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人はみな幸せになるべきなんて大ウソ! 稀代の思想家が「この国の偽善」を暴く。

反・幸福論

佐伯啓思/著

799円(税込)

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発売日:2012/01/16

読み仮名 ハンコウフクロン
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-610450-3
C-CODE 0210
整理番号 450
ジャンル 哲学・思想、思想・社会
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/07/20

無縁社会の何が悪いのか。遁世も悪くない。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だ――。権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露わになる。柔らかい筆致の中に、日本人の禍福の真理が詰まった至高の啓蒙書。

著者プロフィール

佐伯啓思 サエキ・ケイシ

1949(昭和24)年、奈良県生まれ。社会思想家。京都大学名誉教授。京都大学こころの未来研究センター特任教授。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。2007年正論大賞。『隠された思考』(サントリー学芸賞)『反・幸福論』『日本の宿命』『西田幾多郎』『さらば、資本主義』『反・民主主義論』など著作多数。

目次

はじめに
第一章 サンデル教授「白熱教室」の中の幸せ
サンデル・ブームの不思議/「最小不幸社会」の幸せ/「ささやかな私的世界」の暴走/アリストテレスの問い/「その先にある幸福」
第二章 「国の義を守る」という幸福の条件
「論」より「力」か/決定権はアメリカに/「国土を守る」とは/神々の敗北/「ふるさと」と「国土」/「義を守る」
第三章 「無縁社会」で何が悪い
「無縁社会」はヘンな言葉/あわてふためく愚/「無縁死」でどこが悪い/現代の死生観/人は“姥捨て”から進歩したか
第四章 「遁世」という幸せ
わからぬでもない事情/「無縁死やむをえず」/家族、この激しい軋轢の場/無用者の系譜/諸行は無常、生者は必滅/うたかたの夢
第五章 人間蛆虫の幸福論
「違い」は「不平等」か?/「ポジティブ」、まかり通る/「死生観」も崩壊する社会/トルストイのディレンマ/「私」を保障するもの/どこから来てどこへ行く
第六章 人が「天災」といわずに「天罰」というとき
「我利」にはしる日本人/普通人の感覚/ヴォルテールの結論とは/カントの言い分/宮澤賢治の「無声慟哭」/日本人の自然観
第七章 畏れとおののきと祈りと
生者と死者の間に/「意味の空白」/恐るべき思想/救い難い人たち/死ねば死ぬだけのこと/「生」の意味
第八章 溶解する技術文明
お気楽な話/脱原発は、脱成長路線/技術文明との付き合い方/今、問われる技術の意味/自然を「挑発」する/ハイデガーの警戒と嫌悪
第九章 民主党、この「逆立ちした権力欲」
わかりきっていたこと/権力欲が権力を手にした時/知識層の病は深刻/暗い未来図/裏返された権力欲/正義の仮面
あとがき

担当編集者のひとこと

『反・幸福論』を読む幸せ

 本書は、京都大学大学院人間・環境学研究科教授の佐伯啓思氏による小社での初めての著作になります。
 佐伯氏は、『隠された思考』『「アメリカニズム」の終焉』『現代日本のリベラリズム』『自由と民主主義をもうやめる』など、今までに素晴らしい論考を数多く著され、サントリー学芸賞、東畑記念賞や読売論壇賞など受賞歴も豊富な稀代の思想家です。
 本書では、「なぜ日本人は幸せを感じられないのか」という壮大な問いに、佐伯氏の鋭い眼差しと柔らかい筆致で深く迫っています。
 未曾有の大震災、度重なる政権交代、「正義論」ブームなど最近のニュースを発端に、歪んだ日本人の思考を再考し、生き方の本質を、はっきりと浮かび上がらせてくれます。
 本書の内容を一部記してみます。
・「無縁社会」の何が悪い
・「自由と権利」の追求が不幸のもと
・経済的豊かさが人間関係を蝕む
・格差是正は欺瞞である
・「遁世」だって悪くない
・「ポジティブ・シンキング」は怪しい
・最新技術の「便利さ」を警戒する
・政界に渦巻く「歪んだ権力欲」の正体
・サンデル教授の「正義」は日本人に有効なのか
・福沢諭吉「人間蛆虫論」からの教え
・「徳」や「義」はどうして喪われたか
・「幸せの条件」は他者の中に宿る…… 本書の読了後には、知らず知らずのうちに偽善にまみれていた心や、くすぶっていた疑念が晴れ、喪われた「日本人としての幸福」が見えてきます。

2012/01/25

蘊蓄倉庫

「ポジティブ・シンキング」の怪談

 近代社会には「人はみな幸福になる平等な権利をもつ」「個人には自由がある」という原理原則があるそうです。ここに「幸福になりたい」という観念が加わると、「人はみな幸福でなくてはならない」という、いささか過剰な原理になります。
 さらに、アメリカや日本で横溢する「ポジティブ・シンキング」が加わると、「人は幸福のためにポジティブ・シンキングをしなければならない」という強迫的な思考ができあがってしまいます。
 そのために重度の「ポジティブ病」に病んでいるのがアメリカなのだそうです。そして、この症状は日本にも蔓延しています。
 人は容姿、性格や能力が個々に「違う」のが当然なのに、「違い」を不平等や不公平と捉え、「平等に幸せに生きなければならない」と盲信し、その是正をまさに「ポジティブ」に推し進めることが、恐ろしいことに、本当の幸福を妨げているのだそうです。この問題は本書に詳述されています。
掲載:2012年1月25日

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