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世渡りも、人間関係も「脳」次第。若き科学者が挑む社会脳研究の最前線!

社会脳とは何か

千住淳/著

799円(税込)

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発売日:2013/08/10

読み仮名 シャカイノウトハナニカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 236ページ
ISBN 978-4-10-610533-3
C-CODE 0245
整理番号 533
ジャンル 心理学、サイエンス・テクノロジー
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2014/02/21

ヒトの大きな脳が作り上げた「社会」は、私達の生きる基盤でもあり、悩みのタネでもある。この社会という厄介な問題を脳はどう処理しているのか。その謎を解く鍵は「社会脳」にある。なぜ他人の視線が気になるのか。赤ちゃんは生きる術をいかにして身につけるのか。ネットで誤解が生じやすい理由とは――ロンドン在住の若き科学者が、自らの軌跡と共に「社会脳」研究の最前線を平易に説く。知的興奮に満ちた一冊。

著者プロフィール

千住淳 センジュウ・アツシ

1976(昭和51)年長崎県生まれ。ロンドン大学バークベックカレッジリサーチフェロー。東京大学大学院総合文化研究科修了、博士(学術)取得。専門は発達社会神経科学。東京大学総長賞、日本心理学会国際賞奨励賞、英国心理学会ニールオコナー賞等を受賞。著書に『社会脳の発達』。

目次

はじめに
第1章 ダーウィンの遺産
汝自身を知れ/盲目の時計職人/人間もまた生物である/人間は「最も優れた」生物ではない/根拠のない優越感とその弊害/人間はどのような生物か
第2章 生物学から人間に迫る
行動の進化を研究する/心理学と脳科学/研究テーマを選ぶ/人間は難しい/社会脳研究との出会い
第3章 社会脳とは何か
大きな脳は燃費が悪い/比べてわかる体の機能/大きな「社会」と大きな脳/大きな脳と夫婦の絆/ティンバーゲンの4つの問い/社会脳は何の役に立つ?/脳科学者よ、社会脳を研究せよ!/どこから手を付けるか
第4章 他人の心を読むということ
あなたの考えていることはわかる/「心の理論」テスト/自閉症とマインド・ブラインドネス/自閉症は育て方では起きない/マインド・ブラインド説/新しい「心の理論」テスト
第5章 自閉症児が教えてくれる
思いがけない招待/自閉症児との対面/はじめての学術論文/なぜ「心の理論課題」が解けないのか/自閉症者という「鏡」
第6章 視線の先にあるもの
目は心の窓/ヒトの白目が白い理由/注意はどうやって測る?/視線に“つられる”注意を測る/ノールックパスの原理/自閉症児も視線につられる/博士課程への進学
第7章 “見られている感”のメカニズム
自閉症児は視線が怖い?/テーマが見つかった!/視線を合わせること/見つめられると目に留まる/自閉症児の「自分に向けられた視線」に対する反応/自閉症児の脳機能を測る/博士研究を終えて
第8章 子どもは育つ、脳は変わる
ポスドク就職活動/変わる脳を捉えるには
第9章 赤ちゃんは知っている
そして、ロンドンへ/発達の始まりを赤ちゃんに問う/赤ちゃんの心を測る/赤ちゃんの脳機能を測る/赤ちゃんは視線をどのように理解しているのか
第10章 赤ちゃんの脳、社会に挑む
赤ちゃんにとっての「社会問題」/教える・教わるというコミュニケーション/赤ちゃんの3つのスイッチ/3つのスイッチで大人から学ぶ/赤ちゃんことばには意味がある/「他人の好み」と「一般常識」/子どもはなんでも吸収する/大人に教わる脳のメカニズム
第11章 “目が合うこと”のメカニズムと発達
自分の理論を作る/アイコンタクト効果/巨人の肩に乗って/相互作用による専門化/アイコンタクト効果の発達
第12章 思わずやってしまうこと、言われればできること
研究のポートフォリオ/「心の理論」研究再訪/あくびの伝播/あくびネットワーク/研究を積み重ねる意味
第13章 脳が動かす社会、社会が育てる脳
社会脳の“能力”と“自発性”/脳が動かす社会/ネットでトラブルが起きやすいのはなぜか/社会が育てる脳/じろじろ見るのは失礼か/社会脳研究と社会
おわりに

担当編集者のひとこと

ネットのトラブル

『社会脳とは何か』の中に、「ネットでトラブルが起きやすいのはなぜか」という項があります。
 その一部を引用します。

「相手の視線や表情、しぐさや声の抑揚などの情報を素早く読み取り、自発的に反応する社会脳の働きは、普段意識している以上に、他者との関わりやコミュニケーションに大きな役割を果たしている可能性もあります。例えば、インターネットやメール、ソーシャルネットワークなどを介したコミュニケーションで誤解や行き違いが生じやすいのは、相手の顔が見えず、声も聞えないため、私たちが普段意識せずに使っている相手の視線や表情、自分の動きに対する相手の反応などの情報が使えないことによるのかもしれません」 たしかに、普段話している時には気持ちのいい人なのに、メールになると何となくイヤな感じ、ということはよくあります。とても人当たりのいい人が、妙に攻撃的なメールを送ってきたので、「怒らせたのかなあ」と思っていると、全然そんなこともなく、単にメールの文章だけが変わった人だったなんてこともありました。
 本書は、ヒトの脳が社会というものをどう処理しているのか、という謎を解く鍵を握る「社会脳」についての入門書です。なぜ他人の視線が気になるのか。ヒトの白目はなぜ大きいのか。あくびはなぜうつるのか。さまざまな身近な問いを考えながら、「社会脳」研究の初歩から最前線までを、とてもわかりやすく解説しています。科学関連の「入門書」のお手本のようなものになっていると思います。
 ちなみに、実は本の編集過程において、担当者と著者は一度も顔を合わせていません。依頼、打ち合わせ、修正等の作業は、すべてメールでのやり取りで済ませました。
 著者がロンドン在住という事情が第一の理由ですが、実のところこの本に関してはメールでのやり取りだけで極めてスムーズに事が進んでしまったのです。メールゆえの行き違いやトラブルも皆無。
 おそらくこれは赤ちゃん相手の実験も多く、社会脳研究の最前線に立つ著者のコミュニケーション能力の高さゆえだったのだろう、と思っています。そして、過去のメールでの不快なやり取りの発端は自分だったのかもしれない、と思い反省もしております。

2013/08/23

蘊蓄倉庫

あくびはなぜうつる?

『社会脳とは何か』の著者、千住淳さんは、本のタイトルにもある「社会脳」の研究者です。その研究の過程で、千住さんは「あくび」に関する研究も手がけました。あくびがうつる、というのは俗説ではなくて、実際にそうした現象は人間のみならずチンパンジーなどにも見られるものです。
 千住さんが、「自閉症児にあくびがうつるか」というテーマの研究をしたところ、一般児童と比べてうつりにくい、という結論が出ました。なぜそうなるのか、については説明が長くなるので本書をお読み下さい。
 ちなみにこの研究は世界中のメディアで報道され、千住さんはパリで行われた「第1回国際あくび会議」にも招待されることになりました。
掲載:2013年8月23日

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