宮本武蔵(全20巻)
“話芸の神様”徳川夢声が生涯をかけて朗読に取り組んだ「宮本武蔵」。
1961年からラジオ放送された、夢声話芸の集大成ともいえる幻の朗読をCD化。[解説小冊子付]

“話芸の神様”徳川夢声の幻の名朗読がいま蘇る
国民の書として親しまれた吉川英治の『宮本武蔵』。この作品を徳川夢声が一人で朗読したものが、1961年から1年10ヵ月間、ラジオ関東(現在のラジオ日本)で放送されました。さらに1971年にはラジオ関東開局15周年を記念し、この朗読が100枚組のレコードとして発売されました。今回はこのレコード原盤を一部編集し、CDとして刊行致します。

CD全77枚、原作の約85%を朗読
本CDは、レコード原盤で重複している部分を削除するなど一部編集を加え、CD77枚、約90時間にまとめたものです。ところどころ物語を省略したり、要約したりしている部分があるため、朗読は原作の約85パーセントとなっています。


※原盤老朽化のため、若干お聞き苦しい点がございます。一部に転写(同じ音が小さく繰り返される現象)や雑音(原盤のキズ、磁気の影響)などがありますことをあらかじめご了承ください。
 




CD20巻(朗読CD77枚)を特製木箱に収納。


解説小冊子(B5判・64頁)を添付。原作本はついていません。


 吉川英治が『宮本武蔵』を新聞紙上に連載したのが、1935(昭和10)年8月から約4年間。当初200回ぐらいの予定で始めた連載は、いつしか日本中の反響を呼び、ついには1000回を越える長編時代小説として完成しました。この剣豪の魂を描いた大作は、吉川文学の代表傑作であるとともに、その後の時代小説に大きな影響を与えたことはいうまでもありません。しかし、この『宮本武蔵』が日本人にとって国民文学とまで評されるようになったのは、小説自体の魅力もさることながら、さらにもうひとつの大きな要因があったからだといえないでしょうか。
 それが、あの“話芸の神様”徳川夢声の朗読です。娯楽の中心がラジオであった時代、徳川夢声は、ライフワークとして『宮本武蔵』の全巻朗読に取り組みました。ラジオ関東(現在のラジオ日本)で1961(昭和36)年12月から1963(昭和38)年9月まで放送された『宮本武蔵』朗読は、実に550回におよぶ空前絶後の長編朗読番組として、多くの吉川ファン、夢声ファンに深い感銘を与えました。
 文学の領域を越え、映画、舞台などでも広く人々に親しまれた作品は数多くあります。もちろん『宮本武蔵』もそのひとつです。しかし、ラジオ全盛時代に朗読という表現分野にまで及んで人々に愛された作品は『宮本武蔵』をおいて他にはありません。
 小社はこの度、この貴重な歴史的遺産ともいえる朗読の名盤をCDとして刊行することにいたしました。ひとりでも多くの方々に、往年の夢声の至芸を懐かしく思い起こしていただけることを願ってやみません。

新潮社

宮本武蔵(全20巻)
吉川英治/原作、徳川夢声/朗読

“話芸の神様”徳川夢声が生涯をかけて朗読に取り組んだ「宮本武蔵」。1961年からラジオ放送された、夢声話芸の集大成ともいえる幻の朗読をCD化。[解説小冊子付]〈おことわり〉原盤老朽化のため若干お聞き苦しい点がございます。一部に転写や雑音などがありますことを予めご了承ください。

ISBN:978-4-10-830121-4 発売日:2002/12/10

おすすめの一冊

238,857円(価格)
プロフィール
【朗読】

徳川夢声 トクガワ・ムセイ

(1894-1971)島根県益田生れ。本名福原駿雄。東京府立一中を卒業後、活動写真弁士となる。1915(大正4)年より“徳川夢声”を名乗る。独特のリアルな語り口で一世を風靡した。トーキーの時代を迎えると、漫談家、俳優、文筆家として活躍。1939(昭和14)年、ライフワークとなる吉川英治原作『宮本武蔵』を初めてラジオで朗読する。戦後は日本初のラジオのクイズ番組「話の泉」(NHK)への出演のほか、テレビにも進出。いくつものレギュラー番組を抱える。著作も次々と刊行され、当時では珍しいマルチタレントとして圧倒的な存在感を示した。1950年に第1回NHK放送文化賞、1955年には菊池寛賞を受賞。1957年紫綬褒章、1967年勲四等旭日小綬章受章。

【原作者】

吉川英治 ヨシカワ・エイジ

(1892-1962)神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章。『三国志』『宮本武蔵』『新・平家物語』『私本太平記』など、その著作は200を越える。

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    ISBN:978-4-10-115467-1  C-CODE:0193  発売日:2013/07/29

    693円(定価) 購入


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    ISBN:978-4-10-115468-8  C-CODE:0193  発売日:2013/08/28

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    ISBN:978-4-10-830184-9  C-CODE:0893  発売日:2006/08/30

    3,300円(価格) 購入


    宮本武蔵名場面集 第二集

    〈朗読の神様〉徳川夢声がライフワークとして取り組んだ朗読「宮本武蔵」より名場面を抜粋して収録。第二集は「槍の宝蔵院にて」から「美剣士小次郎の登場」まで。

    ISBN:978-4-10-830185-6  C-CODE:0893  発売日:2006/08/30

    3,300円(価格) 購入


    宮本武蔵名場面集 第三集

    徳川夢声が生涯をかけて取り組んだ朗読の集大成「宮本武蔵」から物語中盤の名場面を抜粋して収録。第三集は「対決、吉岡清十郎」から「伝七郎との果し合い」まで。

    ISBN:978-4-10-830186-3  C-CODE:0893  発売日:2006/09/27

    3,300円(価格) 購入


    宮本武蔵名場面集 第四集

    武蔵はいよいよ吉岡一門との雌雄を決することになる。徳川夢声の至芸がいよいよ冴える名場面。第四集は「一乗寺下がり松」から「権之助、母の杖」まで。

    ISBN:978-4-10-830187-0  C-CODE:0893  発売日:2006/09/27

    3,300円(価格) 購入


    宮本武蔵名場面集 第五集

    武蔵は旅の途中で不思議な少年・伊織に出会う。その後、武蔵が繰り広げる闘いの数々……。第五集は「伊織の弟子入り」から「梅軒との死闘」まで。

    ISBN:978-4-10-830188-7  C-CODE:0893  発売日:2006/10/25

    3,300円(価格) 購入


    宮本武蔵名場面集 第六集

    武蔵と小次郎はついに巌流島で対決することになる。徳川夢声絶品の朗読で奏でる世紀の一大決戦。第六集は「宿敵、佐々木小次郎」から「巌流島の決闘」まで。

    ISBN:978-4-10-830189-4  C-CODE:0893  発売日:2006/10/25

    3,300円(価格) 購入