5月17日の選考会の結果、第24回山本周五郎賞を受賞しました。
2011年本屋大賞2位、「本の雑誌」ベスト1の凄み
4月12日に発表された本屋大賞で本書は『謎解きはディナーのあとで』についで2位に選ばれました。1位とは僅差で、一部には実質的本屋大賞1位の声があるほどの力作です。
『
ふがいない僕は空を見た』は2009年に第8回
女による女のためのR-18文学賞の大賞を受賞した「
ミクマリ」に「
新潮ケータイ文庫」に掲載された3篇と書き下ろしの1篇を加えた連作短篇集。「ミクマリ」はかなり刺激的な内容ですが、話が進んでいくと単なる「性」だけでなく、不妊や出産の現場など「生まれてくる」ことの難しさや喜びを描き、最後には生きることの切実さ、哀しみ、そして力強さをまさに「聖」として表現しています。
声高に生を謳歌するのではなく、ふがいない自分を真正面から見つめて立ち直っていく主人公に共感を覚える読者が多いのではないでしょうか。
窪さんは4月16日に放映された「王様のブランチ」に出演した際、ライターとして妊娠、出産を主なテーマとして取り上げるなかで「必ずしもハッピーといえない話が溜まり、小説なら書けるのでは、と思った」と執筆の動機を語っていました。
初版5千部から、現在16刷6万部。5月17日に選考会が行われる「
山本周五郎賞」にもノミネートされました。
ともかくハートウォーミングなテイストを女性だけでなく男性にも味わって欲しいものです。
(2011年5月13日)