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最終警告! TPPへ突き進む日本へ。

反・自由貿易論

中野剛志/著

756円(税込)

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発売日:2013/06/15

読み仮名 ハンジユウボウエキロン
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 202ページ
ISBN 978-4-10-610526-5
C-CODE 0233
整理番号 526
ジャンル 経済学・経済事情
定価 756円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/06/28

「TPPが経済を救う」。そう信じて日本は交渉参加に乗り出した。自由貿易は常に強国にのみ有利に働き、残りの国は利益も雇用も奪われるだけなのに――。今や貿易交渉は現代の「侵略戦争」であり、超大国が主導する自由貿易協定は世界を縛る「究極の法」となる。『TPP亡国論』の著者が諸外国の事例、歴史的事実、最新の論文などを改めて検証。米国が扇動する自由化・グローバル化の虚妄をあぶりだした最終警告書。

著者プロフィール

中野剛志 ナカノ・タケシ

1971(昭和46)年神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。英エディンバラ大学大学院より博士号取得。2012年春まで京都大学大学院工学研究科に出向し、准教授を務めた。著書に『TPP亡国論』(集英社新書)など。

目次

序章 これが「自由貿易協定」の正体だ──オーストラリアの悲劇
米豪FTAがオーストラリアを殺した/自由貿易協定の変容/TPP賛成派・反対派それぞれの主張/オーストラリアが不利な条約をのまされた背景
第1章 「自由貿易は好ましい」は本当か──主流派経済学の狂信
アダム・スミス以来の固執/「比較優位論」が最大の根拠/ヘクシャー=オリーンの定理の厳しい条件/グローバル化を認めない自由貿易モデル/通貨競争や為替操作も想定外/自由貿易論というフィクション/経済効果の算定という詐術/経済効果のまやかし/市場はなかなか均衡しない/戦後の経済成長を促したもの/「失敗した南米・成功したアジア」の実態/「金融グローバル化」が引き起こす危機/アメリカ経済学の変節
第2章 「自由貿易帝国主義」が世界を分断した──近代経済史の虚実
保護主義は世界恐慌を悪化させたのか/帝国主義的な争奪戦の過ち/イギリスの毛織物と国家戦略/「世界の工場」になるまでは/イギリスが蹴り外したはしご/「自由貿易の守護神」アメリカの幻想/関税の是非を南北戦争で争う/統一ドイツとビスマルクの政策/フランスは自由放任主義で停滞/ヨーロッパは保護主義で発展した/「大不況」を引き起こした自由化/貿易体制の違いが南北問題を生んだ/自由貿易帝国主義
第3章 「通貨とルール」の支配が最大の武器───戦後貿易交渉の暴走
自由貿易の恩恵は冷戦のおかげ/「大きな政府」による妥協と調整/関税から「非関税障壁」の交渉へ/経済力を失ったアメリカの利己的な手段/為替は関税以上の衝撃を与える/企業は「関税障壁の向こう側」へ/グローバル戦略の武器は「通貨」と「ルール」/ルールの変化の前では企業の力も努力も水の泡/WTOという転換点/ハイパー・グローバリゼーションの誕生/強国に有利な「FTA帝国主義」/「不平等条約」に変える驚くべき国内法/アメリカ国民へのダメージ/「オフショアリング」で新興国に雇用が流出/労働者の損害と格差の拡大/アメリカ住宅バブルが生じたしくみ/グローバル・インバランスが真の原因/自滅するアメリカ/「アジアの成長」の行き詰まり/グローバル化を制御せよ
第4章 全てアメリカのシナリオ通り──日本の構造改革と米韓FTA
グローバル・スタンダードの勘違い/小泉構造改革はアメリカのシナリオ通り/日本の一方的な「調和」/貿易協定の次なる標的は日本/米韓FTAは本当にフェアか/「アメリカの要求はほとんどのんだ」という嘆き/サムソンの躍進とFTAは無関係
第5章 「日本的なもの」はなぜ壊されるのか──その精神性と固定観念
農村にあった直観と智恵/共同体をつなぐ伝統文化/「日本的なもの」は貿易を妨げる障壁か/「古い」政治家たちの敗北/小泉構造改革が壊したかったのは/橋下市長の異様な攻撃衝動/日本的なものへの破壊を支持した世論/政府の外交上の権限/日米繊維交渉と沖縄返還/田中角栄に見る根回しや調整/アメリカに外圧を求める政府/もう一つの憲法問題
第6章 貿易協定に国家は屈服する──「レジーム」という新たな秩序
アメリカの農業戦略から生まれたWTO/交渉の専門化と企業との癒着/司法の権利は国家から国際機関へ/共通利益を持った「レジーム」という正当化/法律は社会的常識で解釈される/法律を国家が制定する理由/司法化は社会常識や文化を無視する/科学的証拠がなければ禁止できない/投資家が国家を訴えるためのISD条項/不公平・不透明な審査/日本政府の誤った認識/ISD条項で規制を変更する方法
第7章 グローバル化からインターナショナル化へ──世界経済の展望
過去に挫折したMAIを考える/「法の支配」はなぜ生まれたか/国際条約が民主国家を制限する/自国で立て直せないギリシャ/自由貿易が民主主義を滅ぼす/共通利益はすでに失われた/国内政策を「主」とし、世界市場を「従」とすべき/TPPを拒否するということ

担当編集者のひとこと

いまこそ知りたいTPP

 2年前、著者は『TPP亡国論』を出版。この書はTPPの虚妄を鋭く指摘し、経済書としては異例の20万部を突破しました。しかしTPP問題は政局の混乱でうやむやとなり、ついに今年7月の交渉参加が決定されました。
 とはいえ、実際の交渉が始まれば議論が紛糾することは必至です。実際、参加前にもかかわらず、交渉不利の情報が次々と明らかになっています。今こそ自由貿易やグローバルの功罪を見直す必要に迫られているのです。

2013/06/25

蘊蓄倉庫

韓国政府高官が漏らしたため息

 米国との自由貿易協定を一足先に結んだ韓国。日本ではよくこの協定が引き合いに出され、「韓国に遅れを取っている。日本も早くTPPを結ばなくては」と主張されています。
 しかし妥結内容をよく見ると、アメリカに有利な条件ばかりであることに気付かされます。関税も雇用も制度においても、アメリカの要求どおりに変更されたのです。締結後、元大統領政策企画秘書官のチョン・テイン氏は、「主要な争点において、我々が得たものは何もない。米国が要求することは、ほとんど一つ残らず全て譲歩してやった」と漏らしています。
 これがアメリカとの貿易協定の真相なのです。
掲載:2013年6月25日

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