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軍事のリアル

冨澤暉/著

836円(税込)

発売日:2017/11/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

直視せよ。陸上自衛隊の元トップが明かすタブーなき真実。

現代の軍隊は「戦争の道具」ではなく、世界の繁栄と平和を守るための基盤である。一国平和主義によって世界の現実に目を閉ざした日本は、その「常識」を共有できない。今こそ自衛隊を正しく「軍隊」と位置づけ、過剰な期待も過剰なアレルギーも排し、何ができるのかを冷静に見極めよ──。陸上自衛隊トップの幕僚長を務めた著者が、自衛隊の現場の視点から語った超リアルな軍事論。

目次
まえがき
第1章 戦争を放棄しているのは日本だけではない
第2章 PKOの武力行使は集団的自衛権と関係ない
第3章 自衛隊、英語に訳すと「護身隊」
第4章 集団的自衛権論議はどこかズレている
第5章 日本に北朝鮮のミサイル邀撃なんてできるわけがない
第6章 常に複数のオプションがバトルしている米国軍事戦略
第7章 PKO「矛盾のツケ」、払いはすべて自衛隊でいいのか
第8章 陸・海・空自衛隊の「出自」と「性格」
第9章 「統合」と「連合」
第10章 当面はアメリカ一極集中の秩序を守るべきだ
第11章 在日国連軍の上手な活用法
第12章 「専守防衛」は軍事的に成り立たない
第13章 日本核武装の是非とその可能性
第14章 前捌きと本腰――私の騎兵論
第15章 危機に及んでは「独裁」を
第16章 徴兵制と志願制
第17章 「情報」を軽視しがちな日本

書誌情報

読み仮名 グンジノリアル
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610742-9
C-CODE 0231
整理番号 742
ジャンル 政治・社会
定価 836円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2017/11/24

担当編集者のひとこと

軍人と文人

 『軍事のリアル』の著者、冨澤暉さんは、陸上自衛隊トップの陸上幕僚長までおつとめになった方ですが、不思議と文人と縁があります。
 実は、冨澤さんのお父さんは、戦前に芥川賞を受賞した冨澤有為男という作家で、代表作は新潮社から出版しています。お住まいも新潮社のすぐそばだったそうです。
 その後、戦中に福島に疎開し、家族は戦後も福島に住み続けますが、冨澤さんは東京に戻り日比谷高校に通いました。ここでは庄司薫と古井由吉という、二人の将来の芥川賞作家が同級生になりました。在学中は特に交流はなかったそうですが、同級生には塩野七生さんもいました。ついでに言えば、東京で下宿していた先は、お父さんに私淑していた作家志望のお坊さんが住職を務めるお寺で、そのお坊さんも後に直木賞作家になっています(筆名・寺内大吉)。
 ちなみに岳父は戦中に東南アジアで情報活動をしていた陸軍軍人の藤原岩市で、その著書『F機関』は、情報関係者にとっては必読の古典となっています。
 冨澤さんにお会いすると、もちろん安全保障や自衛隊を巡る話も面白いのですが、軍人ならぬ文人の話題も次から次へと飛び出し、話が尽きません。こういう時、編集者ってお得な商売だよなぁ、と一人ほくそ笑むわけです。

2017/11/24

著者プロフィール

冨澤暉

トミザワ・ヒカル

1938(昭和13)年生まれ。元陸上幕僚長(1993~1995年)。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊。第一師団長、北部方面総監などを経て陸上自衛隊トップの幕僚長に。1995年退官。東洋学園大学名誉教授・理事。偕行社理事長。著書に『逆説の軍事論』。

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