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「医は仁術」を体現した究極の医師像がここにある。山本周五郎、円熟期の傑作をCD化!

赤ひげ診療譚 第二集

山本周五郎/著、嵐圭史/朗読

4,644円(税込)

本の仕様

発売日:2010/10/29

読み仮名 アカヒゲシンリョウタン02
シリーズ名 新潮CD
発行形態 オーディオブック
判型 [3CD]179分
ISBN 978-4-10-830242-6
C-CODE 0893
ジャンル 文学賞受賞作家
価格 4,644円

むじな長屋には、自分が労咳で病んでいるのに稼いだものはみな同じ長屋の困っている人たちに遣ってしまう佐八という職人が住んでいた。このあきれるほど無欲な佐八の臨終の場で、登は思いもよらぬ男の過去を打ち明けられたが……。山本周五郎、円熟期の傑作より「むじな長屋」「三度目の正直」を収録。

著者プロフィール

山本周五郎 ヤマモト・シュウゴロウ

(1903-1967)山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビューを果たした。その後15年近く不遇の時代が続くが、やがて時代小説の分野で認められはじめる。『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるがこれを辞退、生涯で一個の賞も受けることはなかった。『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『おさん』(1961)など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得た。中でも『青べか物語』(1960)は著者畢生の名作として名高い。

嵐圭史 アラシ・ケイシ

1940(昭和15)年、五代目嵐芳三郎の次男として東京に生まれる。俳優座養成所(第八期)を経て前進座に入座。主な舞台作品には「心中天網島」「東海道四谷怪談」「勧進帳」などの歌舞伎や「子午線の祀り」(紀伊國屋演劇賞)、「怒る富士」(芸術祭賞)、「江戸城総攻」(芸術選奨文部科学大臣賞)などがある。また朗読の名手としても知られ、特に「平家物語」では全巻朗読したCDの刊行や舞台での朗読などに取り組んでいる。

目次

◆むじな長屋◆ DISCI(1)~(5)53:45 DISCII(1)~(5)50:45
むじな長屋には、自分が労咳で病んでいるのに稼いだものはみな同じ長屋の困っている人たちに遣ってしまう佐八という職人が住んでいた。このあきれるほど無欲な佐八の臨終の場で、登は思いもよらぬ男の過去を打ち明けられた。
◆三度目の正直◆ DISCIII(1)~(8)74:34
女から言い寄られるのが大の苦手、何度も祝言の約束をしながらその都度破談にし、とうとう周囲から愛想を尽かされた大工の猪之は、気鬱症として養生所に引き取られる。しかし猪之には女に対するある不思議な心理が交錯していた。

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第二集解説(清原康正)

 通い患者の治療停止や経費三分の一削減が幕府から申し渡される。赤ひげは豪商や武家の患者からは法外な治療費を取って削減された経費を補充し、貧者のために費やした。人間を愚弄し、軽蔑するような政治を呪いつつも、幕閣連中の罪は「真の能力がないのに権威の座についたことと、知らなければならないことを知らないところにある」「かれらはもっとも貧困であり、もっとも愚かな者より愚かで無知なのだ、かれらこそ憐れむべき人間どもなのだ」とつぶやく。赤ひげの人間観がよく表されているセリフである。
 労咳を病みながら、むじな長屋の困っている者たちに稼いだものを惜しげもなく遣っている佐八の秘めた思いには、「罪の意識」というテーマが組み込まれている。自分の罪ほろぼしのために、少しでも人の役に立ってゆきたいと思った、と佐八は登に打ち明ける。こうした意識は、赤ひげ自身にも存在することがこの後の展開で分かる。
 女に惚れては逃げる気鬱症の大工を養生所に引き取った赤ひげは、大工の治療を登に担当させ、「人間の頭脳のからくりほど、神妙でふしぎなものはないな」と言い添える。こんなセリフにも、赤ひげが人間をどう見ているかが分かる。この大工が三度目に惚れたのが、狂女の世話をしている娘であった。大工の話を辛抱強く聞いてやる登には、養生所にやって来た頃の傲慢さは薄らいでいた。

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