Yonda?Mail購読者の皆さん、こんにちは。
長年この仕事をしていてもびっくりするほど、唐突に売れ出す文庫作品があります。しかも書店の平台に並んでいる新刊ではなく、棚に1、2冊入っているだけの既刊の文庫が、ある日を境にそれまでの数十倍から数百倍の勢いで売れ始めるのです。
新聞に書評が載る、あるいは「王様のブランチ」で紹介されるというように、事前の情報が入っていれば思い悩むことはありません。ところが発行から数年、下手をすると数十年経った本が、何の前触れも無く突如売れ出すことがあるのです。これは最早ミステリー?
最近の例を挙げますと、泡坂妻夫さんの『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』が、11月6日になって突然に売れ出しました。一体何故? その原因を探ってみると……。
11月5日に放送された「ラジオ深夜便」で、スポーツ・コメンテーターの益子直美さんが、『しあわせの書』を「忘れられない1冊。私を変えた1冊」としてご紹介してくださったことが分かりました。
芸能界に入ったのに人前で喋れないことを悩んでいた益子さんが、友人にプレゼントされた『しあわせの書』を使って手品を披露し、話下手を克服していったという内容です。えっ、文庫本を使って手品??? そう、たぶん番組の聴取者も皆さんと同じように不思議に思ったことでしょう。
実は『しあわせの書』のストーリーに秘められたカラクリがそのまま手品のタネになるのです。実際に益子さんが演じた手品に驚いたアナウンサーは、その鮮やかさに「もう一度!」とお願いしたほど!
文庫本に隠されたこのカラクリは、読み進めないと分かりません。ぜひ、貴方も自らの目で確かめてみてはいかがでしょう。
ちなみにこちらで益子直美さんのトーク回が聞けます(12月9日まで)。『しあわせの書』に関する部分は、後半の7分30秒あたりから約10分間です。
http://www.nhk.or.jp/shinyabin/midnight.html