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「いつも笑顔」「親の言うことをよく聞く」「我慢強い」危ない! 価値観が次々ひっくり返る圧倒的説得力!

いい子に育てると犯罪者になります

岡本茂樹/著

821円(税込)

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発売日:2016/03/17

読み仮名 イイコニソダテルトハンザイシャニナリマス
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 234ページ
ISBN 978-4-10-610659-0
C-CODE 0237
整理番号 659
ジャンル 妊娠・出産・子育て
定価 821円
電子書籍 価格 821円
電子書籍 配信開始日 2016/06/17

意外なことに、刑務所への出入りを繰り返す累犯受刑者には「いい子」だった者が多い。自分の感情を素直に出さず、幼少期から無理を重ね、親の期待する役割を演じることに耐えられなくなった時、積もり積もった否定的感情が「犯罪」という形で爆発するのだ。健全な子育ては、「いい子」を強いるのではなく「ありのままの姿」を認めることから始まる──。矯正教育の知見で「子育ての常識」をひっくり返す。

著者プロフィール

岡本茂樹 オカモト・シゲキ

(1958-2015)1958(昭和33)年兵庫県生まれ。元立命館大学産業社会学部教授。臨床教育学博士。大学での研究・教育活動の傍ら、刑務所での受刑者の更生支援にも携わる。著書に『反省させると犯罪者になります』『凶悪犯罪者こそ更生します』などがある。2015年没。

目次

まえがき
第1章 明るく笑う「いい子」がなぜ罪を犯すのか
苦しいからこそ笑っている/笑顔の裏側に隠された本当の気持ち/宮本亜門はなぜ自殺未遂をしたのか?/子どもがピンチのとき、あなたならどうする?/「君のことが知りたいんだ」/問題行動が出る前は皆「いい子」/残酷な話をしながら笑う受刑者/自己防衛としての笑顔/自分の感情をマヒさせていく過程/一度罪を犯すと更生は容易ではない?
第2章 少年院に入ると、さらに悪くなる
少年院では「私語禁止」/少年院と刑務所の違い/私語を許すと「悪の情報交換」が……/私語禁止という規則がもたらす心理的問題/「脱走頻発」で厳格化/非行少年の作文に表れた「問題」/非行に走った本当の理由/「目立ちたくなる心理」の背景にある愛情飢餓/タバコやシンナーは「必要」だった/「絶対迷惑はかけない」は危険な発想/「この少年は更生できないですね」/「形が整っている」ことが評価の基準/力を信奉している教官たち/「固い決意」は再犯の抑止力にならない
第3章 受刑者の心の奥底にある幼少期の問題
受刑者の幼少期は100%不遇/両親の愛情を受けて育ったと思い込んでいた受刑者/「愛されて育った」のになぜ非行に走ったのか?/怒りを吐き出すことで「愛情」の意味に気づく/本音を出すことで自分の問題の原点に気づく/「明るさ」を演じ続けた受刑者/教師の不用意な言動と上級生の暴力/謝罪文だけが「罪の償い」を表す言葉なのか?/原点は幼少期の母親の言葉
第4章 「つらい過去」に蓋をしてはいけない
自分自身と向き合っていない酒井法子/覚醒剤の再犯者が陥る典型的なパターン/「固い決意」はあてにならない/薬物に手を出したのは「必要だったから」/人に素直になれなくなった原点/罪悪感を持つと「いい子」になる/「いい子」の面を強化した父親と義母/危険な「抑圧のパターン」/価値観のプラス面とマイナス面/必要なのは「甘える力」/悲しいときは泣いてください
第5章 子どもの前に、親が自分自身を受け入れる
わがままはダメじゃない/「男らしくなければならない」からの解放/「強い正義感」が殺人事件を引き起こしたケース/悩みや苦しみを打ち明けられますか?/ストレスを生み出す20の価値観/刷り込まれた価値観を考える20のヒント/価値観の裏側を見る習慣を/グチを言える人間関係を
第6章 幼少期の子育てで知っておきたいこと
親に素直に甘えられること/「嘘をつかない」を子どもに約束させてはいけない/嘘をつけないと「大きな嘘」で問題を起こす/子どもに「自信を持たせる」子育ての方法/「思考」ではなく「感情」を重視せよ/「大丈夫」という言葉は本当に大丈夫?/反抗期は「自己表現期」と捉える/「評価の言葉」で子どもを褒めるな
あとがき
本書の成り立ちについて

担当編集者のひとこと

聞いてみたかった

 本書の著者・岡本茂樹さんは昨年の6月にお亡くなりになりました。まだ56歳の若さでした。岡本さんは2014年7月に前著『凶悪犯罪者こそ更生します』を出されていますが、その出版の直前に脳腫瘍が見つかり、闘病生活に入られていました。遠からず仕事に復帰されるのだろうなと気楽に考えていたのですが、メールで連絡を差し上げても返事を頂けないことが増え、「どうしたのだろう」と考えていた矢先に訃報が届きました。あまりの急な展開に言葉もありませんでした。
 お亡くなりになってしばらくすると、生前の岡本さんの本を二冊担当したご縁もあり、ご遺族から遺稿の整理を頼まれました。本書の元になる原稿は、そうした遺稿の中に残されていたものです。
 本書で岡本さんは、「いい子」に疑問を投げかけています。なぜなら、刑務所での更生支援活動をしてきた岡本さんは、受刑者に「元いい子」が多いことを知っているからです。中には中学校で生徒会長をしていたような人までいたとか。
 そんな彼らがなぜ、獄の中に落ちてしまうのか。岡本さんの説明によると、こうなります。
 受刑者たちはほぼ100%、子ども時代に家庭の問題を抱えている。しかし、その不遇な状態に感じる不安や寂しさを、誰にも受け止めて貰っていない。それどころか、不安や寂しさを抑圧して自ら笑顔をつくり、自分で自分を励まそうとしたりする。それを「ニコニコ笑ういい子だね」などと周囲にほめられたりするものだから、余計に自分の感情を抑圧してしまう。しかし、いつか精神の無理は限界に達し、それが「犯罪」という形で爆発してしまう。凶悪犯罪が起こるとしばしば、「あんないい子が、なぜ……」という「近所の声」が紹介されたりするが、むしろ「あんないい子」で居続けたことが犯罪の原因だとも言えるのだ、と。
 本書の中では、覚醒剤で逮捕された酒井法子さんの「いい子」ぶりを分析しているのですが、もしご存命だったら清原和博選手についての見解も聞いてみたかった。強面の風貌や入れ墨、粗暴な振る舞いなど、報道で伝えられる清原選手は「真っ黒け」といった印象ですが、若いときから圧倒的な成績を残し、期待に応えようと無理を重ねた清原選手のこれまでの人生は、本人の内面から見ればかなり「いい子」のそれだったのではないか、という気がしています。ご遺族によると、尼崎にお住まいなのに巨人ファンだった岡本さんは、甲子園にも時々でかけていたそうですから、清原選手の活躍も生でご覧になっていたでしょう。
 本当に、惜しい方をなくしてしまいました。著者のラストメッセージを、読者の皆様にお届けできたのが、せめてもの救いです。

2016/03/25

蘊蓄倉庫

絞首台の笑い

「絞首台の笑い」という表現があります。死を目前にした死刑囚が、まさに首にロープをかけられようとする刹那、恐怖のあまり笑うのです。恐怖に耐えられない時に出る笑いは、人間の防衛本能と言えます。
 実は、犯罪者には残酷な話をしながら笑う者が多くいます。普通の人間の感性で言えば、「酷い話をしながら笑うなんて、人間じゃない!」と怒りたくなるところです。しかし、この笑いは犯罪者自身が残酷な行為を楽しんでいるからとは限りません。残酷な犯罪を犯した加害者は、しばしば自身が虐待やネグレクトの被害者なので、そうしたつらい状態をやり過ごすために、すべての感情的反応を「笑い」に転じて自己防衛している場合が多いからです。
掲載:2016年3月25日

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