波 2007年5月号
(毎月27日発売)
発売日 | 2007/04/25 |
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JANコード | 4910068230577 |
定価 | 105円(税込) |
菅野昭正/欲望の虜になった女たち
池澤夏樹『きみのためのバラ』
大竹昭子/移動がもたらす奇跡のような出会い
金原ひとみ『ハイドラ』
永江 朗/彼女が痩せている理由
池上冬樹/どんでん返しの快作ぞろい
今野 敏『果断 隠蔽捜査2』
北芝 健/文化人類学者たる今野敏
保科昌彦『生還者』
香山二三郎/謎仕掛けも凝らされた被災者ホラー
新潮社編『人生の鍛錬―小林秀雄の言葉―』
池田雅延/批評は引用に尽きるのだ
牧山桂子『次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家―』
青柳恵介/思い切り生きた二人の衣食住
上村幸治/誰も書けなかった「中国の現在」に挑んだ力作
柳田邦男『人の痛みを感じる国家』
池澤夏樹/五感で捕らえる世界
中森明夫『アイドルにっぽん』
宇多丸/アイドル・ネバー・ダイ
「考える人」―アンソロジーで世界短篇旅行
新潮文庫の海外エンタテインメント
とんぼの本編集部通信
花村萬月/百万遍 流転旋転 第5回
赤川次郎/ドイツ、オーストリア旅物語 第26回
宮城谷昌光/古城の風景 第47回 横須賀城
日高敏隆/猫の目草-国連IPCCの報告書
保阪正康/即位と崩御 第5回
北原亞以子/父の戦地 第8回
大平 健/治療するとカワイクなります。 第10回
佐野洋子/シズコさん 第17回
木田 元/反哲学入門 第12回
山本一力/研ぎ師太吉 最終回
・編集室だより ・新潮社の新刊案内 ・編集長から ・カット:水上多摩江
編集長から
第六回「女による女のためのR-18文学賞」の最終選考会が先日行われ、山本文緒氏、角田光代氏、そして今回から新たに加わった唯川恵氏の討議によって、優秀賞に、三日月拓さんの「シーズンザンダースプリン♪」が選ばれ、女性読者限定のクリック投票で選ばれる読者賞は、石田瀬々さんの「ラムネの泡と、溺れた人魚」に決まりました。最終候補作の選評は、新潮社ホームページに掲載されています。そちらで御覧ください。
「女による女のためのR-18文学賞」に応募して下さった方、クリック投票に参加して下さった方々、どうもありがとうございました。今後ともR-18文学賞をどうぞよろしくお願い致します。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
波とは?
1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。
創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。
創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。
現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。