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破壊された未来の時間を取り戻すために――哲学者による「ポスト3.11」の決定的論考!

文明の災禍

内山節/著

734円(税込)

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発売日:2011/09/16

読み仮名 ブンメイノサイカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 186ページ
ISBN 978-4-10-610437-4
C-CODE 0210
整理番号 437
ジャンル 哲学・思想、思想・社会
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/03/23

産業革命以来、「発展」のため進歩させてきた末の技術が、いま暴走している。その意味で、原発災害を原発だけの問題としてとらえてはいけない。これは「文明の災禍」なのである。私たちが暮らしたかったのは、システムをコントロールできない恐ろしい社会ではない。「新しい時代」は、二百年余り続いた歴史の敗北を認めるところから始めることができるのである。時代の転換点を哲学者が大きな視点でとらえた、渾身の論考。

著者プロフィール

内山節 ウチヤマ・タカシ

1950(昭和25)年東京生まれ。哲学者。立教大学大学院教授。1970年代から東京と群馬の二重生活を続ける。著書に、『貨幣の思想史―お金について考えた人びと―』『森にかよう道―知床から屋久島まで―』『「里」という思想』『怯えの時代』(いずれも新潮選書)、『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社現代新書)、『戦争という仕事』『清浄なる精神』(ともに信濃毎日新聞社)、『文明の災禍』(新潮新書)など多数。

目次

序章 供養――死者と向き合う
第一章 衝撃――自然の災禍、文明の災禍
生命の衝撃
文明の災禍
静かな敗北
敗北のなかの光
第二章 群衆――イメージの支配
システム崩壊の連鎖
情報の壁
バーチャルな時空
情報と身体
第三章 時間――営みをつなぐ
未来の時間の破壊
現代における「ウチ」と「ソト」
力の求心力
虚無のなかから
第四章 風土――存在の自己諒解
グランド・デザイン
地域の復興
イメージのズレ
存在の諒解
コミュニティの意味
復興の意味
第五章 共有――何かがはじまっていた
変革のありか
基層的文明
破綻と転回
自利と利他
社会的使命
終章 自由――イメージとは異なる世界
専門性の罠
あとがき

担当編集者のひとこと

私たちに求められていること。

 東日本大震災が起きてから数度、福島県の浜通りに行った。南相馬市では、ある人のインタビュー取材に同行した。夏の暑さのためだけでもなく、真昼間の商店街には、人の姿、車をほとんど見かけなかった。「特に子供を目にしなくなりましたね。まるで、ゴーストタウンです」。話をするその人の言葉通り、町は不自然に静かだった。
 原発から3キロ圏内を訪れ、「死の町のようだった」と発言した鉢呂前経産相は大臣を辞めた。が、原発周辺の町をそう表現しても仕方ないと正直、思った。南相馬では原発から30キロ離れた地域を訪れたが、それでも私の頭に浮かんだ言葉は、「人の姿を見かけない町」だった。
 著者の内山さんはこの本の中で、そうした町をこう表現している。
「生きている人の未来の時間をも破壊し、原発周辺の地域の未来の時間を丸ごと破壊してしまった。もしもこんなことが許されるなら、私たちは恐ろしい社会をつくることになってしまうだろう。未来の時間を破壊することが平気な社会、それは恐怖に満ちた社会である」(P101)
 大切なことは、無人に近い町がこの国に出来てしまった事実、だ。あの日から、私たちに求められているのは、「起きていることの解釈」だと、本書を読んで何度思ったか知れない。

2011/09/22

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