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「医は仁術」を体現した究極の医師像がここにある。山本周五郎、円熟期の傑作をCD化!

赤ひげ診療譚 第一集

山本周五郎/著、嵐圭史/朗読

4,644円(税込)

本の仕様

発売日:2010/10/29

読み仮名 アカヒゲシンリョウタン01
シリーズ名 新潮CD
発行形態 オーディオブック
判型 [3CD]175分
ISBN 978-4-10-830241-9
C-CODE 0893
ジャンル 文学賞受賞作家
価格 4,644円

青年医師保本登は、長崎遊学後、御目見医にあがるはずだったが、自分の知らぬまに貧しい人々がかかる「小石川養生所」に勤めさせられることになってしまった。そこには赤ひげと呼ばれる屈強で尊大な医者・新出去定が待っていた……。山本周五郎、円熟期の傑作より冒頭の「狂女の話」「駈込み訴え」を収録。

著者プロフィール

山本周五郎 ヤマモト・シュウゴロウ

(1903-1967)山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビューを果たした。その後15年近く不遇の時代が続くが、やがて時代小説の分野で認められはじめる。『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるがこれを辞退、生涯で一個の賞も受けることはなかった。『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『おさん』(1961)など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得た。中でも『青べか物語』(1960)は著者畢生の名作として名高い。

嵐圭史 アラシ・ケイシ

1940(昭和15)年、五代目嵐芳三郎の次男として東京に生まれる。俳優座養成所(第八期)を経て前進座に入座。主な舞台作品には「心中天網島」「東海道四谷怪談」「勧進帳」などの歌舞伎や「子午線の祀り」(紀伊國屋演劇賞)、「怒る富士」(芸術祭賞)、「江戸城総攻」(芸術選奨文部科学大臣賞)などがある。また朗読の名手としても知られ、特に「平家物語」では全巻朗読したCDの刊行や舞台での朗読などに取り組んでいる。

目次

◆狂女の話◆ DISCI(1)~(6)60:49 DISCII(1)~(2)24:11
長崎遊学から帰ってきたら幕府の御目見医にあがるはずだった保本登は、自分の知らぬまに貧しい人々がかかる「小石川養生所」に勤めさせられることになってしまった。登はふてくされて反発するが、そこには赤ひげと呼ばれる屈強で尊大な医長・新出去定が待っていた。
◆駈込み訴え◆ DISCII(3)~(5)32:22 DISCIII(1)~(3)57:46
色情狂の患者に殺されそうになったり、手術に立ち会って失神したり、登は本式の蘭方を学んだという自信とはうらはらに次々と失敗を重ねる。しかし無知と貧困が人々を病気へ追いやる現実の中で、登は必死に何かをつかみ取ろうともがいた。

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第一集解説(清原康正)

 三年間の長崎遊学から江戸に戻った保本登は、幕府の御目見医に登用されるはずが、貧しい病人を無料で診る幕府の施療所「小石川養生所」の医員見習いに任じられる。薄汚く活気のない養生所勤めが不服で、「赤ひげ」と呼ばれる医長・新出去定に反発して診察もしなかった。登の帰りを待てずに書生と出奔した許婚ちぐさのことが、彼の心をひどく傷つけてもいた。だが次第に、政治の無策と腐敗の中で施療一筋に突き進む赤ひげの生き方に惹かれ始める。
 色情狂の女患者に殺されそうになったり、大腸がはみ出た女人夫の傷の縫合を見て失神するなどの失態を繰り返し、登は医者としての未熟さを思い知らされる。登は赤ひげに連れられて往診に出て、無知と貧困からくる病苦の実情をまざまざと見る。
 赤ひげは「あらゆる病気に対して治療法などはない」「現在われわれにできることで、まずやらなければならないことは、貧困と無知に対するたたかいだ」「それは政治の問題だと云うだろう」「だがこれまでかつて政治が貧困や無知に対してなにかしたことがあるか」と、病気の大半が社会悪からきていることを指摘し、病の陰にひそむ患者の生活や困難にも身を挺して手をつくす。
 貧しいがゆえのさまざまな事件を目のあたりにした登は、苦しみながら生きようとする人びとへの愛情を深め、赤ひげの手足になっていく。

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