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狙った相手を、文章で落とせ! 成功の秘訣は、言葉遣いにあり。ユーモア小説の名手がおくる「一億総書き手時代」の文章読本。

心を操る文章術

清水義範/著

734円(税込)

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発売日:2014/01/17

読み仮名 ココロヲアヤツルブンショウジュツ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-610555-5
C-CODE 0281
整理番号 555
ジャンル 言語学
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2014/07/18

文章は、ちょっとした工夫で印象がガラリと変わる――文体模倣の名手が、「笑わせる」「泣かせる」「怖がらせる」「怒らせる」「和ませる」文章を書くために必要な発想とテクニックをつぶさに伝授。小説、エッセイ、新聞記事など様々な実例をもとに読み手の感情を揺さぶることのできる文章と、できない文章の違いを明快に解き明かす。ユーモア満載で描かれた異色の文章読本。

著者プロフィール

清水義範 シミズ・ヨシノリ

1947(昭和22)年、愛知県名古屋市生れ。愛知教育大学国語科卒業。1981年に『昭和御前試合』で文壇デビュー後、1986年に発表した『蕎麦ときしめん』で独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年、『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞を受賞。2009(平成21)年、中日文化賞受賞。2017年8月現在、NHK放送用語委員。『世界文学必勝法』『迷宮』『夫婦で行くイスラムの国々』『心を操る文章術』『老老戦記』『日本の異界 名古屋』など著書多数。

目次

第一章 文章で笑わせる
人はどんな時に笑うか/パロディーという笑わせかた/パスティーシュはなぜ笑えるか/スラップスティックの笑い/よくわかってあきれる笑い/それって面白いんだと気がつかせる笑い/笑わせる文章術はゆとりから
第二章 文章で泣かせる
泣くのは楽しいのか/泣ける文章にも品の良し悪しがある/けなげなものに涙する/情に流れるのでなく、端的な描写が悲劇を強める/人は出来事にではなく、その様子に泣く/泣ける文章には、作者も胸がつぶれそう
第三章 文章で怖がらせる
なぜ怖がりたいのか/恐怖は生理的なものである/究極の恐怖は死である/悪夢の不条理感も怖い/関係の怖さ、人間の怖さ/『シャイニング』原作と映画の違い
第四章 文章で怒らせる
なぜ怒らせなければならないのか/プロレタリア文学も新聞の社説も/なにかのために書く文章はダメ
第五章 文章で和ませる
いい気持ちの文章は人を和ませる/人間へのほっこりとした愛/いい人のふりをしすぎるのは禁物

インタビュー/対談/エッセイ

波 2014年2月号より 文章がうまくなる人、ならない人

清水義範

カルチャースクールで文章教室を三年ほど続けている。私が課題を出し、それにそったエッセイやフィクションを受講生が書く。その作品を私が全員の前で読みあげ、感想を言う、というやり方をしている。この、他人の書いた作品も聞いて知れるという方式が、みなにとって刺激となり、書いた本人も驚くような新奇なものが出てくるという教室になっている。五十代の生徒が中心の教室なのだが、それからでも人間は結構成長するのである。なかなか指導のしがいがある。
しかし、文章の上達の度合いには個人差があり、めきめきうまくなる人もいるが、なかなか変ってこないなあという人もいる。うまくなる人と、なかなかうまくならない人がいるわけだ。
私の見るところでは、文章がうまくなる人というのは、何らかの狙いの筋を持って書く人だ。
たとえば、最後に必ずオチがあって、そういう結末になるとは思わなかったなと、読み手を驚かせよう、と狙って書いている人は、漠然と書いている人よりも上達が早い。狙って書いているので技が身につきやすいのだ。
いろんな技法に積極的に挑戦しようとする人も上達する。前回は主人公の一人称語りで書いたから、今回は三人称でハードボイルドに書こう、などと様々挑戦する人は上達も早いということだ。
要するに、何らかの狙いをもって書くほうが、文章はうまくなるのだ。
ここで笑わせよう、とか、ここでは泣かせようとか、ここでゾッとさせよう、などの狙いを持って文章を書くのは、上達のために有効なのである。
そういう受講生たちを見てきて、私は今度新潮新書の一冊となる『心を操る文章術』を、着想したのだ。
その本で私が文章上達の手段としてお勧めしているのは、××させる文章、というものを意識してみると、面白いしうまくなりますよ、ということだ。この××のところにはいろいろな言葉が入り、次の五つになっている。
「笑わせる文章」「泣かせる文章」「怖がらせる文章」「怒らせる文章」「和ませる文章」
そういう、読者の感情をある方向にゆさぶる文章はどうしたら書けるのだろう、ということを考察してみた。たとえば、「笑わせる文章」というのは書くのがむずかしいのだが、古今の名作をいくつも例として示しながら、要するに人間はどんな時に笑うのか、を分析している。
同様に、「泣かせたい」ならどんな技法を使うといいのか、「怖がらせたい」なら、どう書けば読んでいてゾクゾクするのか、ということを考えて、テクニックを伝授しているのである。
文章というものは、最終的には人柄と教養が書くものではある。しかし、たくらみを持って狙って書けば、ぼんやり書くよりは上達するのだ。
そのための手引きのような本ができた。

(しみず・よしのり 作家)

担当編集者のひとこと

名人の文章教室、開講!

 突然ですが、今までに小説を読んで笑い転げたことはありますか? 世にユーモア小説と銘打たれた作品はあまた存在しますが、本当に心の底から笑わせてくれる小説にはなかなか巡り合えないものです。私にとって、その数少ない貴重な体験をもたらしてくれた作家が清水義範さんでした。
 パスティーシュ(文体模倣)の技法を駆使して描かれた「永遠のジャック&ベティ」「蕎麦ときしめん」「バールのようなもの」などの作品群はまさに抱腹絶倒、しまいには涙まで出てくるほどの面白さで、日本のユーモア小説史上で今なお不滅の輝きを放っています。
 その清水さんに、「人を楽しませ、笑わせる文章の書き方を教えてください」と依頼したのが今回の本の端緒でした。それに対して、清水さんから「笑わせるだけでは単調になるので、泣かせる文章や怖がらせる文章についても考えてみよう」とのご提案があり、さらに「怒らせる文章」「和ませる文章」にまで枠を拡げていただいて、原稿が完成しました。
 この本は一種の文章教室ですが、作家が自らの創作の過程や技法を語った稀有な内容にもなっています。ユーモア小説を書いているときには自ら爆笑しているという清水さんの舞台裏をお楽しみください。
 ちなみに、4月から弊社主催の「新潮講座」で清水さんの同名の講座が開催される予定ですので、直に指導を受けてみたいという方はぜひご参加を。

2014/01/24

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