ホーム > 書籍詳細:検察―破綻した捜査モデル―

最強の捜査機関は「時代遅れのガラパゴス」に。記者クラブとの関係、「国策捜査」の深層、不祥事続発の背景まで、検察取材の第一人者が徹底解説。

検察―破綻した捜査モデル―

村山治/著

799円(税込)

本の仕様

発売日:2012/08/17

読み仮名 ケンサツハタンシタソウサモデル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 239ページ
ISBN 978-4-10-610481-7
C-CODE 0231
整理番号 481
ジャンル ノンフィクション
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/02/15

なぜ検察の不祥事はかくも続いているのか。その背後には、属人的な問題では片付かない「構造問題」が隠れている。司法取引などの手段を擁さないまま、自白を引き出すための「取り調べ」に全力を傾けるという捜査モデルが時代に合わなくなってきたのだ。特捜検事の犯罪が生まれる理由、メディアとの関係、「国策捜査」が行われる事情まで、検察取材経験三十年以上の第一人者が徹底解説。

著者プロフィール

村山治 ムラヤマ・オサム

1950(昭和25)年徳島県生まれ。朝日新聞編集委員。早稲田大学政経学部卒。1973年に毎日新聞社入社。1991年に朝日新聞社に移り、バブル崩壊以降の政界事件、大型経済事件の報道に一貫して関わる。著書に『特捜検察vs.金融権力』『市場検察』などがある。

目次

まえがき
第1章 諸悪の温床「取り調べ」
「やってられない」とつぶやいた法務省幹部/「割り屋」が一目置かれる文化/供述調書は「作文」/自白絶対主義と拷問の歴史/米ソ冷戦で裁判所と検察が「共闘」関係に/検事が無理をせざるを得ない構図/特捜事件史は取り調べ批判の歴史/ロッキード事件で使われた「刑事免責」/「お上」意識が薄れ、自白獲得が困難に/改革のチャンスを逃したまま……/検察を襲ったスキャンダルの嵐/司法制度改革で終わった検察と裁判所の蜜月/あおりを食った特捜捜査/違法スレスレの取り調べテクニック/人質司法
第2章 「特捜検事の犯罪」はなぜ生まれたのか
朝日のスクープから走った衝撃/特捜部長の逮捕で逡巡した検察/無罪事件の構図/「砂上の楼閣」だった供述調書/敗戦後の混乱から生まれた特捜検察/特捜検察「最強」の秘密――捜査権と起訴権/検察のチェック&バランス/チェックがきかなかった村木事件の決裁/「結果ほしさ」であせった大阪特捜/大坪元部長だけを悪者にした最高検/「眉唾」の最高検レポート/「自白」を受けた検察は、すべきことをしなかった/「犯人隠避」より重大な「公判続行」の罪/前田検事を生んだ「灰色の土壌」/漫画? 特捜副部長が取り調べの録音・録画を要求/待ったなしの検察改革
第3章 「国策捜査」はあるのか
特捜検察の存在自体が「国策」/捜査の背後にはいつも「国民の期待」が/住専事件で初登場した「国策捜査」論/佐藤優氏の国策捜査論/鈴木宗男氏逮捕は「検察スキャンダル」から目を逸らすため?/「官僚」批判のターゲットに
第4章 「小沢捜査」はなぜ批判を浴びたのか
政権交代阻止?/警察庁元長官の軽はずみな発言/「表献金」で摘発できるのか/政治資金規正法を「竹光」から「真剣」に/公共事業利権の解明/40年も続いた小沢vs.検察の戦い/強制捜査をめぐるダッチロール/因縁対決は小沢議員の勝利/検察審査会――起訴独占権に対する監視装置/GHQの改革と検察の抵抗/「隼君事件」で巻き起こった検察への不信/違法捜査の疑いをつかんだ石川議員/弁護側の虚偽報告書暴露作戦/大坪元部長起訴の因果はめぐる/わかりにくかった小沢無罪判決/検察審査会廃止論は拙速/田代検事は嫌疑不十分で不起訴に
第5章 「検察の正義」って本当に正義?
調活費の流用疑惑/8千円のフカヒレラーメン/情報公開法施行決定が改革を促す/過去の不正に頬被りした法務省の論理/事務官という「縁の下の力持ち」/告発怪文書/内部告発を決意した大阪高検幹部/実名告発の日の朝、逮捕される/「俺たちは犬だ」/ぼろぼろになった「検察の正義」/反検察の旗手に転じた三井氏/「隠蔽」の復讐/裏切り者は消す?/「正義の味方」が「闇社会の番人」に転じるのはなぜか
第6章 メディアは検察の共犯者なのか
反検察のOBが書いたミステリー小説/「悪い情報提供」と「いい情報提供」/背景にある「情報権力」構造/公益にかなった情報提供は許される/「大本営発表型」の報道は報道ではない/情報漏洩を極端にいやがる検察/30年後のネタばらし/検察取材の拠点、記者クラブ/「千日回峰」、そして「戦死者」も/記者クラブを必要とするのは検察の方/記者クラブ除名社に対する取材拒否/戦時統制のDNA/「出入り禁止」を導入した吉永検事総長/神経をすり減らす「前打ち」/「前打ち」報道は必要か/テレビと女性記者が検察取材を変えた
第7章 検察の組織と出世双六
軍隊型組織で働く法律専門家集団/検事総長への階段/二つの出世コース/喪失した「ギラギラ感」/派閥がない組織/「上から目線」が普通に/本棚にはチェ・ゲバラと高橋和巳/志望動機を聞いてみた/事件よりも景気に左右される任官者数/日本の検事は社会的地位が高い/検事たちのアフター5/増え続ける女性検事/「沈黙の美学」という手前勝手/検事は市場経済が嫌い?/「生きている企業」の捜査はアンタッチャブルだった/キャリア官僚よりも高い給料/ヤメ検でマスコミに出てくる人が多いのはなぜ?/「ヤメ検」は必要悪なのか
参考文献

蘊蓄倉庫

取り調べられてもカツ丼は食えません

 昔の刑事ドラマでは、取り調べの際に犯人の心を開かせようとしてカツ丼を食わせたりタバコをすすめたりというシーンがよく登場しましたが、厳密に言うとカツ丼やタバコの提供は「利益誘導」にあたります。警察であれ検察であれ、取り調べの現場では今ではそういうことは行われていないそうです。
 しかし、取り調べの際に検察が駆使する、違法スレスレの驚愕のテクニックはたくさんあります。詳しくは本書をお読み下さい。
掲載:2012年8月24日

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