プロローグ
第一章 保守主義とはなにか
保守主義の意義/エドマンド・バーク/右翼と保守は同じではない/自由主義との親和性/守るべき「美風」とは/憲法の肝は第一章である
第二章 保守主義の条件
条件I・「自由」の擁護
自由とはなにか/独立自尊の精神/小野塚喜平次の原則/「カワイイ」の意義/政治とは難儀なもの/嫉妬が自由を蝕む
条件II・「柔軟性」と「ダイナミズム」
「変革」より「適応」を/老舗企業の姿勢/経験と智恵/硬直性が身を滅ぼす/草食系男子の脆さ/変わらなければならない理由
条件III・「中庸」の美徳
「……しさえすれば」の安直さ/排他的ではいけない/白黒を決めつけない/名誉価値と福祉価値/左翼の言説はなぜ粗雑なのか/「甘み」と「苦み」を基盤に
国を統合するものは何か
統合とは何か/日本の安定性/国家における三つの体系/差別は統合を阻害する/統合を考えない日本人/皇室は統合の中核
第三章 保守政治家の肖像
シャルル・ド・ゴールの「偉大さ」
フランスの偉大さ/アルジェリア独立戦争/国民に対する信頼/「暴力」は誰のために/外交における自律性/文化を資産に/財政再建と経済復調/質素な晩年
ウィンストン・チャーチルの「適応力」
辺境から生まれた宰相/変節漢だったか/なぜ「最も偉大な英国人」なのか/チェンバレンへの批判/田園生活への愛着/挙国一致の意味/冷戦への適応/大英帝国の落日
ロナルド・レーガンの「楽天性」
自信と善意の復活/米国における自由/誰を範としたか/「強い米国」の統合/米国の保守主義が持つ怖さとは/レーガン・デモクラット/正義の保安官/新自由主義は敗れたのか
吉田茂の「野趣」
「帝国」と「帝国」以後を結ぶ存在/長谷川如是閑の吉田評/自由主義への志向/財閥への同情/異質な他者を取り込む/軍事を軽視せず/日本民族は優秀である/明治の再現という試み
コンラート・アデナウアーの「誠実」
四つの体制を生き抜いた政治家/ナチスの総括/小さなドイツ/奇跡の経済復興/西側社会のメンバーとして/再軍備の論理/再統一に着手/誠実と率直
第四章 保守主義の可能性
「敗北」と「挫折」を背負い/庭園師のように/聖典を作らず/「信頼」と「懐疑」の狭間/思いやりは難しい/「権謀術数」の意味を説けるか/作法の重要さ/求められる視野の広さと感受性/日本的「無常観」の意義/「統治者」としての強烈な自覚を/観念と戯れない
エピローグ――謝辞に代えて
ド・ゴールの晩年
フランスのシャルル・ド・ゴール元大統領は、引退後、パリから260キロ離れた小さな村の二階建て木造住宅に隠居しました。首相や大統領を歴任した立場から得られるはずの恩給はすべて辞退し、陸軍准将としての年金だけで暮したそうです。『大戦回顧録』等の著書による印税は全て自ら設立した障害児福祉財団に寄付していました。
辞めたあとも無駄に生臭い人や、辞めるといって辞めない人とはえらい違いです。
『「常識」としての保守主義』には、ド・ゴールの他、ウィンストン・チャーチル、ロナルド・レーガン、吉田茂、コンラート・アデナウアーといった保守政治家の足跡がまとめられています。
掲載:2012年1月25日