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特集[村上春樹/新訳・新装版 刊行記念]

波 2008年3月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/02/27

発売日 2008/02/27
JANコード 4910068230386
定価 105円(税込)

特集[村上春樹/新訳・新装版 刊行記念]
トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』
鴻巣友季子/本家アメリカにウィンクを

ジム・フジーリ『ペット・サウンズ』(新潮クレスト・ブックス)
【著者インタビュー】ジム・フジーリ/『ペット・サウンズ』は音楽版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だ

村上春樹『雨天炎天』
小崎哲哉/「まるっきり別の世界」への旅

村上春樹『辺境・近境』
松村映三/ランナー春樹さんとの旅

阿川佐和子『婚約のあとで』
北上次郎/世界は女性が動かしている!?

宮木あや子『白蝶花』
吉田伸子/待つしかなかった女たちの一途な想い

斎藤由香『猛女とよばれた淑女―祖母・齋藤輝子の生き方―』
兼高かおる/淑女の品格

エンリーケ・ビラ=マタス『バートルビーと仲間たち』
柴田元幸/不思議な「友達の輪」

大野 芳『8月17日、ソ連軍上陸す―最果ての要衝・占守島攻防記―』
加藤 仁/あくなき懐疑心にもとづく事実の検証

小澤征良『そら いろいろ』
松田哲夫/拝啓 小澤征良さま

辻 桃子『あなたの俳句はなぜ佳作どまりなのか』
辻 桃子/俳句って、やっぱりたのしい

小塩 節『銀文字聖書の謎』(新潮選書)
川島重成/ゴート人による「神(クズ)」発見の物語

山崎光夫『老いてますます楽し―貝原益軒の極意―』(新潮選書)
小曽戸 洋/健康と人生の達人

平松洋子『夜中にジャムを煮る』
栗田有起/この手でつくる美しさ

イアン・マキューアン『贖罪』(新潮文庫)
豊崎由美/原作を携え、映画館へGOのこと!

前田高行『アラブの大富豪』(新潮新書)
前田高行/「アブダラー」で読み解く世界

特集:『黄金の羅針盤』の魅力
【特別対談】村山由佳×小谷真理/大人が読むからこそおもしろい!

コラム
新潮文庫の海外エンタテインメント

連載
【新連載】鹿島 茂/パリの日本人
東 直子/薬屋のタバサ 第7回
秋山 駿/忠臣蔵 第6回
松久 淳+田中 渉/あの夏を泳ぐ 天国の本屋 第6回
池谷伊佐夫/古本つれづれ草 第9回
日高敏隆/猫の目草-蝶の保全
桶谷秀昭/素人の読む『資本論』 第2回
宮城谷昌光/古城の風景 第57回 堀越御所
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(7)
保阪正康/即位と崩御 第15回
西村 淳/身近な物で生き残れ! 第7回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第15回

・編集室だより ・新潮社の新刊案内

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、村上春樹氏。この二十九日に、新訳二冊、新装版三冊の計五冊が刊行されます。
 新訳二冊のうちの一冊は、トルーマン・カポーティのロング・セラー『ティファニーで朝食を』。もう一冊は、新潮クレスト・ブックスとして刊行される、ジム・フジーリ『ペット・サウンズ』(「ペット・サウンズ」は、ビーチ・ボーイズの最高傑作アルバムのタイトル)。新装版は、『雨天炎天』『辺境・近境』『うずまき猫のみつけかた』の三冊です。
◇今年、二〇〇八年は、モンゴメリの名作シリーズ第一作『赤毛のアン』が、はじめてカナダで刊行されてから、ちょうど一〇〇年にあたります。これを機に、現在、『赤毛のアン』をはじめシリーズ全十巻を、文字が大きくなって読みやすくなった〈新装版〉で刊行中です。
『アン』誕生一〇〇年を記念して、「『アン誕生一〇〇周年記念』感想文コンテスト」を実施します。新潮文庫『アン』シリーズ全十冊の中から一冊をお読み戴き、感想文をお送り下さい。最優秀賞の受賞者は、あの「アンの島」、カナダのプリンス・エドワード島にご招待します。詳しくは新潮社ホームページ内のhttp://www.shinchosha.co.jp/anne100を御覧下さい。沢山の応募をお待ちいたしております。
◇今月号より、鹿島茂氏の新連載「パリの日本人」が始まります。
◇応募資格も、選考する委員も、選考に関わる編集者も、すべて女性というユニークな文学賞、「第7回女による女のためのR-18文学賞」の最終候補作六作が決まりました。
 現在、「R-18読者賞」を決定するための読者クリック投票を、新潮社ホームページ「R-18文学賞」内の読者投票の頁で、三月十日午後五時まで受け付けています。男性の方には申し訳ありませんが、こちらも女性読者限定です。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。