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医療小説界の風雲児の壮大なサーガ、完結!

『チーム・バチスタの栄光』で華々しくデビューして以来、海堂尊さんは12年間で20を超える長編小説を発表してきました。
 ファンの間ではよく知られていることですが、登場人物たちは作品を横断して登場しており、すべての小説が有機的に連関して大きな世界を形作っています。「海堂サーガ」、またはデビュー作以来の舞台となっている架空の街・桜宮市から「桜宮サーガ」とも呼ばれる作品群は、それぞれ地域医療、救急医療、終末医療、不妊治療など現在の医療が抱えるさまざまな問題に斬りこみながら、エンタメ度の高い物語として読者を魅了してきました。

海堂尊スカラムーシュ・ムーン

 このほど文庫版として刊行された『スカラムーシュ・ムーン』は、その海堂サーガの完結篇ともいうべき長篇で、解説の東えりか氏の言葉を借りるとこの作品をもって「医療の過去・現在・未来を描く巨大なジグソー・パズルのような世界がついに完成した」ことになります。

 新型インフルエンザをめぐる騒動を描いた前作『ナニワ・モンスター』に連なる本作は、インフルエンザ・ワクチンを題材に国家と医療という壮大なテーマに挑んでおり、完結篇にふさわしいスケールの物語に仕上がっています。

 サーガの人気キャラクターの1人で、スカラムーシュ=大ボラ吹きの異名をとる異端の医師・彦根新吾は、「ワクチン戦争」に勝利できるのか――医療小説の世界に革命的な新風を吹き込んだ海堂エンタメの、現時点での集大成をお楽しみください。

「三つの最強が火花を散らす」――冒険小説の新たな定番
 故郷からある秘密を抱えて日本に脱出したウイグル人亡命団とジャーナリスト仁科曜子が、白昼の東京で襲撃を受けた! ウイグル人の弾圧を続ける中国が抹殺を図ったのだ。
 重大事件が発生したにもかかわらず、日本国政府、警察機構は、一切動きを見せない。まさに絶体絶命の状況下、彼らを救う存在が現れる。

月村了衛影の中の影

「曜子を助けよ」という命を受けた武闘派暴力団・菊原組の精鋭たち。 そして、元警察官僚の頭脳を有し、最強の格闘技術〈システマ〉を会得した男=景村瞬一。凄腕ヤクザ。 "謎の男"景村。人民解放軍、闇の暗殺チーム・蝙蝠部隊。三つの最強が火花を散らす、ノンストップ・サスペンス&アクションが、ここに開幕する――。

 著者・月村了衛氏は「機龍警察」シリーズや『土漠の花』で知られる、エンターテインメント小説界の最注目作家。
「月村了衛の登場により日本の冒険小説は復活を遂げた」と語られる存在です。
 綿密にして大胆不敵、そして企みに満ちた長篇小説。新たな黄金時代の到来を本作『影の中の影』で体感してください。

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2018年03月15日   今月の1冊
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