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好況よし、不況またよし――前米国松下電器会長がつづる「経営の神様」の凄み。弘兼憲史氏推薦!

松下幸之助は生きている

岩谷英昭/著

734円(税込)

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発売日:2009/06/17

読み仮名 マツシタコウノスケハイキテイル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 190ページ
ISBN 978-4-10-610317-9
C-CODE 0234
整理番号 317
ジャンル 経営学・キャリア・MBA、ビジネス人物伝
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/05/25

好況よし、不況さらによし――。かつて「経営の神様」とよばれた松下幸之助は、苦境を好機に転じる心がまえについてそう語った。百年に一度といわれる経済危機に、企業は、そして企業人はどう立ち向かえばいいのか。約四十年間にわたる異国でのビジネスを通じ、座右としてきた創業者の智恵ある言葉の数々に、豊富なエピソードを重ねてつづる。前米国松下電器会長による初めての著書。

著者プロフィール

岩谷英昭 イワタニ・ヒデアキ

1945(昭和20)年岡山県生まれ。経営コンサルタント。松下電器(現・パナソニック)に入社後、約四十年間にわたり海外営業を担当。米国松下電器会長、グローバル戦略研究所長などを歴任。明治学院大学、東北財経大学(中国)客員教授。ピーター・ドラッカー研究所特別顧問。

目次

好況よし、不況またよし――序に代えて
一、志を立てるのに、老いも若きもない
十年先を想像しております/わが社は今日から再び開業する/二股ソケットから乾電池へ/マンハッタン五番街に乾電池工場を
二、たとえ命令がなくとも、以心伝心
適時適確に事を運ぶということ/「まかし、まかされ」
三、産業人の使命は貧乏の克服である
「あ・うんの呼吸」の大切さ/運転手から社長への大抜擢/人材と事業を生かすM&A/技術を生かすのは経営次第/この世に「楽土」を建設する事/お客さまの声は至上究極/百万両の笑顔とお辞儀
四、経営のコツここなりと気づいた価値は百万両
恩返しの哲学/仕事は「させていただいている」/ブランド紆余曲折
五、見ること博ければ迷わず、聴くこと聡ければ惑わず
松下ファミリーとの出会い/ミキモト真珠とカレーライス/ストリートスマートということ/語学は机上より路上で/Nothing to Lose,Not End of the World/買うに足りる品物、買って気持ちのいいサービス/ユダヤの商魂と天ぷら/「お前の持ち金、全部つぎ込め」/刑務所行きのピンチ/「縁」のなかったヘッドハント/郷に入っては郷にしたがえ
六、共存共栄なくして真の発展、繁栄はありえない
万物がつながっている社会で/グローバリゼーションは、ローカリゼーション/一つの見方にとらわれないこと/値段、性能、ユーザー意識/大成功したビジオとEMS/「松下ユートピア」に挑む/「世界の工場」になった中国/日本が来た道をたどる中国へ/「共存共栄」をボーダレスに
七、売る前のお世辞より売った後の奉仕
商売よりも生活物資を/「熱海会談」と販売チャネル改革/「永久の客」を作るということ/商業資本優位のアメリカ/アメリカ人の人情/憂事に直面しても恐れるな/「ファミリー」の価値は無限大
八、汗の中から知恵を出せ
利潤は社会からの預かり物/一匹狂えば千匹狂う/客の為になるものを売れ/独善を排してワンマンに陥らず
九、嵐のときほど、協力が尊ばれる
うろたえては、針路を誤る/ベタ凪ぎの湖面に浮かぶ水鳥?/お客さま不在のスペック競争/鎖国は二度とありえない/真の人材育成ということ
十、みんなが納得する、しごくあたりまえのところ
本当の意義はこのピンである/「破壊と創造」、そしてブランド統合/暖簾分けをもとに戻したわけ/幸之助さんが生きていたら
あとがき
 引用出典及び主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2009年7月号より 不況下で見つめ直す「経営の神様」の至言

岩谷英昭

好況よし、不況さらによし――かつて「経営の神様」といわれた松下幸之助さんは、そう断言しました。未曾有の世界不況といわれる昨今、日々の暮らしの苦労、また将来に向けても不安の中におられる方々にすれば、何ということを、と思われるかもしれません。
しかし、どうあがいたところでこの世には景気のいいときもあれば悪いときもあります。だからこそ、順境にあっても逆境への備えを忘れず、逆境にあってもまた来るであろう順境への希望を失ってはいけない、そうした心がまえを説いたフレーズに、私は創業者ゆえの凄みとともに、何か、とても素直な人間哲学を感じるのです。
彼の遺した言葉の中に、「雨が降れば傘をさす」という有名なものがあります。これもまた人間として自然の流れに対しては素直であれ、ただしその一方では、快晴のときであっても、悪天候への備えを怠るな、ということです。
八十年前の世界恐慌のときでも、幸之助さんは従業員をリストラすることも、給料を下げることもありませんでした。前代未聞の苦境だからこそ、人心をまとめあげることでピンチをチャンスに変え、次なる飛躍への礎を築きました。
大阪・南船場の丁稚奉公からわずか一代で、途方もないグローバル企業を作り上げた立身出世物語は、敗戦後の焼野原から、奇跡的な経済復興をなし遂げた日本経済の象徴でもありました。もちろん、その過程においては数多くの試練があったことは、今さら私がいうまでもありません。
ただ、その最中にあっても彼がけっして忘れなかったのは、人間への愛情と社会への貢献、ありていにいえば「世のため人のため」という経営スタンスでした。それは決してドメスティックにとどまらなかったし、そのぶれない軸があったからこそ、どんな経済のうねりが襲ってきても、前に進んで来られたのだと思います。
私自身、約四十年前に初めて米国の土を踏んで以来、二〇〇四年に米国松下電器(MECA)会長CEO(最高執行責任者)を退くまで、言葉はもちろん商慣習やものの考え方など、あらゆる違いの中で試行錯誤しながら、ビジネスの最前線で戦いました。その間、指南書として座右としていたのが「社主」松下幸之助さんの著書でした。
失敗してメゲそうなときには勇気をもらい、難しい判断に迷ったときには一つの指針をいただく。会社員人生において、何度となくありました。
本書では、自分がこれまで経験してきたことを振りかえりながら、松下幸之助という偉大な経営者にして思想家の言葉を紹介しています。
昨秋、松下電器グループが全世界で「パナソニック」を統一ブランドとして新たなスタートを切ったのと時を同じくして、これからの企業と企業人について、私なりに考えをまとめたものが初めての著書となりました。

(いわたに・ひであき 前米国松下電器会長)

担当編集者のひとこと

「経営の神様」の凄みとは

 好況を歓迎すべきことはいうまでもありませんが、「不況もまたよし」と言ってのける経営者は、そうはいないでしょう。産業人の使命は貧乏の克服である、利潤は社会からの預かりもの、汗の中から知恵を出せ……敗戦後のどん底から、一代で世界的企業グループを作り上げた「経営の神様」の言葉には、やはり生半可でない凄みが宿っています。
 著者は、海外研修生の時代から米国松下電器会長として会社員人生を終えるまで、常に「社主」松下幸之助の言葉を指南書としてきたといいます。巨大市場アメリカでの豊富なビジネス経験と、松下電器(現パナソニック)の来し方とを重ね合わせ、モノづくり日本の将来へ深い思いをこめた初めての著書となりました。

2009/06/25

蘊蓄倉庫

素直な巨耳

 松下幸之助(1894-1989)の写真を見ると、まず目にとまるのがその大きな耳たぶです。実際、じかに会った人の多くが、こちら側を向いた見事な耳に強い印象を持ったようで、「巨耳の人」とも称されます。
「聴くこと聡ければ惑わず」の古言のまま、職種や立場に関係なく、どんな相手の話でも熱心に聞いたというカリスマのエッセンスを、著者は「素直」という言葉に集約しています。それはたとえば自分自身についても、「私は(人の)長所を見ることに九の力を用い、短所を見ることに一の力しかもちいないので、ときどき失敗する」(『私の行き方考え方』)と素直に認めるところにも、あらわれているようです。
掲載:2009年06月25日

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