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「坊主丸もうけ」なんて大ウソ! 檀家激減で、寺院経営は大ピンチ。身もフタもない悲惨な現実を、地方寺院の住職がぶっちゃける。

お寺さん崩壊

水月昭道/著

821円(税込)

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発売日:2016/12/16

読み仮名 オテラサンホウカイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 220ページ
ISBN 978-4-10-610696-5
C-CODE 0215
整理番号 696
ジャンル 宗教
定価 821円
電子書籍 価格 821円
電子書籍 配信開始日 2016/12/23

今、日本のお寺が危ない! 特に地方は過疎化や仏教離れで檀家が激減、門を閉ざす寺院が続出している。「もう寺だけでは食えない」と嘆く兼業住職、金持ち寺院へ出稼ぎに行く僧侶など、現状は「坊主丸もうけ」とは縁遠い話ばかり。ズバリお坊さんの収入は? 院号はなぜ高い? 檀家さんに知られたくない本音は? 問題作『高学歴ワーキングプア』の著者にして地方寺院の住職がぶっちゃける、お寺さんの不都合な真実。

著者プロフィール

水月昭道 ミヅキ・ショウドウ

1967(昭和42)年福岡県生まれ。地方寺院住職(浄土真宗本願寺派)。九州大学大学院博士課程修了。博士(人間環境学)。2007年、日本の博士の窮乏を自身の経験と共に綴った『高学歴ワーキングプア』が話題に。著書に『アカデミア・サバイバル』『他力本願のすすめ』等。

目次

はじめに
第一章 寺が潰れた……
崩壊の始まり/お寺と高学歴者からは貧乏が連想できない/どうしてお寺は潰れるのか/跡取り問題での想定外/いざ“潰す”にも大金が……/檀家さんの行き先/仏さまはどちらへ?
第二章 「坊主丸儲け」なんて大ウソ
寺院の基本収入を大公開/頼みのオプション収入/ズバリ、お坊さんの所得は?/“宗教法人は非課税”という幻想/兼業僧侶の実態――過労死しそう/兼業が不可能な時代の到来/住職の身で非正規雇用/お布施ダンピング/ほとけ、ほっとけ!
第三章 寺とお坊さんの未来予想図
寺とお坊さんは窮地を脱出できるか/寺院経営――家族運営が破綻を呼ぶ/寺院経営2――法人という視座の必要性/寺院経営3――住職雇用制度を導入すべし/地方宗教法人の近未来図/住職の自己防衛術――檀家から家族を守る/住職の自己防衛術2――スペア要員は必須/ご本山は安泰なのか?/「院号」はなぜ高い?/寺院消滅時代のスタート
第四章 お坊さんのぶっちゃけ本音集
飽くなきお布施論争/貧困はよい坊主修行なの!?/本音が言えません/これぞ教条主義の罠/神棚や神社を忌避するお坊さんも/勉強不足のお坊さん/仏教はサービス業とは違う/煩悩を差し出すのが布施行
第五章 現代人に届け、仏教!
仏事は仏さんからのお呼ばれ/情けは人のためならず?/悪人とは“私”のこと!/お寺とかかわるということ/あなたの要望に応えてくれるお寺の探し方/お坊さんを囲うという贅沢
第六章 それでも私は仏道を歩む
仏教は自由への扉を開く/副住職は生き方、サラリーマンは飯の種/十年非正規でもめげない仏教哲学者/「鎮め」の喜びに注目しよう/我思うほどに我無し/それでも僧侶を続ける理由/仏道を歩み続ける
おわりに

インタビュー/対談/エッセイ

お坊さんだって、ワーキングプア

水月昭道

 神や仏に対する信仰心が薄れている、と聞いても日本人はもはや誰も驚かない。一方で、現代でも確たる信仰が残るものもある。学歴信仰などはその最たるものだ。現代技術文明社会では、神や仏よりも学歴のほうが人生の支えになると未だ信じられている趣がある。二〇〇七年、私が自著『高学歴ワーキングプア』にて、それがまやかしであることを既に明らかにしたにもかかわらず。
 末は博士か大臣か、と言われた博士様の実態は貧困層の住人だった、と示しても、子どものなりたい職業の筆頭付近に研究者は位置し続けている。
 人々は自らが信ずるところのものを信じて生きていく。“信”に反する事柄には「そんなバカな」という疑心を常に携えて。
「学歴は武器にならない」と聞けば「まさか!」と疑い、なおさら頑になる。結果、更に学歴信仰へと傾く。同様に、神や仏の存在には子どもですら「どこに?」などと嘯く始末。仏さんも人の疑心の前では憐れ、風前の灯火である。
 本書のテーマである「坊主丸儲け」言説も同じ構図に支えられてきた。「お寺は貧乏らしい。貧困僧侶が増加中」と耳にしても、「嘘吐き。寺は非課税だろう」「坊さんはちょろっとお経をあげて高い布施を懐に入れてる」と一笑に付されるのみ。
 そんな背景もあって、どこで聞きつけたのか私が地方寺院の生まれということを知った一部の方々から、先の書『高学歴ワーキングプア』は批判されてきた。曰く、「お前の実家は寺だろう。大学教員の仕事をたとえ(任期切れで)失っても跡を継げばウハウハだろう」と。事実は逆で、地方寺院を背負うためには「兼業」が欠かせない。業界では周知の事実だが、世間はなぜか寺は金持ちと信じたいようだ。
 本書『お寺さん崩壊』では、こうした世間の思い込み(信仰?)を解くべく、特に、地方寺院の窮状やお坊さんの身も蓋もない現実を可能な限り明らかにしている。
 寺院を護持するために他で正規雇用され、そこでの給与を寺の赤字補填分に充てる住職。我が寺は貧しいため、大きな寺へと出稼ぎに行き顎でこき使われる住職。ガソリンスタンドなどのアルバイトを掛け持ちするも己の糊口を凌ぐので精一杯で、もはや結婚などとうに諦めている住職。地方寺院を取り巻く現実は、かように涙無くしては語れない。今やお寺は、「なぜ自分は寺に生まれたのか……」と悩む跡取りたちでいっぱいだ。
 誰もが信じていることの裏側には思いも寄らない真実が横たわっていることが少なくない。それは表面的な部分をなぞるより遙かに複雑で深刻だったりするが意外に滑稽でもある。それこそが驚きをもたらし私たちの“信仰”を次の次元へと解き放つ。本書でその希有な体験をしてみて欲しい。

(みづき・しょうどう 地方寺院住職・人間環境学者)
波 2017年1月号より

蘊蓄倉庫

坊主丸もうけ?

 現役の地方寺院住職が、檀家激減で危機に瀕したお寺の現状をレポートしたのが本書『お寺さん崩壊』。やはり気になるのは、その収入。はたして坊主は、丸もうけなのかどうか――。著者の水月昭道氏によれば、その収入源の二大柱は(1)「葬儀・法事・法要(お布施)」と(2)「年会費(護持費)」だそうです。もちろんその額は檀家数によって比例しますが、寺院として経営が成り立つかどうかの分岐点は、大体「檀家300軒」と言われているようです。それでようやく年間の「売り上げ」は1000万円程度。しかし「檀家300軒」をキープできる寺院はそう多くなく、かくして住職たちはアルバイトに精を出したり、他寺院に出稼ぎに行ったり……。まさに「お坊さんだって、ワーキングプア」という状況のようです。


掲載:2016年12月22日

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