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なぜ議論がこんなにすれ違うのか? 「誤解」ばかりの電力問題を徹底解説。

精神論ぬきの電力入門

澤昭裕/著

756円(税込)

本の仕様

発売日:2012/08/17

読み仮名 セイシンロンヌキノデンリョクニュウモン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 207ページ
ISBN 978-4-10-610483-1
C-CODE 0231
整理番号 483
ジャンル エネルギー
定価 756円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/02/15

震災後、国民的関心事となった電力問題。しかし議論がこじれる一方なのは、「理想」と「現実」が混同されているからではないか。再生可能エネルギーの将来性は楽観できないし、電力自由化や発送電分離がユーザーのメリットになるとは限らない。さらに世界の資源争奪戦は熾烈を極める一方だ。現実的で妥当な選択肢はどこにあるのか。電力問題のウラオモテを知り尽くした元政策担当者が客観的データをもとに徹底解説する。

著者プロフィール

澤昭裕 サワ・アキヒロ

1957(昭和32)年大阪府生まれ。一橋大学経済学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。米プリンストン大学行政学修士。環境政策課長、資源エネルギー庁資源燃料部政策課長、東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て、21世紀政策研究所研究主幹。

目次

まえがき
第1章 電力不足の打撃と損失
原子力発電所が全て止まったら/節電のモチベーションとリバウンド/大規模停電を知らない日本人/電気は「インフラ中のインフラ」/節電で企業が受けたダメージ/年間3兆円の国富流出/電気料金の上昇を人件費に置き換える/低所得者と寒冷地への打撃/値上げをどこまで受け入れられるか
第2章 原発依存にかたむいた事情
オイルショックの衝撃と教訓/「脱石油」と「電源多様化」/原子力という安全保障/経済性を追求した九〇年代/地球温暖化という新たな軸/鳩山首相の無謀な宣言/25%削減の切り札は原子力依存/原発停止という大番狂わせ
第3章 エネルギー政策の基礎とルール
エネルギー政策の基本は「3つのE」/震災で入れ替わった優先順位/鳩山目標を取り下げるのは今/夢が叶うのは30年先/資源交渉の武器を確保せよ/全部の卵を入れてはいけない/メリットとデメリットの検証/不利な契約条件のLNG/最新技術を駆使した石炭/いざという時の石油火力/明暗分かれた原子力と再生可能エネルギー/原発をめぐる二元論からの脱皮/エネルギー源に「正邪」はない
第4章 再生可能エネルギーの不都合な真実
「再生可能エネルギー法」と脱原発は無関係/「固定価格買取制度」はユーザー負担/負担額が高騰したヨーロッパ/この制度で技術革新はできない/あまりに少ない供給量/環境に悪影響を与える発電所/莫大なコストと土地が必要/自然をコントロールするコスト/「環境先進国」ヨーロッパの実情/風力発電のグラフに隠されたからくり/「脱原発」するドイツのしたたかさ/個人任せのあやふやな計画/ブームが過ぎても続けられるか/グリーンイノベーションは日本では起きない/サンシャイン計画の残夢/政策実施者と政策批判者
第5章 原子力をめぐる不毛な論争
それでも原子力は維持すべきだ/技術と人材を無駄にしない/「安全性」基準は政策目的ではない/「命を守る」という抽象論/シュプレヒコールでは何も動かない/原子力への不信感はどこから来るのか/安全を設備設計に求める日本人/危機対応力をつける方法/再稼働への高いハードル
第6章 賠償を抱えた東電の行く末
50年前の原賠法に書かれていること/賠償責任を免れた国/「天災地変」をめぐる駆け引き/東京電力は生かさず殺さず/「まな板の鯉」に民間の活力はない/「現場力」は数少ない財産/利益が全て賠償に消える会社/原子力損害賠償スキームをどう見直すべきか
第7章 電力自由化の空論と誤解
自由化された電気料金は野菜の値段と同じ/「自由化=値下げ」という誤解/需要抑制手段は机上の空論/再生可能エネルギーと発送電分離は正反対/余剰設備のコストを誰が受け持つか/リスクの高い不安定な投資/電源多様化は一人でできない/国際資源調達力の確保/分散型システムはリスクを分散するか/発送電分離と民間資本の壁/欧米の自由化で料金は下がったか/自由化の弊害を解消するために
第8章 「東日本卸電力」という発想の転換
日本における自由化の流れ/新規参入は予想以上に伸びず/「小売りの自由化」と「発電の大規模化」/「大規模卸電力会社」と公平性/ユーザーのニーズにあわせて電気を売る/国と民間で「原発機構」を作る/東京電力の将来像は「東日本卸電力」/9地域独占は戦後の混乱期に生まれた/東日本と西日本で分ける必然性/全員が不満なのはいい政策の証

蘊蓄倉庫

繰り返されたソーラー・ブーム

 ソフトバンクの孫正義社長がメガソーラー戦略を打ち出したり、自治体が発電所の誘致に乗り出したり、家庭用太陽光パネルがさかんに宣伝されたり……。
 震災後、「未来の日本を担うエネルギー」として、太陽光発電が強い関心を集めるようになりました。「今はまだ技術力が低いけれど、これからは技術革新が進み、すぐに低コストで大量生産できるようになる」というのが、自然エネルギー派の主張です。
 しかし、「ソーラー・ブーム」は今回が初めてではありません。海外の原発事故などを受け、何度もブームは起きたのですが、そのたびに技術的限界を露呈し、衰退していったのです。
 政府も1974年から約30年近く、「サンシャイン計画」「ニューサンシャイン計画」といった技術開発プログラムを掲げ、あわせて1兆円近い予算が投じられました。しかし大した成果はなく、エネルギー源としてもほとんど実用性のないまま今日に至っています。
 果たして今回のブームは成功するのでしょうか。
掲載:2012年8月24日

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