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【読者がオススメする!】心に残った動物が登場する本



 Yonda?Mailにご登録いただいている読者の皆さまに〈犬や猫、イルカなど動物が登場する小説やエッセイ〉で印象に残っている本についてアンケートを取った結果を発表いたします。
老人と海』(ヘミングウェイ・著)や『かもめのジョナサン』(リチャード・バック・著)などの名作や昨年「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」として話題になり、映画化も決まった『陽だまりの彼女』(越谷オサム・著)などがオススメされる中、最も多くの推薦があった本をご紹介いたします。





推薦コメント

夏目漱石先生の言わずと知れた名作です。これ以上の動物が主役の小説はないと思うのであえて推させて頂きました。日本の誇りだと思います。(40代女性 神奈川県)

子供時代に読んだときと、大人になってから読んでもまた違った楽しみ方ができる一冊。家に飼ってる猫と照らし合わせて読んでしまう。暖かい気持ちになります。子供にも読ませたい一冊です。(30代女性 神奈川県)

猫を通じての人間への風刺、落語や講談調の文体や知識の豊富さ等若い者から年長者まで十分に読み応えがあります。いつになってもベストセラーである最高の読み物です。(60代男性 東京都)

●夏目漱石『吾輩は猫である

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推薦コメント

とにかく、疾風(オオカミ犬)がかっこ良い!(20代女性 神奈川県)

乃南アサさんの初めて読んだ本が『凍える牙』でした。切なくて切なくて……オオカミ犬が飼い主の深い悲しみを理解してくれるのです。。。この本が縁で乃南アサさんの本をむさぼり読みました。(40代女性 東京都)

ストーリーの巧みさ、緊張感と疾走感、魅力的な主人公の、一気に読ませる本です。そして、登場する人間の誰よりも話の核となる、オオカミ犬“疾風”。気品に満ち賢く、凛として自分の意思を貫き、深い悲しみを抱えている。“疾風”は、人間の愚かさを知らしめるために舞い降りてきて、駆け抜けていった犬のように思える、そんな1冊です。(60代女性 青森県)

●乃南アサ『凍える牙

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推薦コメント

高校生の時に、読書感想文用に読み始めた本。読み始めてすぐに、宿題など関係なく、どっぷりはまってしまいました。不思議な犬の愛らしさに心打たれます。(20代男性 千葉県)

ネコ派な僕ですが犬もいいなと思わせる泣ける一冊です。(30代男性 長崎県)

自分の人生の最後のほうをどのように生きていきたいか考える機会を与えてくれます。(40代男性 青森県)

●テリー・ケイ 兼武進『白い犬とワルツを

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推薦コメント

江國香織さんの短編。犬は飼ったことも飼うつもりもないが、犬というのはいいものだなと思った作品。(40代女性 宮崎県)

「デューク」が好きです。似たような設定としては『陽だまりの彼女』も面白かったですが。(40代女性 神奈川県)

江國香織『つめたいよるに』に所収の短篇小説「デューク」を推薦します。亡き愛犬への想いを描いた味わい深い作品です。大学入試センター試験の国語の試験にも使われ、試験中にもかかわらず涙を流す受験生が続出したそうです。(60代男性 岩手県)

●江國香織『つめたいよるに

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推薦コメント

動物はもちろん植物との交流が愉快です。主人公が動物と会話したり、気持ちを読み取ったりするくだりは、主人公が動物とのふれあいを特に驚いたりうろたえたりすることなく、当然のことのように接している様に思われます。それが読者を、奇妙で不思議なファンタジーの世界に入った様な気分にします。また、登場する動物も人間味があったり、一風変わった性格だったりしてシュールです。そんな動物や植物にわたしも会って会話してみたいです。(20代女性 神奈川県)

動物も植物もそれ以外のものも色々出てくるお話ですが、良く出来た犬のゴローが素晴らしい存在感です。(40代女性 兵庫県)

目次には植物名が28個並んでいるのですが、動物もしっかり出てきます。キツネや狸をはじめ、タツノオトシゴ、カワウソ、河童、人魚、小鬼……ってそりゃテーマ外ですよと言われそう。そうなんです。“物の怪”として出てきます。河童と仲良くなります。狸が恩返しをします。白木蓮がタツノオトシゴを孕むのです。まあ、お伽噺のような感じですが、読んでいて心がホッカリするのです。(60代男性 山口県)

●梨木香歩『家守綺譚

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こんなにも犬の視点から描かれた小説は他にないように思うからです。最後の方はずっと涙が止まりませんでした。(20代女性 宮城県)

原書を読み柴田元幸さんの翻訳を読んでいないのですが、犬の目線から大切な人との別れが語られていたと記憶しています。別離とどう折り合っていくのか、ミスター・ボーンズ(主人公の犬)の選択をどうとらえるか、語り口が淡々として、決してメソメソしてはいない分、余計にシビアに感じられました。推薦しておいてなんですが、別離を経験したばかりの人にはつらいかも……。(40代女性 東京都)

ポール・オースターは大好きな作家の一人です。ほとんどの作品は読んでいますが、この「ティンブクトゥ」は悲しいです、重たいです。読み終わってため息が出ました。でも、最後は希望なんでしょうか? よく解りません。(60代女性 奈良県)

●ポール・オースター 柴田元幸『ティンブクトゥ




推薦コメント

猫好きにはたまらない。あんな猫に囲まれていたい。(20代男性 富山県)

表紙の写真に衝撃を受けました! 初めて見たときにCGかと思いました…。中はたっぷりの猫と人間模様でただ猫写真を楽しむのでなく、いろいろと考えさせられる内容でした。表紙帯の岩合さんと猫の写真がほのぼので好きです。(30代女性 東京都)

●岩合光昭『ネコに金星



推薦コメント

人間から見るとシンプルで淡々とした猫の一生にも、実は様々なドラマがあるのでは? と考えさせられました。憎らしくも愛らしい猫たちの写真を見ながら、思わず笑ってしまったり、切ない気持ちになったり…。動物好き(特に猫)の方にはお勧めの一冊です。(20代女性 徳島県)

猫好きならすでに持っていると思いますが、数ある猫本の中でもTOP3に入る名作です! 岩合さんの写真に愛が溢れています!(40代女性 群馬県)

何と言っても岩合さんの撮る写真が愛らしい! 瞬間をとらえた海ちゃんと海ちゃんのファミリーが猫好きならずとも好きになる! と思う。殺伐としたニュースの多い昨今、家で猫は飼えなくても写真の猫たちに癒されましょう!!(50代女性 北海道)

●岩合光昭『海ちゃん―ある猫の物語―




 こんな風に薦められたら読まずにはいられない!! 熱いコメントが寄せられた本をピックアップ!



推薦コメント

江國香織さんが好きなので。小鳥ちゃんは彼女に嫉妬したりして、ちょっとわがままだけど可愛くって仕方ありません。読んだ人はきっと小鳥ちゃんと住みたくなるはず。子供にも大人にも楽しめるし、荒井良二さんのイラストもほんわかしてて大好きです。(30代女性 東京都)

挿絵もかわいらしく、江國さんの透明感のある文章ですぐに読めてしまうのですが、何度も読みたくなる一冊です。ことりちゃんのわがままさ、時折みせるさみしさが何ともいえず、ずっと手元に置いています。冬に読むのがお勧めです。(30代男性 北海道)

●江國香織『ぼくの小鳥ちゃん

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犬を飼ったことのない私が、犬って愛おしい生き物だと初めて思った1冊だから。Webで連載されていたのを、リアルタイムで読んでいたが、文庫本がでたとき、また読みたくなって手に取った。連載中も、江國香織さんと雨の穏やかな日々に癒されたが、手許においておける文庫本では、好きな時間に読めるので、穏やかに過ごしたい時に何度も読み返している。(30代女性 東京都)

江國氏の、犬との日常生活が淡々と描かれているのだが、雨への深い愛情が感じられるから。(40代女性 大阪府)

●江國香織『雨はコーラがのめない

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主人公ジュゼッペの同居人であるハツカネズミがとても魅力的。いつも何かにトリツカレてしまう主人公を優しく見守り、時には呆れたように現実を突きつけるのだけれどもそのテンポのいい毒には主人公への愛情があふれている。また、ハツカネズミと生活を共にし、会話を対等にする主人公が滑稽に見えないのもおもしろい。「人間ばなれした人間」と「ネズミ離れしたハツカネズミ」このアンバランスのバランスの良さには何度読んでも引き込まれてしまいます。(20代女性 神奈川県)

●いしいしんじ『トリツカレ男

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猫と人、一体となって疾走する。もつれ合いながら、この世の狭間を疾走する。読んでいて、目がくらくらする物語なんて初めてだ。そして、黒猫スタバの気持ちが良いくらいのねこっぷりときたら思わず、あぁ、猫だと口走ってしまう。猫と人と音楽を愛するすべての人に読んでもらいたい。(30代男性 岡山県)

●古川日出男『MUSIC




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てんでバラバラ、一風変わった人々が無人島に漂着し、笑ってしまうようなドタバタを繰り返しながらも生き延びていくこの物語で、人間のキャラクターでは描き得ない一つのスパイスを与えてくれていた、『カーゴ』という一匹の犬。まさに今日生きるか死ぬかの無人島生活で、最初は人々に飼われていたこの犬が、途中から姿を消し、人間には寄りつかぬ野生動物へと変わる。漂流前の愛玩動物としての『カーゴ』に最後まで執着していた少年の前で、生き物を血まみれになって貪り喰う姿や、人間に牙を剥き襲いかかる場面が描かれ、しかし最後にはその裏に隠された生物としての理由が明かされて、ユーモア満載だったこの小説を単なる喜劇として終わらせない役目を果たしていました。すごく印象に残っています。(20代女性 大阪府)

●荻原浩『オイアウエ漂流記

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子供のころからずっと何かしらが家にいた(かぶとむし、鳥、犬、猫など)。猫が亡くなって悲しみながら、いただいたところへ報告すると、ちょうどその頃子猫が生まれていた。また、せきせいいんこや亀が何故か家に訪ねてきて飼うことになったりなど不思議なことがいっぱいあった。もしかしてトビーのように転生の結果、家に来たのかもしれない。たいがい受け入れたが都会に突如現れた亀は近所の男の子が欲しがったのであげたが、また家出してうちに戻って来た。もう一度男の子に返したが再び家出して戻らなかった。それは猫の生まれ変わりだったりして…(40代女性 兵庫県)

●W・ブルース・キャメロン 青木多香子『野良犬トビーの愛すべき転生

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推薦コメント

動物と会話するというファンタジックな部分だけでなく、毒や風刺を盛り込んだドリトル先生の言葉、ストーリーが面白い。(40代女性 高知県)

子供のころ読んだだけでなく、大人になっても共感できる(40代女性 和歌山県)

●ヒュー・ロフティング 井伏 鱒二『ドリトル先生航海記』(岩波少年文庫)



推薦コメント

どことなく人間臭い部分がある三毛猫が主人公の推理系小説。相方の刑事が女性恐怖症の高所恐怖症で、血も苦手という情けない設定が物語を殺人事件であってもライトに読み進められる面白い作品。(20代女性 大阪府)

●赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』(角川文庫)




推薦コメント

何十年も前に読んだのですが、恐竜の子を巡る攻防と愛情が豊かに表現されています。エンターテインメント性が高く飽きさせない作品です。小中学生に読んでもらいたい。大人が読んでも面白い作品になっていると思います。(30代男性 千葉県)

今は亡き景山民夫の代表作と思います。少年とクーの友情が生き生きと描かれ、人間の絶望的な愚かさにも改めて気付かされます。(50代男性 三重県)

●景山民夫『遠い海から来たCOO』(角川文庫)



推薦コメント

昔、中学校か高校の時に、理科の先生から紹介され、動物の詳細な生態に興味を覚えた。(60代男性 千葉県)

いずれの作品も涙なくして読めないものばかり(60代男性 東京都)

●アーネスト・トムソン・シートン 清水 勝 阿部 知二『シートン動物記』(講談社青い鳥文庫)


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2013年02月20日   文庫セレクト
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