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地球最後のオイルショック
デイヴィッド・ストローン、高遠裕子/訳

二〇一〇年代、世界の石油は枯渇に向かいはじめ、もう二度と増産できない。ピーク・アウトを迎えて何の対策も講じなければ、その衝撃はサブプライム問題の比ではない。世界中で株価は暴落し、物価は高騰し、失業者は激増、アメリカ型経済モデルは崩壊する。豊富な資料と、世界の石油関係者170名余りへの取材をもとに書かれた恐怖の警告。

ISBN:978-4-10-603605-7 発売日:2008/05/23


| 1,575円(定価) |
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地球最後のオイルショック
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この原稿を書いている二〇〇八年四月末現在、事態は、著者デイヴィッド・ストローンが予想したとおりの方向に進んでいる。原油価格は高止まりし、天然ガスや石炭の価格は急騰している。アメリカでは、燃料費高騰に後押しされる形で、大手航空会社二社が合併を発表した。トウモロコシなどの穀物は、燃料との奪い合いで価格が高騰し、世界的な食糧危機が懸念されている。すでにラスト・オイルショックは起こりはじめているのだろうか。
原油は今年に入り、一バレル=百ドルの歴史的な大台を突破した。その後も大きく値崩れすることなく高止まりしている。一バレル=五十ドル台で推移していたのは、ほんの三年前のことである。いったい、原油に何が起きているのか?
現在の価格高騰の要因としてメディアでよく挙げられるのが、原油市場への投機資金の流入である。だがそもそも、原油価格が当面高値で推移するとの「見通し」がなければ、投機資金も流入しないはずである。では、そうした見通しを支えている根拠は何なのか? そのひとつに、「ピーク・オイル」論があると言われている。
ピーク・オイルとは、世界の原油生産がピーク・アウトし、伸び続ける需要に追いつかなくなる現象をさす。「枯渇」とはちがって、原油が完全になくなるわけではなく、埋蔵量の半分が生産された段階で起こる。もともとは、シェルの地質学者であったマリオン・キング・ハバートが、一九五六年にアメリカの石油生産のピークをほぼぴたりと予想したことで注目された考え方だが、その後、新たな油田が発見されて原油埋蔵量が増え続けたことから、長らく忘れ去られていた。が、ここ数年、新興国を中心に需要が旺盛な伸びを示すなかで、供給不安を想起させる事態が相次いだため再び注目を集めるようになった。
著者もまた、「ピーク・オイル」論を知ったことをきっかけに、石油の問題を調べはじめる。彼は長年、イギリスのテレビ局BBCで番組制作に携わってきたジャーナリストであり、綿密な調査をもとにビジネスや科学における複雑な問題を分かりやすく解説することを得意とする。その彼が、二年にわたり、世界の石油業界関係者百七十人あまりにインタビューを行ない、膨大な資料を丹念に読み解いて書き上げられたのが、本書『地球最後のオイルショック(The Last Oil Shock)』である。
著者は取材を重ねるうちに、ピーク・オイルが単に石油の問題にとどまらず、現在の政治、経済、社会体制を根底から揺るがしかねない広がりと深さをもっていることに気づく。その衝撃は、まさにオイルショックと呼ぶにふさわしいものだ。このオイルショックは、政治的意図とかかわりなく、「資源の減少」という厳然たる自然法則に基づくものであり、文字通り最後のオイルショックとなる。また過去二回のオイルショックとは異なり、価格の上昇に伴い需要が減退して危機が収束するといった一時的なものではなく、価格は変動を繰り返しながら、高原状態が続くと予想する。本書では、こうしたラスト・オイルショックの背景と、その影響の大きさを、具体的な例を挙げて論じつつ、打撃を緩和するための処方箋を提示している。

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