2010年5月11日、東京地裁は、パロマ工業元社長と元品質管理部長に対して、有罪判決を言い渡しました。業務上過失致死傷罪です。1985年以降、パロマ工業製のガス湯沸かし器の不正修理により、28件の事故が発生、じつに21人が一酸化炭素中毒で死亡していました。安全対策を怠ったメーカーに、司法は厳しい判断を下したわけです。
これらの一連の事故が明るみに出たのは、2006年のことでした。
なぜ最初の事故から20年以上も経ってから、問題が発覚したのでしょうか? じつはそこには、息子を亡くした一人の母親の執念が生んだ、驚くべきドラマが隠されていました。その経緯を克明に追った一冊が
『君は誰に殺されたのですか―パロマ湯沸器事件の真実―』です。
当初、息子の死は病死として両親に伝えられていました。が、10年後、ふとしたことから取り寄せた死体検案書には「死因 一酸化炭素中毒」と記されていました。中毒? なぜ? どうして? 息子の死の真実が知りたい! 母親は行動を開始します。10年という月日が大きな障害として立ちはだかる中、母親の一途な思いは、ついには警視庁を再捜査へと動かし、そして21人の死の真相が明らかになっていきます……。あまりにもドラマチックな、入魂のドキュメント作品です。
(2010年5月17日)