
4、「効果判定」の真偽
一〇〇パーセント根治はありえるか?
5、医師と患者の信頼関係
「インフォームド・コンセント」「セカンド・オピニオン」/「信頼と責任」を見失った時代
第三章 切らずに治す放射線治療の最前線
1、放射線治療の原理
なぜ、がん細胞は死に至るのか/「ベルゴニー・トリボンドーの法則」/細胞周期内で感受性の高い時期
2、原則と目的、そして有害事象
効果的治療のための線量効果曲線/放射線腫瘍医の真価の見せ所/照射の三つの目的――根治、姑息、対症/三つの治療法/有害事象(副作用)について/一過性症状の「急性障害」と不可逆的な「慢性あるいは晩発障害」/放射線感受性による三つの組織区分
3、疾患ごとの治療の実際
(一)脳腫瘍 (二)転移性脳腫瘍 (三)舌がん (四)喉頭がん (五)食道がん (六)肺がん (七)乳がん (八)子宮頸がん (九)前立腺がん (一〇)悪性リンパ腫 (一一)小児がん
第四章 進化を遂げる放射線治療のこれから
1、高精度放射線治療
「三次元」と「多方向から」の集中法/「線量の変化」と「四次元的」解決策
2、重粒子線治療と硼素中性子捕捉療法
一台、一〇〇億円の重粒子線治療器/硼素のみに発生するα線
3、高線量率照射
4、放射性同位元素で標識したモノクローナル抗体治療
5、分子生物学の放射線治療への寄与
 分子標的薬によるシグナル伝達の抑制
6、正常組織防護のためのアプローチ
7、温熱療法との併用による増感効果
8、分子イメージングの開発
9、ゲノム解析で研究の進む究極の治療法
「テーラーメイド治療法」の可能性
エピローグ――治療施設の「センター化」を

蘊蓄倉庫

放射線治療医が語る「がんとの賢い付き合い方」

 今日のがん治療法には、大きく三つの選択肢があります――手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療です。
 がんとは、体を害しながら蝕んでいく恐ろしい存在、完全に治癒してしまうに越したことはありません。だから、いってみれば、外科では手術で「排除」し、内科では抗がん剤で「叩いて」しまおうとする療法をとります。しかし残念ながら、現段階のがん治療においては、全てが根治というのはありえない、というのが実状なのです。たとえ画像では「がんが消えた」と診断されても、実際はがん細胞がゼロになっているわけではありません。むしろ、手術や化学療法で無理をして、副作用に苛まれてしまうケースをよく見かけます。手術とは、がんだけを切り取っているのではなく、胃や腸など、臓器自体をも切り刻んでいるのです。化学療法は全身のがんを叩けるくらいですから、当然、ホスト自身の免疫力も弱めてしまっています。そんなことをすれば却って“寝た子を起こす”ことにもなりかねません。
 そこで、本書の著者である放射線治療医はこう提言します、がんとは本当は「弱くてかわいいもの」、仲良く「共存」するのが最善の治療法と……。
掲載:2009年1月25日

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