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マユツバ語大辞典

塩田丸男/著

748円(税込)

発売日:2007/10/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

怪しい言葉が多すぎて眉がベトベトしてしまう今日この頃である。本邦初、痛快無比の大辞典!(ちょっとマユツバ)

【マユツバ語】眉に唾をつけながら聞かないといけない怪しい言葉、いかがわしい言い回しのこと。一見、美しい言葉や、もっともらしい言葉が人を化かすことも多々あるので要注意。腹に一物ある人物、霞が関や永田町の住民がよく使う――(著者)。「愛国心」、「格差」、「終戦」、「誤解を招く」、「ノーコメント」等々、どんな辞書にも載っていないマユツバ語の真の意味、用法を次々看破、粉砕する痛快無比の大辞典!

目次
1 マユツバ語とは何か
「眉に唾」の効能
根本は「偽」
2 「格差社会」のマユツバ度
戦前の格差
「二極分化」のウソ
国際化
3 善玉コトバが悪玉に
天の声
美しい国、日本
談合
霞が関コトバ
公僕
名誉
地球温暖化
玉虫色
4 戦争が生んだマユツバ語
事変
転進
玉砕
終戦
ぜいたくは敵だ
特車
愛国心
5 失言とマユツバ語の間
子供を産む機械
貧乏人は麦を食え
中小企業の二つや三つ
6 あぶないカタカナ語
スキンとピンク
フリーター
ヒューマンエラー
カッパ
カタカナはエラかった
センセイ
7 氾濫するマユツバ地名
チバリーヒルズ
東京ディズニーランド
○○が丘
葭原から吉原へ
○○銀座
麻布狸穴
8 ことわざは怪しい
聖書とことわざ
ことわざの二つの顔
虎の尾を踏む
可愛い子には旅を
9 二十一世紀版・美辞麗句
不適切
栄養費
コメントは控えたい
10 たとえ話に気をつけろ
私は漢方薬
不沈空母
火事場で婦人会が
どの女と寝ようと
社員諸君は経営者
ガソリン切れの飛行機
経済摩擦は夫婦喧嘩
11 すり替えの狡さ
誤解を招く
誤解と捏造
なんなら茶漬け
12 あいまいと苦渋の産物
とか言葉
あいまい衣
丁寧とマユツバ
言語明瞭、意味不明
性交か成功か
遺憾
天気予報用語
ぼくはウナギ
マユツバ謙遜
ホンネとタテマエ
歴史に残る大やらせ
戦争と「やらせ」
犠牲者
地球にやさしい

書誌情報

読み仮名 マユツバゴダイジテン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610233-2
C-CODE 0236
整理番号 233
ジャンル 社会学、ノンフィクション、サブカルチャー
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/03/30

蘊蓄倉庫

談合は悪か

「談合」というと悪代官顔のおじさん達が金儲けのためにやる悪だくみ、というイメージがあります。しかし、実際には「談合」は悪い言葉ではありません。文字の通り「相談し、話し合う」ということなのです。だから古い辞書には悪い意味は載っていないそうです。本来善玉だった言葉が、うさん臭い人たちのせいで悪玉になってしまった。つまりマユツバ語になったのです。『マユツバ語大辞典』は古今東西の怪しい言葉、うさん臭い言い回しを一刀両断にする、痛快な一冊です。

掲載:2007年10月25日

担当編集者のひとこと

すごい83歳

 塩田丸男さんは1924年生まれ。『マユツバ語大辞典』完成時にはすでに83歳になっていらっしゃいました。
「近頃のお年よりは若い」などということはよく聞くものの、塩田さんの若さはそんなレベルではありません。 まず原稿が早い。
 本の中で取り上げるのは古今東西の「マユツバ」な言葉です。戦後まもない時期の雑誌に掲載された、三島由紀夫らが「パンパン」について語り合うというような記事から、つい最近の新聞記事まで、時に手製のスクラップブックを使いながら、時にネットも使いながら、話は縦横無尽に広がっていきます。かなり手間のかかる原稿のはずなのですが、そんなことは関係ありません。とにかく手間を考えると考えられないスピードで執筆されていました。
 しかもそれをワードで書いて、メールで送ってこられます。
「だって、そのほうが編集者が楽でしょ」
とのことでした。もちろん80歳過ぎでパソコンを使う方も珍しくはないのでしょうが、聞くところによれば塩田さんはエクセルも使いこなしているとのことでした。
 体も健康そのもの。
 お酒もぐいぐい、肉もばくばく、です。担当者(40歳)と食事、酒のペースが変わりません。
「本当か。著者にヨイショしてるんだろう」
 書名が『マユツバ語大辞典』だけに簡単には信用していただけない気もします。でも、本当です。
 本書はこの83歳の超老人が全ての叡智を用いて、この世にはびこる怪しい言葉、いかがわしい言い回しを一刀両断にした、痛快無比の大辞典なのです。

2007/10/25

著者プロフィール

塩田丸男

シオダ・マルオ

1924(大正13)年山口県生まれ。読売新聞記者を経て、作家・評論家。第八九回直木賞候補。1992年、第四回日本ジャーナリスト大賞受賞。『天からやって来た猫』『日本詩歌小辞典』、夫人でエッセイストの塩田ミチルとの共著『味はみちづれ』など著書多数。

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