編集長からのご挨拶 登場するのはこんな人々です 小林秀雄賞の発表舞台として

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梨木香歩 著作(単行本)
からくりからくさ

生命を支える新しい絆を深く心に伝える書下ろし長編小説。

古い祖母の家。草々の生い茂る庭。染め織りに心惹かれる四人の娘と不思議な人形にからまる縁。何かを探すためでなく、ただ日常を生き抜くために……。

四六判/382ページ/1,680円(定価)/ISBN:978-4-10-429901-0

作家自作を語る


春になったら莓を摘みに

忘れないでいて。かけがえのない場所、かけがえのない人のことを。今、読みたい一冊。

児童文学者の著者が英国で二十代の学生時代を過ごした下宿の女主人ウェスト夫人や様々な人種の住人たちとの騒動だらけだがとびきりの日々。夫人の「理解はできないが受け容れる」徹底した博愛精神と時代に左右されない手仕事や暮らしぶりは、生きる上で大事なことをそっと心に落としてくれる。この時代に静かな共感を呼ぶ九章。

四六判/190ページ/1,365円(定価)/ISBN:978-4-10-429902-7

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子ども部屋をでて(神沢利子)【書評】

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家守綺譚

庭・池・電燈付二階屋、汽車駅近接、四季折々草花鳥獣仔竜小鬼人魚亡友等数多。

それはついこの間、ほんの百年前の物語。サルスベリの木に惚れられたり、飼い犬は河童と懇意になったり、庭のはずれにマリア様がお出ましになったり、散りぎわの桜が暇乞いに来たり。と、いった次第のこれは、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねている新米知識人の「私」と天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録――。

四六判変型/158ページ/1,470円(定価)/ISBN:978-4-10-429903-4

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ぐるりのこと

もっと深く、ひたひたと考えたい。生きていて出会う、一つ一つを、静かに、丁寧に。

イギリスのセブンシスターズの断崖でドーバー海峡の風に吹かれながら友と交わした会話、トルコのモスクでのへジャーブをかぶった女たちとの出会い、イラク戦争の衝撃、少年少女による殺害事件への強い思い――喜びも悲しみも深く自分の内に沈めて、今いる場所から考えるエッセイ。

四六判/172ページ/1,365円(定価)/ISBN:978-4-10-429904-1

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沼地のある森を抜けて

はじまりは「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床がうめくのだ――。待望の書下ろし長篇小説。

叔母が死んで、久美は代々伝わるというぬか床を世話することになった。そのぬか床に、得体の知れない卵が出現。いったい何が起こっているの? 久美は酵母研究者の風野さんを伴い、ぬか床由来の故郷の島を訪ねる。増殖する命、連綿と息づく想い……。解き放たれてたったひとりの自分を生き抜く力とは?

四六判変型/410ページ/1890円(定価)/ISBN:978-4-10-429905-8

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〈緑〉の生命観(塚谷裕一)【書評】
沼地のある森を抜けて(梨木香歩)【インタビュー】

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梨木香歩 著作(新潮文庫)
裏庭〈児童文学ファンタジー大賞受賞〉

フー・アー・ユー誰だい、君は? テル・ミー教えて、私に。アイル・テル・ユー教えよう、君に──。秘密の裏庭から始まる孤独な魂の冒険。

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた──教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。

新潮文庫/620円(定価)/ISBN:978-4-10-125331-2

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西の魔女が死んだ

大好きなおばあちゃんは本物の魔女。生きる力も本物だった──。それからの物語「渡りの一日」併録。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

新潮文庫/420円(定価)/ISBN:978-4-10-125332-9

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からくりからくさ

「ここにはないなにか」を探そうとしないで。ここが、あなたの場所。

祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして──。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。

新潮文庫/620円(定価)/ISBN:978-4-10-125333-6

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りかさん

「彼女」と一緒なら、きっと大丈夫。書下ろし「ミケルの庭」併録。

リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから贈られたのは黒髪の市松人形で、名前がりか。こんなはずじゃ。確かに。だってこの人形、人と心を通わせる術を持っていたのだ。りかさんに導かれたようこが、古い人形たちの心を見つめ、かつての持ち主たちの思いに触れた時――。成長したようことその仲間たちの、愛と憎しみと「母性」をめぐる書下ろし「ミケルの庭」併録。

新潮文庫/500円(定価)/ISBN:978-4-10-125334-3

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エンジェル エンジェル エンジェル

わたしはひどいことをしました。神さまはわたしたちをおゆるしになるでしょうか――。

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受け ることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。

新潮文庫/380円(定価)/ISBN:978-4-10-125335-0

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作家自作を語る

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春になったら莓を摘みに

そうだ。共感してもらいたい。つながっていたい。分かり合いたい。うちとけたい。納得したい。私たちは本当はみな。

「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靱な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける――物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。

新潮文庫/420円(定価)/ISBN:978-4-10-125336-7

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梨木香歩(なしき・かほ)

1959(昭和34)年、鹿児島生れ。英国に留学、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事。『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞を受賞。他の作品に『丹生都比売(におつひめ)』『家守綺譚』『春になったら莓を摘みに』絵本『ペンキや』『蟹塚縁起』『マジョモリ』『ワニ』など。