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特集 海外の長篇小説ベスト100

考える人 2008年春号

(季刊誌 年4回発売)

1,440円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/04/04

発売日 2008/04/04
JANコード 4910123050584
価格 1,440円(税込)
▼ 特集[海外の長篇小説ベスト100]

ロングインタビュー 丸谷才一
長篇小説はどこからきてどこへゆくのか

ロングインタビュー 池澤夏樹
長篇小説とは、「完結する」ものである

特別寄稿 デイヴィッド・ロッジ
わたしの好きな10の長篇

海外の長篇小説ベスト100
第1位「百年の孤独」第2位「失われた時を求めて」第3位「カラマーゾフの兄弟」第4位「ドン・キホーテ」第5位「城」第6位「罪と罰」第7位「白鯨」第8位「アンナ・カレーニナ」第9位「審判」第10位「悪霊」第11位「嵐が丘」第12位「戦争と平和」第13位「ロリータ」

海外の長篇小説ベスト100全リスト

101位以下のランキング

大アンケート 私の「海外の長篇小説ベスト10」

検証座談会 青山南、加藤典洋、豊崎由美
意外だ。惜しい。あ、忘れてた!

対談 鶴見俊輔×高野文子
「チボー家の人々」と「黄色い本」

エッセイ 私の一冊
河野多惠子 「虚栄の市」
川上弘美 「モンテ・クリスト伯」
いしいしんじ 「白痴」
小野寺健 「自負と偏見」
高山文彦 「八月の光」

各国のベスト100、ベスト50

ブック・ボーナス
「コンゴ・ジャーニー」レドモンド・オハンロン


▼ High thinking

万物流転(24) / 養老孟司
宗教の現代

日本の身体 第二回 / 聞き手・内田樹
【治療者】池上六朗

渡りの足跡(8) / 梨木香歩
渡りの先の大地1

偶有性の自然誌 第二回 / 茂木健一郎
何も死ぬことはない

月日の残像(14) / 山田太一
抜き書きのノートからII

考える短歌(21) / 俵万智

仏典を読もう 第十回 / 末木文美士
贈与する他者――親鸞『教行信証』

インタビュー 宮内嘉久さん / 黒川創
建築ジャーナリズムの道を六十年。

考えない(24) / 宮沢章夫
このロールケーキ、うまいんだ。

チキュウズィン(0035-0038) / 木内達朗


▼ Plain living

季節には味がある / 料理・西塚茂光 平松洋子
最終回 春 白魚と筍

イラスト・ルポ / 長崎訓子
西へ。教会を巡る旅。

私の暮らしかた 第十回 / 大貫妙子
眠らないテレビ

みちくさ絵本(12) モクレン / おーなり由子

娘と私(15) 片付かない / さげさかのりこ

六十歳になったから / 山川みどり
最終回 なんだ坂、老いの坂

考える手(22) 染織
「染司よしおか」の植物染


▼ Graphic special

琵琶湖水系の旅(7) 春の浅瀬 / 今森光彦

動物たちの惑星 第三回[アフリカ] / 岩合光昭

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

考える人とは?

産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースは plain living, high thinking(=シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)という言葉を書き遺しました。工業化と都市化の急速な進展のなかで、イギリス人が本来持っていたはずの plain living, high thinking を人々が失いつつあるのではないか、とワーズワースは感じ、嘆いたのです。

 ちょうどその頃、ロンドンに留学していた夏目漱石も、イギリス人が環境汚染に悩まされ、都市生活がもたらす不安とストレスにさらされる様子を見て、そこに日本人の未来像を予感していました。

 私たちの暮らしも生き方も、産業革命後の世界の上に成り立っています。さらに、IT革命という新しい大きな変革の波の上に私たちは浮遊しています。漱石の予感を上回る変化のなかで、私たちは生きているのです。

 暮らしにはモノも情報も溢れている。私たちが日々のなかで「考えている」のは、ほんとうに自分が考えたことなのか、疑い始めるとなんだか怪しくなってくることもあります。溢れる情報の何を選択し、何を捨てるのか。暮らしに大切なこと、不要なモノをどう判断すればいいのか。大きな変革の波は、私たちの生活に、頭のなかに、じわじわとしみこみ始めています。その大きな波のなかで自分の船をどのように漕ぎ出せばいいのか、途方に暮れることも少なくありません。

 ものの考え方と暮らしはウラとオモテのようなもの。暮らしぶり、生き方と無縁の「ものの考え方」はないはずですし、「ものの考え方」はその人の日常から切り離すことはできないはずです。plain living があってこその high thinking であり、high thinking あってこその plain living なのです。

 私たちは今ふたたび、ワーズワースの言葉を頼りにして、自分の頭で考える力を問い、シンプルな暮らしを考えるべき時間と場所へたどり着いたのかもしれません。

 たまにはテレビを消して、身の回りも整理して、一人の「わたし」に戻り、自分の言葉と生活を取り戻したい。溢れるモノや情報をいったんせき止めて、ひと息つきたい。思考する頭に新鮮な空気を送り込みたい。そんなあなたのために用意する、小ぶりの静かな部屋に季刊誌「考える人」はなりたい、と考えています。

創刊編集長 松家仁之(まついえ・まさし)