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憲法の下の不平等、参政権のない国民、多すぎる訴訟……。民主主義はアメリカに学ぶな!

アメリカが劣化した本当の理由

コリン P.A. ジョーンズ/著

799円(税込)

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発売日:2012/12/15

読み仮名 アメリカガレッカシタホントウノリユウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-610498-5
C-CODE 0232
整理番号 498
ジャンル 政治、外交・国際関係
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/06/28

「アメリカは自由と平等と民主主義の国」なんて幻想だ。合衆国憲法には民主主義という言葉も出てこなければ、国民の投票権も幸福追求権も謳われていない。奴隷制度と人種差別を正当化してきた法律は今なお暗い影を落とし、一票の格差など問題にすらならない。そのうえ大統領や連邦政府の権力は増す一方で、個人の自由は狭まるばかり――。アメリカ出身の法学者が、超大国をおかしくした制度疲労の真相に迫る!

著者プロフィール

コリン P.A. ジョーンズ Jones,Colin P.A.

1965年、米国コロラド州生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。東北大学大学院法学研究科博士前期課程、デューク大学ロースクール修了。弁護士(ニューヨーク州等)、同志社大学法科大学院教授。著書に『手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法―』など。

目次

まえがき
第1章 合衆国憲法は失敗した条約である
独立宣言に見える理念/移住先として人気がなかった北米/コロニーと本国の対立/「代表なき課税」というスローガン/目標は“イギリス人並み”/アメリカに弁護士が多い理由/United Statesは単数か複数か/越権行為から出発した憲法/連邦政府は何ができるのか/表現・宗教の自由の保障は“念のため”/「州軍」が「国民軍」となった矛盾/武器を持つ権利と民兵団/三度まで失敗した条約機構
第2章 参政権は穴だらけ
意外と革命的ではなかった「アメリカ革命」/戦争が育てたイギリス版議会民主主義/投票権は国民の権利に含まれない/“ズル”で生まれたブッシュ政権/連邦議会のイロハ/憲法の下の不平等/再選率を高めるカラクリ/上院は「大富豪院」/日本とは比較にならない一票の格差/歌う上院議員/「バケツ一杯のおしっこに値しない」副大統領
第3章 巨大権力が集中する米大統領
国家元首+行政府の長/署名見解という飛び道具/政権が変われば行政が変わる/ご褒美として与えられるポスト/君主に替わる存在/不思議な選任方法/選挙人制度の問題点/正しい選挙報道の見方/第三党の出現を阻むもの/大統領になれる人、なれない人/拡大していく一方の権限/憲法上は驚くほど少ない権限と責務/条約より使い勝手のいい行政協定/干渉を受けない「統帥権」/憲法を守るか、国を守るか
第4章 参政権のないアメリカ人、特権を持つアメリカ人
知られざる首都のモットー/州ではないアメリカ領/名目的な下院議員/文房具と同列に扱われる非州地域/領土の拡大と憲法解釈の変貌/人種差別とご都合主義/現存する“貴族制度”
第5章 奴隷制の長い影
奴隷船船長とアメイジング・グレイス/“人”か“物”か/「五分の三」が生んだ「黒人大統領」/建国初期の中心的な難題/ワシントンDCはなぜ首都になったか/奴隷、逃亡奴隷、自由人/南北間のきわどいバランス/南北戦争と奴隷解放/憲法改正と黒人の参政権/奇妙な「分離平等体制」/南北戦争、ふたたび?/銃社会と人種問題/新たな“奴隷制”の誕生
第6章 アメリカ司法の功罪
訴訟が作った大国アメリカ/裁判所のイロハ/法廷は“独裁の場”か/最高裁が守ってきた“少数派”の正体/アメリカン・ドリームを生んだもの/ルーズベルト大統領の脅威/何もかもが「通商」として規制されるわけ/主権国家を「ただの州」にする魔法/Substantive Due Processという謎/目的とプロセスの違い/法服を着た政治家/たった一人を説得できれば/真の民主主義はどこに?/骨抜きにされた陪審制度/効率主義が司法取引を増やす/刑事司法崩壊の元凶
まとめ アメリカから何を学べるか
アホらしくなった憲法/首席判事の“勇断”を全国民が見守る/憲法が「古い」ことは自慢になるか/合衆国憲法から学ぶものは少ない/本当の民主主義とは

担当編集者のひとこと

アメリカに民主主義はない?

 アメリカといえば民主主義、民主主義といえばアメリカ。アメリカ人も、世界の人々も、ともするとそう思い込んでいるけれど、実はそうではない、というのが著者の主張です。
 たとえば、日本とは比べ物にならない「一票の格差」も、参政権がほとんど与えられない国民が多数いることも、アメリカではみな憲法で認められた「法の下の不平等」なのだとか。そもそも合衆国憲法には、民主主義という言葉も出てこなければ、投票権も幸福追求権も謳われてはいません。
 さて、本書の著者であるジョーンズ氏は、アメリカ出身の法学者です。といっても、この本は翻訳書ではありません。東北大学で博士課程を修了し、同志社大学法科大学院の教授を務める氏は、流暢な日本語を話すだけでなく、読み書きもお手の物。ゲラ(校正刷り)にも、手書きでびっしりと赤字が入りました。
 一見敷居の高い「法制度」という切り口でアメリカを論じた本書ですが、日本の例を多く交えることで、かなり読みやすくなっています。

2012/12/25

蘊蓄倉庫

アメリカに弁護士が多い理由

 アメリカといえば、「なんでも裁判沙汰になってしまうお国柄で、弁護士の数もやたらと多い」という印象があります。実際に、裁判も弁護士も日本に較べると多いのですが、そこにはふたつの大きな理由があります。
 ひとつめは、アメリカには弁護士以外の法律資格がほとんど存在しないこと。対する日本には、行政書士や司法書士、税理士などの資格があるため、「法律職」に従事する人数は彼我で大きな差がないのだそうです。
 ふたつめは、アメリカが連邦制をとっていること。50の州は主権国家に近い存在として、それぞれが独自の州法を持っています。そこに連邦法が加わるため、法律制度が極めて複雑なのです。したがって、弁護士はいくらいても足りないのだとか。
 弁護士が増えすぎて食いっぱぐれる時代を迎えた日本とは、どうやら対照的な状況のようです。
掲載:2012年12月25日

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