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合理的手抜きが成果をあげる! ビジネスの質を高める画期的仕事論。

がんばると迷惑な人

太田肇/著

778円(税込)

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発売日:2014/12/17

読み仮名 ガンバルトメイワクナヒト
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 206ページ
ISBN 978-4-10-610599-9
C-CODE 0234
整理番号 599
ジャンル マネジメント・人材管理、ビジネス実用
定価 778円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2015/06/19

はりきるほど、ズレる。意欲はあるのに、スベる。やる気ばかりで、ツカえない。そんな人っていませんか? “努力は必ず実を結ぶ”は幻想です。重要なのは「がんばり」ではなく仕事の「質」。確実に成果を上げる「合理的手抜き」とは――。やる気を育む人事表彰制度、ムダを省く技術、野心を業績に変える思考法、部下の承認欲求に応える管理術、自営業集団としてのチーム運営など、“残念な働き方”にならない為の画期的提言。

著者プロフィール

太田肇 オオタ・ハジメ

1954(昭和29)年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。経済学博士。専門は個人を尊重する組織の研究。『個人尊重の組織論』『承認欲求』『公務員革命』『がんばると迷惑な人』『個人を幸福にしない日本の組織』など、著作多数。講演やメディアでの登場も多い。

太田肇・公式ホームページ (外部リンク)

目次

まえがき
第一章 なぜ「がんばり」が通用しなくなったのか?
1 IT革命のほんとうの意味とは
がんばる人は偉かった/九〇年代に異変が起きた/きっかけはIT革命/“がんばり”の通用する仕事が消えた!/“やる気”を管理できない時代に/これまでの強みが、弱みに
2 がんばると、仕事の質が下がる
努力の「量」と「質」は反比例/量の差はわずかだが、質の差は無限大/世界から取り残された日本企業/バブルに隠れて「病気」が進行/成果主義が招いた想定外の結果/時代に逆行、アベノミクスも“がんばり”の一手
第二章 「がんばる」と、なぜ迷惑になるのか?
1 「がんばる」と、迷惑な人
時代遅れのモットーを部下に押しつける課長/熱血教師のありがた迷惑/生きがいづくりの地域活動に翻弄される住民
2 日本人の“やる気”は最低だった
「意欲ある人」を採って大失敗/“やる気”の偽装/本物の“やる気”は日本人が最低/測れる「量」だけを重視する愚
3 “がんばり病”のパンデミック
無際限な“がんばり”を強要する装置/評価に情が入りやすい日本人/平等主義が“がんばり病”を助長/スポーツの世界にまで広がる汚染/能力開発の意欲を奪う/がんばるが、考えない部下/ムダな仕事を増やす「ファサード」/「がんばるフリ」の膨大なムダ/おしゃべりや雑談もむしろプラス/なぜ、日本はオフィスの生産性が低いのか/働かないフランス人に負けるワケ
4 「完璧」という名の怠惰
工場の流儀を引きずる/創造の世界に完璧はない/エリートの“がんばり”が引き起こす事件/心が乗っ取られると理性が失われる/“がんばり”に甘い日本人/「がんばる自分をほめたい」症候群/安倍内閣の目玉、女性活用にもマイナス
第三章 がんばらないで成果を出す方法とは?
1 「がんばらない」ほうがうまくいく
ダブルスタンダードのすすめ/人間関係は「テキトー」がいい/金魚すくいの法則/管理→依存→管理の悪循環を断つには/がんばらず、「考える」で増収増益の会社
2 “がんばり病”の予防法
楽をするのは悪いことか/「合理的な手抜き」を認める/相互監視体制を崩せ/オフィスのレイアウトを変えよう/過剰管理を防ぐ、組織のフラット化/「残業代ゼロ制度」も“がんばり”抑制に効果?
3 こうすれば努力の質は自ずと上がる
まずは、「創造の達人たち」に注目しよう/楽しさ、面白さの背後にあるもの/野心が努力の質を高める/野心の中心は名誉欲だった/“がんばり”ではなく、実績を称える表彰を/仮想知的所有権を広げよう/最後は自営業に学べ
第四章 これからのチームワークは、どうあるべきか?
1 “がんばり病”がチームまで冒す
同僚を助けない、情報は教えない/データが示す「ワイガヤは自己満足」/「一丸」ではもう勝てない/二種類のチームワーク/チームワークの軸が変わった!/結束は固く、変化にも強くなるには
2 「プロジェクトX」、隠れた成功の秘密
なぜ成功したのか/復活したチームワーク/健全なヒロイズムがチームを強くする/チームワークこそ自営業に学べ/「人を動かす」ためには
あとがき
引用文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2015年1月号より がんばると、なぜ迷惑になるのか

太田肇

有名国立大学の工学部を卒業したN君。学生時代はボート部の主力選手でもあり、体力や精神力にも人一倍自信があったので、専攻を活かして、エンジニアとして一流の大手メーカーに就職した。
順調に会社員生活を歩んでいたが、三〇歳を越え、開発部隊の中心的な役割を担うようになったとき、突然スランプに陥った。表情から生気が消えて口数も減り、体調不良で会社を休みがちになった。そして、とうとう退社してしまった。本人曰く、どんなにがんばっても空回りし、仕事の結果が出ないうえ、後輩もついてこなくなったそうなのだ。職場では周囲に煙たがられていたという。
私のゼミの卒業生でも、近年はN君と同じようにまじめな努力家が、壁にぶつかり、挫折するケースが目につく。企業の人事担当者に尋ねても、高学歴で模範的な社員がメンタルを患い長期休職したり、適応できずに辞めていったりする事例が急増しているという。がんばり続けた挙句、成果があがらず、会社に認められもせず、遂には社会生活を棄ててしまうのだ。私の調査では、これは一九九〇年代半ば頃から顕在化した現象である。
ちょうど日本の労働生産性や国際競争力が急落した時期である。当初はバブルの後遺症と考察されていたが、「失われた一〇年、二〇年」と低迷が長引くうちに、別の原因を疑われるようになった。
ここに挙げた二つの変化は、たまたま時期が一致しただけのようにも見える。しかし、さまざまなデータから分析すると、両者は無関係ではない。
実はこの時期に起きた“あること”がきっかけで、日本人のモットーである“がんばり”、すなわち、勤勉という努力の〈量〉の価値が暴落し、逆に努力の〈質〉の価値が急騰してきたのである。
しかも、この〈量〉と〈質〉は反比例する。つまりがむしゃらにがんばると成果があがらないばかりか、かえってマイナスになることが多いのだ。
連日の残業や駆け回る姿など努力の〈量〉は目に見えるが、〈質〉は見えにくい。しかも日本人は汗水たらしてがんばることが尊いと見なされてきただけに、その思考を切り換えられない。
目の前に理不尽な現実を突きつけられても「精一杯」「全力で」「一丸で」がんばる以外のすべを知らないのだ。これではイノベーションもブレークスルーも生まれず、「隠れブラック企業」ばかり増えるのがオチである。そして欧米企業や新興企業には水をあけられ、成長戦略どころではない。
本書では、相変わらず勤勉な日本人が、なぜ“迷惑な人”になってしまうのか、また日本人の「がんばり病」がどれだけ怖いかを明らかにした。さらに努力を〈量〉から〈質〉へと転換する思考法や、会社など組織が罹る「がんばり病」の正体を見極めて退治し、効率よく働いて成果につながる方法も提示した。
「がんばると迷惑な人」は日本社会の深部に巣食う病巣から今も続々と出現している。あなたの周りにも既にいるはずだ。他人事(ひとごと)ではなく、あなたも「がんばると迷惑な人」になってはいないか。

(おおた・はじめ 同志社大学教授)

担当編集者のひとこと

やる気は無用。努力は正しく。――「画期的仕事論」

「毎晩、遅くまで残業しているのに、成果が出ない」
「毎日、一生懸命に外回りをしているが、業績に全然つながらない」
「がんばれ、がんばれ、と上司からいつもハッパをかけられるたびに、部下はやる気をなくしていく」
 そんな“迷惑な人”は、あなたの周りにいませんか。
 長年にわたり企業や官庁の調査を重ね、「個人を尊重する組織」を研究されている太田肇氏(同志社大学政策学部教授)は、そのような“迷惑な人”がどのように現れ、なぜに職場の弊害になっているのか、『がんばると迷惑な人』でわかりやすく解説しています。
 90年代に仕事は「量」より「質」が重要になり、その転換ができない人や旧態依然とした働き方が、いまや会社を蝕んでいるとのこと。この「量」と「質」は反比例するのだそうです。
 本書で太田氏は、“働き方“を刷新し、ビジネスの質を高めるために、多くの提言を挙げています。以下は、その一部です。

・がんばらなくても、確実に成果を上げる「合理的手抜き」
・モチベーションを高める人事表彰制度
・ムダな努力を省く技術
・部下の承認欲求に応える管理術
・人間関係を破綻させない作法
・野心を業績に変える思考法
・自営業集団としてのチームワーク
・「人を動かす」ための方法

“残念な働き方“を生まないために、すぐに使える実践法が満載です。
 ぜひご一読ください。

2014/12/25

蘊蓄倉庫

チームワークとは何か?

 チームワークには二種類ある、と太田氏は分析し、そのちがいを、以下のように説いています。
 ひとつは、同じような能力や考えを持った人たちが、力を合わせて一つの目標に突き進む「同質性を軸としたチームワーク」です。
 このチーム内では、必然的に、チームのために「自分を殺す」ことが求められます。一人ひとりの個性は必要ありませんし、むしろ個性的な人は排除されます。団結や結束はありますが、それ以上の相互作用は期待できません。
 また、チームよりもリーダーやほかのメンバーから認めてもらおうという心理が働きます。そのため表面上は仲がよくても、陰では妬みや足の引っ張り合いが起きます。
 もうひとつは、異なる能力や考えを持った人たちが、それぞれの力を発揮してチームの目標に貢献する「異質性を軸としたチームワーク」です。
 このメンバーは、「自分を活かすこと」でチームに貢献します。それぞれが専門家や職人であり、それぞれが専門的な役割を担っています。メンバーの一人が欠けても、チームが機能しません。こちらは、“がんばり”を認めてもらうよりも、メンバーは、自分の役割を果たすことやチームの目標を達成することに関心が向けられます。いってみれば、自営業なメンバーの集まりです。このようなチームは、自分の役割が明確で、時代や目的の変化にも強く、個々の役割の「質」を高めようとするのだそうです。
 努力の「量」より「質」が大切になったように、いまは、後者のようなチームワークが求められています。
掲載:2014年12月25日

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