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辻邦生全集 16 のちの思いに ほか

辻邦生/著

7,700円(税込)

発売日:2005/09/22

  • 書籍

辻邦生の遺した豊饒な物語世界――。その全容を明らかにする初の本格的全集。

「じかに読者に何かを話したい」という思いを込めて、辻邦生は小説と同じ姿勢でエッセーを書いた。厖大な作品数から精選した魅力的なエッセー集(1)。「のちの思いに」、自伝抄、交遊録などを収録。

目次
自画像
I幼年期の自画像
 幼年時代
 図書館への郷愁
 赤坂慕情
 西片町と兄のこと
 築地の方へ
 東中野の家
 無言で教える「自由と責任」
 数学への憧れ
 書くことと生きること
 青春の雲と蝶
 若い日の私
 逝く夏に寄せて
 わが信州
 青春のなかのトーマス・マン
 青春のプロフィル
 三俣蓮華岳への思い
 本を焼いたあの日
 私の大学時代
 浅草時代
 ある青春のオデュッセイア
 ものぐさ太郎とものぐさ花子の物語
 国分寺に暮した頃
 長い青春の旅の終り
 自伝抄

II自然への回帰の旅
 早春のパリ
 小説へと目覚める過程を再認識した作品
 タラント駅待合室にて
 ギリシアの旅のあとで
 立体と平面と
 わが哲学時代から
 変ったパリ変らぬパリ
 モンマルトル住い
 妻への手紙
 手紙への思い
 パリで講義をした頃
 わが町の遠近
 カルティエ・ラタンの古い家
 初夏の心象から
 故郷の山故郷の川
 “悲しめる母”の記憶
 自然という詩集の前で
 心の想念を文章の形で明確にすること
 水に書かれた物語
 文学現象と作家の間
 小説を書く手
 雲の往き来
 春にパリで思ったこと
 わがリューマチ記
 高輪暮し
 言葉と存在の場に生きて
 荷風の頃の人

師友
Iある肖像
 先生の胡桃の木
 回想の森有正先生
 中村真一郎を見た日
 スタンダールの糸
 埴谷さんの宇宙圏の中で
 想像力のレアリティ
 黒い星の下
 武田さんのこと
 詩人のヴェール
 物語時代の終り
 宇野千代
 吉田健一の世紀末
 吉田さんとの別れ
 夷齋先生
 里見弴先生の若さ
 堀田さんとの来し方往く末
 古文書の怪に憑かれた人
 印象のなかの福永武彦
 福永さんの想い出から

II星々への思い
 北杜夫との出会い
 パリの北杜夫
 四谷時代の北杜夫
 私のなかの北杜夫
 川合勘助の思い出
 岡本太郎
 郡虎彦因縁ばなし
 わが芝居の周辺
 丸谷才一のなかの羅針盤
 霧の中の肖像から
 ささやかな印象から
 その死の前後
 美の憧憬者の影
 遠く去る星雲を望む思い……
 時を超えた者へ
 ある豊饒なダンディズムについて
 なつかしい記憶
 お喋りという贈りもの
 ある思い出に
 「ふたりクニオ」の記
 映画「北の岬」の周辺
 亞紀さんの絵のそばで
 「學鐙」の二人の編集者
 大岡信との二つの旅
 ある夜明けの生誕に
 わが三人の友
 葡萄酒とマンと貝島さんと
 あるレクイエム
 一夏の思い出から
 年に一度の……
 詩歌を生きること
のちの思いに
I大学に入ったころ
 大学に入ったころ
 秀才たちの群
 悪戦苦闘の仏語学習
 本郷通りと路面電車
 中島健蔵の名講義
 女子学生と夏の匂い
 読書と書斎
 本郷から赤浅草へ
 浅草の仲間たち
 芝居小屋

IIリスちゃん登場
 大型バスの秘密
 リスちゃん登場
 社会の海へ
 分かれ道
 狼の足あとを求めて
 電話帳のような本
 やさしい友達
 親友の恋愛論
 留学への夢

IIIアルカディアの夏
 恋のさやあて
 都心のデート
 結婚の相談
 リスちゃんの小屋
 リスちゃんのお勤め
 信州へ
 アルカディアの夏
 高原の仲間たち
 不意のおとずれ
 ひと夏の終り

IIパリに着く
 パリに着く
 森先生との再会
 森先生の引っ越し
 船旅で結んだ友情
 対照的な異国の友
 フランクフルトの哲学青年
 ドイツの大学都市
 上機嫌の森先生
 フランスの夏休み
 ニースからイタリアへ
 光と闇のローマ
 旅の終り

V帰国して
 帰国して
 秀才 粟津則雄
 誰もが憧れた福永武彦
 「近代文学」とその周辺
 「文藝」と坂本亀一編集長
 吉田健一と文学との喜び
 豊崎光一との最後の旅
 「海」と『背教者ユリアヌス』
 「青い魚の家」

解題

書誌情報

読み仮名 ツジクニオゼンシュウ16ノチノオモイニホカ
シリーズ名 全集・著作集
全集双書名 辻邦生全集
発行形態 書籍
判型 菊判
頁数 400ページ
ISBN 978-4-10-646916-9
C-CODE 0395
ジャンル 全集・選書
定価 7,700円

著者プロフィール

辻邦生

ツジ・クニオ

(1925-1999)東京生れ。1957(昭和32)年から1961年までフランスに留学。1963年、長篇『廻廊にて』を上梓し、近代文学賞を受賞。この後、芸術選奨新人賞を得た1968年の『安土往還記』や1972年に毎日芸術賞を受けた『背教者ユリアヌス』等、独自の歴史小説を次々と発表。1995(平成7)年には『西行花伝』により谷崎潤一郎賞受賞。他の作品に『嵯峨野明月記』『春の戴冠』等。

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