いつまでもデブと思うなよ



「辛い思いが多ければ多いほど、早くやせる」
 そう思いがちだが、けっしてそうではない。不必要なガマンはしない。効率のよい行動だけを選んでも充分やせるのだ。少なくとも一年間で五〇キロは、それだけでやせる。
 だから、ダイエットは辛くない。逆に、楽しいダイエットでないと続かない。
 ちゃんとやせているだけで、ダイエットは断然楽しくなるのだ。

 そう、成功するダイエットは楽しい。
 たとえば一つ目。ダイエットがうまくいって、やせ始めると、急にモテるようになる。
 モテるというより、「もてはやされる」が正確かもしれない。異性だけでなく、同性にも注目される。
 まず「どうやってやせましたか」という質問の嵐だ。自分の体験や感想、創意工夫を楽しく話すだけで、一時間でも二時間でも盛り上がる。そんなことを聞いてくるのは、別に太っている人だけではない。普通の体形の人も、どちらかと言えばスリムに見える女性も、みんなが興味津々。ダイエットという話題は、誰もが聞きたがり、話したがるメジャーな話題なのだ。
みんな、自分の経験談や失敗談を話したがる。それに対してあなたの批評、御宣託を待ち望んでいる。「その方法は効果あるよね」とあなたに誉められた人は頬を紅潮させ、「それ、ダメだよねぇ」と言われた人は、なんとかあなたから正解を聞きだそうとする。
 当たり前だ。みんな「自分に関係すること」だから、必死に聞いてくるのだ。あなたのひと言ひと言が、彼らにとって「聞き逃せない情報」なのだ。あなた自身が彼らにとって「奇跡の証明」であり、「導師」なのだ。
 私自身、オタク業界にどっぷりつかっていて、スポーツやTVドラマには興味も知識もなかった。普通の話題が苦手だった。だから今まで、普通の人、特に女性との会話は、共通の話題がまったくなくて困ることが多かった。
 それが今や、自分からムリに話題をひねりださなくても、向こうからいくらでも話しかけてくる。「もっと話を聞かせてください」と懇願される。
 私自身の実体験だけど、先日、空港の待合室で知人相手にダイエット講義をしていると、いつのまにか気づくとまわりに人垣ができていた。それほどダイエットについての話題、それも「ものすごい成功例」というのは人を惹きつけるパワーがあるのだ。

 二つ目。自分に自信がつく。
 ダイエットは、目に見える形で、はっきりした成果があらわれる。体重も、サイズも、ゆるぎない数字となって成功を表してくれる。鏡で体形を見ただけで、明らかな変化が自分にもわかる。他人にもわかる。
 それを目の当たりにすれば、「自分のやり方が正しい」「努力が無駄になっていない」と自信がわいてくる。こんなにはっきりと成果がわかることは少ない。
 他のどんなことでも、客観的な評価というのはなかなか得られない。自分にとって「これは長所だ」と思っている部分でも、どれくらい優れているのか、どんな能力があるのか、はっきりしない。ほめてくれる人もいるが、全然、評価してくれない人もいる。
 ほめてくれてもおせじかもしれないし、評価してくれないのは、私を嫌いなだけかもしれない。何とも、心もとない。不安になれば、どこまでも不安になってしまう。
 それに比べて、ダイエットのなんと明快なことか。すべて数字で表せるので、自分の自信にちゃんとした根拠があるのがわかる。
 この三ヶ月の頑張りで、私は一五キロ落とした。
 そう言い切れるのは、自分自身への評価となり、自信に繋がる。
 これだけ自己評価につながり、自信のもとになるダイエットだけども、当たり前だけどそれを成功させても誰かを傷つけたり、出し抜いたり、踏み台にしたり、という心配が全然無い。誰かの勝ちは他者の負けをかならず意味しない。一緒にがんばろう! がウソでなくできるジャンルなのだ。

 三つ目。他人からの評価が変わる。
 今まで明快に意識したことはなかったけど、私は「デブ」というカテゴリーに自動的に入れられていたらしい。それがデブでなくなった途端に、周りからの扱いがあきらかに変わった。
 もちろん、ダイエットの成功者とか先生的な扱いもあるが、それだけではない。
 今までと同じレベルの仕事をしていても、どうも評価がワンランクもツーランクも上がったようだ。今までは言葉には出さないけれど、「デブがなに言ってるんだ!」と、反感をもって聞いていた人が多かったのかもしれない。それが素直に聞いてもらえるようになっただけで、私に対する評価が上がったのだろう。
 いま現在の仕事だけではない。今まで細々と続けてきた仕事全体に対しても再評価されつつあるのが、言葉の端々に感じられる。
 なんとなく薄々感じていた相手からの反感や嫌悪感が、いかに自分の損になっていたか、思い知らされた。
 とにかく、仕事がやりやすい雰囲気になったことだけは確かだ。

 そして四つ目。自分の人生をコントロールできる。
 本書で説明しているダイエット法は、単純だけど奥が深い。実はダイエットだけでなく、生き方や人生に対する姿勢そのものも劇的に変えうる効果がある。
 と、こういう書き方をすると、まるでセミナーみたいだけど、あくまでこれはダイエットの副次効果だ。ダイエットに成功するということは、自分の成功イメージを確信できて、自己コントロールにかなり高いレベルで成功できる、ということだ。この自己コントロールはもちろんダイエットだけでなく、他の面でも活かせる事になる。
 ただ単に「やせること」の副次効果としては、かなりお得ではないだろうか?

購入