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特集[海堂 尊『ジーン・ワルツ』刊行記念]

波 2008年4月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/03/27

発売日 2008/03/27
JANコード 4910068230485
定価 105円(税込)

特集[海堂 尊『ジーン・ワルツ』刊行記念]
【対談】東 えりか×海堂 尊/桜宮サーガの先へ
那須優子/現役医師の「最後の切り札」

唯川 恵『とける、とろける』
温水ゆかり/楽園と地獄をさまよう九人のイヴたち

加賀乙彦『雲の都―第三部 城砦―』
宮内勝典/あゝ、季節よ、城よ、

黒川 創『かもめの日』
沼野恭子/「交信」と「かもめ」のモチーフ

高田 侑『フェイバリット』
松田哲夫/上質なおとなのラブコメ

神永 学『タイム・ラッシュ―天命探偵 真田省吾―』
川本三郎/疾走するミステリ

椎根 和『popeye物語』
中野 翠/夢の雑誌、雑誌の夢

中村智志『大いなる看取り―山谷のホスピスで生きる人びと―』
芹沢俊介/奇跡と呼んでいい愛の誕生

永瀬隼介『黒龍江省から来た女』
西上心太/地道な調査で拾い集めた「事実」

ウィリアム・トレヴァー『密会』(新潮クレスト・ブックス)
イーユン・リー/名匠の深いまなざし

岡田暁生『恋愛哲学者モーツァルト』(新潮選書)
三浦雅士/十八世紀の大小説家、発見!

河合祥一郎『謎ときシェイクスピア』(新潮選書)
小森 収/演劇探偵の決意表明

城山三郎『無所属の時間で生きる』『本当に生きた日』(新潮文庫)
高山文彦/もう一度読み返す城山文学

名越健郎『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)
名越健郎/ロシア・ジョークの腕前

コラム
三橋 曉の海外エンタ三つ巴
とんぼの本編集部通信
「考える人」-海外の長篇小説ベスト100を選ぶ

連載
松久 淳+田中 渉/あの夏を泳ぐ 天国の本屋 第7回
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(8)
鹿島 茂/パリの日本人 第2回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第16回
池谷伊佐夫/古本つれづれ草 第10回
日高敏隆/猫の目草-春を探して
宮城谷昌光/古城の風景 第58回 徳倉(戸倉)城
桶谷秀昭/素人の読む『資本論』 第3回
西村 淳/身近な物で生き残れ! 第8回
保阪正康/即位と崩御 第16回
秋山 駿/忠臣蔵 第7回
東 直子/薬屋のタバサ 第8回

編集室だより 新潮社の新刊案内

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、エンターテインメント界の新星、海堂尊氏。二〇〇五年、『チーム・バチスタの栄光』で、第四回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。同作は今年二月に竹内結子と阿部寛の主演で映画化され、累計三〇〇万部を超えるヒットを記録。現役の医師でありながらデビュー以来約二年で九作を上梓するという多作ぶりで、小社より発売中の『ジーン・ワルツ』は十作目にあたります。
『ジーン・ワルツ』は大学の医学部と潰れかけの小さな産婦人科を舞台にした最先端医療ミステリー。美貌の女医・理恵をはじめとする魅力的な登場人物たちをはじめ、現役の医師だからこそ書ける医療現場のリアリティをお楽しみください。ちなみに表紙のカルテは海堂氏の勤務先で使われているのと同じものです。
◇酒見賢一、鈴木光司、畠中恵、森見登美彦氏など、数々のベストセラー作家を生み出してきた日本ファンタジーノベル大賞(主催/読売新聞社・清水建設 後援/新潮社)が、今年で第二十回を迎えました。
 四月一日より、作品の募集が開始されます。応募の締め切りは、四月三十日(当日消印有効)。プロ・アマ問わず、自作未発表の創作ファンタジー小説で、原稿枚数は四百字詰め原稿用紙三百から五百枚程度。大賞、優秀賞の受賞作は、新潮社より単行本として刊行されます。選考委員は、荒俣宏、井上ひさし、小谷真理、椎名誠、鈴木光司の各氏です。
 応募方法は、作品に原稿用紙五枚程度の梗概を添付の上、住所、氏名(ペンネームの場合は本名も)、年齢、性別、職業(学校名・学年)、電話番号を明記して、〒162‐8711 東京都新宿区矢来町71新潮社内「日本ファンタジーノベル大賞」係まで、ご郵送下さい。なお、詳しくは新潮社ホームページ「新潮社の文学賞」の頁で御覧下さい。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。