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{ 挑戦者からのコメント }
茂木健一郎さん(脳科学者)

Q1 クイズの正解率を教えてください。

50%、チャンスレベルでした……。
つまり、区別がついていないということで、チューリングテストに合格されてしまっていますね。

Q2 気に入ったコピー、あるいは、もっとも秀逸だと思ったコピーを教えてください。

「メノウの輝きとピアノの音色が、僕を苦しくさせる。」
いい感じで、人間のつややかな感性と、AIの鉱物感が混ざっています。

Q3 人間かAIか、悩んだコピーがあれば教えてください。

「AI LOVE YOU」
このような単純な文字列は、単純なAIなのか、人間の複雑な「なりすまし」なのか、区別がつきにくいと感じました。

Q4 AIの創造性、可能性について、どのようにお感じになりましたか。

AIの設計にもよりますが、コピーは比較的生成しやすい領域だと思います。
それでも、「微妙な違和感」とか「論理のひんやり感」が伝わってきた方がAIだという仮説の下、選択を重ねていきましたが、結果として50%だったということは、つまり、「微妙な違和感」とか「論理のひんやり感」は、人間にも感じるものなのかもしれません。

Q5 これからの社会において、あるいは個人として、AIの進化に期待されることは何ですか。

AIは、人間の鏡ですが、その鏡の向こうに突き抜けると、今まで見たことがない異世界を垣間見ることになるのではないかと思い、その可能性に胸を踊らせています。

Q6 キャッチコピーから、どのような本の内容を想像されましたか。

AIと人間の純愛物語が、ポストシンギュラリティの空に存在の耐えられない重さ/軽さの虹をかけるのではないかと思いました。
AIの関与するエンタテインメントは、今後、異次元のレベルに進化するのではないかと思います。

Q7 このキャンペーンについてのご感想をご自由にどうぞ。

このようなキャンペーンが、甘美な認知的罠であったら、素敵な未来がやってくるのではないか。

『はるか』宿野かほる
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