裏庭〈児童文学ファンタジー大賞受賞〉
フー・アー・ユー誰だい、君は? テル・ミー教えて、私に。アイル・テル・ユー教えよう、君に──。秘密の裏庭から始まる孤独な魂の冒険。
昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた──教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。
新潮文庫/620円(定価)/ISBN:978-4-10-125331-2

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西の魔女が死んだ
大好きなおばあちゃんは本物の魔女。生きる力も本物だった──。それからの物語「渡りの一日」併録。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
新潮文庫/420円(定価)/ISBN:978-4-10-125332-9
■立ち読み |
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からくりからくさ
「ここにはないなにか」を探そうとしないで。ここが、あなたの場所。
祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして──。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。
新潮文庫/620円(定価)/ISBN:978-4-10-125333-6
■立ち読み
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りかさん
「彼女」と一緒なら、きっと大丈夫。書下ろし「ミケルの庭」併録。
リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから贈られたのは黒髪の市松人形で、名前がりか。こんなはずじゃ。確かに。だってこの人形、人と心を通わせる術を持っていたのだ。りかさんに導かれたようこが、古い人形たちの心を見つめ、かつての持ち主たちの思いに触れた時――。成長したようことその仲間たちの、愛と憎しみと「母性」をめぐる書下ろし「ミケルの庭」併録。
新潮文庫/500円(定価)/ISBN:978-4-10-125334-3
■立ち読み
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エンジェル エンジェル エンジェル
わたしはひどいことをしました。神さまはわたしたちをおゆるしになるでしょうか――。
コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受け ることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。
新潮文庫/380円(定価)/ISBN:978-4-10-125335-0
■立ち読み
■作家自作を語る
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春になったら莓を摘みに
そうだ。共感してもらいたい。つながっていたい。分かり合いたい。うちとけたい。納得したい。私たちは本当はみな。
「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靱な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける――物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。
新潮文庫/420円(定価)/ISBN:978-4-10-125336-7
■立ち読み
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梨木香歩(なしき・かほ)
1959(昭和34)年、鹿児島生れ。英国に留学、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事。『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞を受賞。他の作品に『丹生都比売(におつひめ)』『家守綺譚』『春になったら莓を摘みに』絵本『ペンキや』『蟹塚縁起』『マジョモリ』『ワニ』など。
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