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自虐よ、さらば。比較文化史の大家が送る渾身のメッセージ【爽快辛口、本音の日本論!】

日本人に生まれて、まあよかった

平川祐弘/著

842円(税込)

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発売日:2014/05/16

読み仮名 ニホンジンニウマレテマアヨカッタ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 266ページ
ISBN 978-4-10-610569-2
C-CODE 0236
整理番号 569
ジャンル 社会学、ノンフィクション
定価 842円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2014/11/21

日本人に生まれて、まあよかった――夏目漱石の言葉は、昭和を生き抜いた著者の実感でもある。ところがいつの間にか、日本人は自信を失い、日本は「もてない」国になってしまった。戦後の言論界はどこが間違っていたのか? この国を守り、再生させるための秘策とは? 教育、外交、歴史認識、国防……あらゆる分野で求められるのが、自己卑下的な思考からの脱却である。碩学の比較文化史家による、本音の日本論!

著者プロフィール

平川祐弘 ヒラカワ・スケヒロ

1931(昭和6)年、東京生まれ。東京大学名誉教授、比較文化史家。第一高等学校入学以来、駒場で約半世紀を送る。フランス・イタリア・ドイツに留学し、北米・中国・台湾などで教壇に立つ。著書、訳書多数。主著に『竹山道雄と昭和の時代』『和魂洋才の系譜』など。

目次

まえがき
序章 日本人に生まれて、まあよかった
日本人のお国柄/自国批判というファッション/反日イコール国際主義者ではない/親が嫌いな子供、国家が嫌いな大人/クローデルと「神の国」/昭和を生き抜いて/私の思想遍歴/例外的な幸福/日本再生の処方箋
一章 国を守るということ
日本を愛し、世界を愛す/戦後レジームからの脱却とは何か/自国の安全を守ることが右傾化か/反戦運動さまざま/「吾がキリスト尊し」の危険性/軍事アレルギーと憲法の精神/新憲法を受入れた理由/敗北を抱きしめた女たち/原文がないのに英訳はあった/薄れていった占領の記憶/島国という地理的事実/平和ボケになりやすい環境/ディアスポラのある国とない国/スイス式の積極的平和主義/竹槍で国は守れない/米国の防衛線の外に出るとどうなるか/日米同盟の積極的な意義/「陰険な」国の記憶/甘えの構造/中国軍拡の行方/憲法改正は二者択一で/ラジオで聞いた東京裁判/A級戦犯廣田弘毅の場合/靖国は日本のアーリントンである/東條英機の限界/秀才左翼政治家たちの末路/家永三郎と「日本悪者史観」/空気は読むな
二章 本当の「自由」と「民主主義」
日本が尊ぶべき二つの価値/中華人民共和国の近未来/悪い国へ移民する人はいない/政治的亡命者を受入れよ/日中の相違を公の場で指摘せよ/『毛沢東の私生活』/立憲君主制の発見/天皇機関説と「政治支配者ノ暴虐」/天皇家は続くことに意味がある/永生を願う気持/日中友好の滑稽な側面/不自由な言論空間が日本非難を生む/民ハ知ラシムベシ
三章 戦後日本の歴史認識をただす
皇国史観からの自虐史観へ/贖罪としての平和運動/明治の精神と『五箇条ノ御誓文』/アジアの若者が見た明治日本/西洋文明の挑戦に応答した国/丸山真男とレーリング/罪の文化、恥の文化/『菊と刀』再考/死者の数を誇る人たち/意表をつく中国の主張/悪循環のはてに/反日プロパガンダを信じて日本を断罪する/強烈な日本悪玉イメージ/大陸における失敗/中国の保護者としてのアメリカ/宋美齢の手練手管/日米中で異なった『大地』の読み方/中国の「裏切り」とマッカーシズム/親日のきっかけ、反日のきっかけ/幻想は事実によって破られる/歴史の判断の落ち着いたところ/バランスを欠いた「談話」の数々/祖先の墓をあばかせる文化/「犬去って豚来たる」/植民地支配と文明開化
四章 生存戦略としての外国語教育
日本人が守るべき大原則/『教育勅語』の問題点/戦後に受け継がれた明治の精神/複眼的思考のできる人材を育成せよ/外国語での論理的な自己主張/西洋文化は必ずしも普遍的なスタンダードではない/言葉は身を護り、国を守る/脱亜入欧と脱漢入英/明治日本人の外国語能力/バルチック艦隊とシェイクスピア/メイド・イン・ジャパンの時代/植民地レベルの英語教育でいいのか/外国語のできない外交官/中国人はなぜ英語がうまいか/日本人も語学的優位に立てる/文化の三点測量/不完全日本人
五章 世界にもてる人材を育てる
出る杭を打つな/教育の在来線と新幹線/可愛い子には出向させよ/落第と飛び級を復活させよ/子供を退屈にさせてはいけない/エリート教育をタブー視するな/選択側と能力別編成/戦時中も続いた英語教育/士道と吏道/人間の生き方を教える初歩の漢文/小さな公正にこだわるために生じる大きな損失/口述試験は表現力を養う/英語も『論語』も/国際社会に通用する教養とは/古典を通じて見えてくるもの/漢詩、英訳誌、日本語近代詩/外国と較べると日本がわかる/差別し区別することを分別という/減点主義的発想の弊害/選ばれた者としての覚悟
終章 『朝日新聞』を定期購読でお読みになる皆さんへ
節目節目に国民をミスリード/特定秘密保護法とオオカミ少年/バランスを失した世界認識/西洋本位の価値基準に加担する人たち/右か左かは相対的な見方である
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

波 2014年6月号より 「もてない日本人」から「世界にもてる日本人」へ

平川祐弘

夏目漱石は明治四十二年、満州・朝鮮を旅して「日本人に生まれて、まあよかった」と言った。差別発言だと非難する向きがいるが、私は長く欧米で学び教え、中国や台湾や韓国でも講義した体験から、東アジアの中で言論自由の日本に生きて「まあよかった」と感じている。日本が安全に発展することを願い、明治以来の歴史を顧みつつ、比較文化史家としての見地から、国家再生の処方箋を書いてみた。
私たちは世界の中の一国民として生きることを余儀なくされている。国際主義に対する反動としての精神の鎖国は許されない。グローバル化の時代に必要な知性とは、内外の人と交際し自分の位置を「三点測量」できる力――相手を知り自分を知り、しかもその上で相手の言葉を使って自己の立場をきちんと説明する力である。外国語による自己表現こそ、これからの日本のエリートに求められる役割だ。日本の死活はそこにかかっている。
近現代史の解釈にしても、理由を明示し、修正すべきは修正せねばならない。西洋本位がすべてではない。ましてや中・韓本位の歴史観が正しいわけでもない。相手の価値基準に従うだけが「良心的」であるはずはない。多くの日本人は「歴史認識」問題の正体がわかり出して苛立ち始めた。ではなぜ今まで上手に反論できないでいたのか。
日本人が陥りやすい精神の落とし穴とは何か。それは外国との接触を強いられると表面化する。
一、世界の中の日本の位置がわからない。日本語でもよく説明できないから、ましてや外国語ではとても相手を納得させることは出来ない。
二、ただ単に自己主張できないばかりか、その場凌ぎに相手の言い分に従ってしまう(国際会議で反対すると意見を求められるので、ついYESと一言で済ませてしまう)。
三、自己の正義を主張するどころか、日本は悪い国だ、という相手の説にうなずく。とりあえずその場は謝っておけばいいという無責任な人にその傾向は顕著である。
四、外国に向けて自己主張は出来ないが、日本国内に向けては「国際派」として国際主義を説く。そうした人は、学者にせよ記者にせよ、日本は劣っているから外国に学べと主張する。それは結構だが、中には日本が悪いから謝罪しろ、と相手の主張に盲従する人も出て来る。この種の「良心的知識人」は、実は右にあげた一、二、三の「不完全日本人」の延長線上の存在で、外国人の日本叩きに協力することで内外に認められようとする。
――そんな「もてない日本人」では精神面でも軍事面でも独立は維持できない。「世界にもてる人材」を養成するにはどうすればよいか。本書では生存戦略としての外国語教育についても説いた。英語も日本人としてのアイデンティティーも身につける事の可能な、一石二鳥の語学教育法をご覧いただきたい。

(ひらかわ・すけひろ 東京大学名誉教授)

担当編集者のひとこと

82歳・東大名誉教授による、辛口本音の日本論

 かつてヨーロッパ留学のためインド洋を船で3回横切った平川祐弘氏は、「洋行世代」の“生き残り”であり、最後の旧制一高生でもあります。それでも、白髪のほとんどまじらない髪を丁寧になでつけた、英国紳士を思わせる佇まいからは、とても御年82歳の昭和6年生まれには見えません。
 また、柔和な笑みを浮かべつつ繰り出す言葉の日本人ばなれした率直さ・激しさは、その美しく平易な翻訳文体と照らし合わせても、意外なものです。ただしそれは、フランス・イタリア・ドイツへの留学を経て、北米・中国・台湾などでも教壇に立ち、常に内と外から日本を見続けてきた比較文化史家、という経歴に鑑みれば違和感はないのかもしれません。
 国防、歴史認識、外交、教育――。新刊『日本人に生まれて、まあよかった』では、「人間誰しも国家の基本問題に思いをいたすべきだ、書斎の人間だからといって政治や社会に無関心であってはならない」と考える著者が、昭和の激動を生き抜いた経験と豊かな学識に裏打ちされた思索を、本音のままに綴りました。
「戦後民主主義」と「自虐」、あるいは『朝日新聞』が大好きな向きには耳に痛いことも多々書かれていますが、「右」でも「左」でもない、痛快辛口の日本論です。

2014/05/23

蘊蓄倉庫

朝日新聞との浅からぬ因縁

 本書のタイトルは、明治42年に夏目漱石が満州と朝鮮を旅して書いたエッセイ「韓満所感」にちなんでいます。そこに、「余は幸にして日本人に生れた」「支那人や朝鮮人に生れなくつて、まあ善かつた」という言葉があるのです。これは、昭和を生き抜いた著者の実感でもあります。
 漱石は朝日新聞の社員として日本の植民地を訪ね、『朝日新聞』に「満韓ところどころ」という見聞記を連載しました。同じ時期に、大連で発行されていた『満州日日新聞』に掲載されたのが、この「韓満所感」です。
 長年埋もれていた「韓満所感」が昨年、作家・黒川創氏によって公表された時、朝日新聞は先のくだりについて「この当代きっての知識人さえもがこうした無邪気な愛国者として振舞っていたのか、といううそ寒い感慨」に囚われたという、松浦寿輝氏の文芸時評を載せました。
 ちなみに本書の終章は「『朝日新聞』を定期購読でお読みになる皆さんへ」と題し、戦後の日本を覆った朝日新聞的な思考パターンに疑義を呈する内容です。本書をご一読いただいた上で、皆様どちらに共感なさるでしょうか。
掲載:2014年5月23日

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