ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:波 > 雑誌詳細:波 2008年8月号

特集〔山本文緒『アカペラ』刊行記念〕

波 2008年8月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/07/27

発売日 2008/07/27
JANコード 4910068230881
定価 105円(税込)

特集〔山本文緒『アカペラ』刊行記念〕
【インタビュー】山本文緒/6年ぶり待望の小説集「書ける快感、嘘つく歓喜」
北上次郎/山本文緒健在なり。

〔舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』刊行記念特別寄稿小説〕
舞城王太郎/名探偵巴里谷超丸の二〇〇八年七月

畠中 恵『いっちばん』
【インタビュー】畠中 恵/ホームグラウンドで新たな物語を紡ぐ

松久淳+田中渉『あの夏を泳ぐ 天国の本屋』
伊藤清彦/涙の読者カード

蓮見圭一『八月十五日の夜会』
鵜飼哲夫/殺し、殺される者の形相

〔北原亞以子『父の戦地』刊行記念対談〕
檀 ふみ×北原亞以子/葉書に込められた父の思い

リチャード・パワーズ『われらが歌う時(上・下)』
若島 正/音楽としての家族年代記

テス・ギャラガー『ふくろう女の美容室』(新潮クレスト・ブックス)
日和聡子/静かな祈りと意志に満ちた作品集

門田隆将『なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日―』
土師 守/本当に頑張ってきましたね、お疲れさま。

城山英巳『中国臓器市場』
萩原正人/無邪気に生きたいと思った、あの頃

ひろさちや『やまと教―日本人の民族宗教―』(新潮選書)
釈 徹宗/日本人の生き方を再構築する

立川昭二『年をとって、初めてわかること』(新潮選書)
岸本葉子/あたたかで清々しい、老いの案内

岡田正彦『がん検診の大罪』(新潮選書)
小松秀樹/因果関係を見極める難しさ

井上寿一『昭和史の逆説』(新潮新書)
井上寿一/スティーヴン・キングが書く昭和史?

中原みすず『初恋』(新潮文庫)
原田芳雄/時代の私生児たち

コラム
考える人-フィクションと人生と
とんぼの本編集部通信
豊崎由美/新潮クレスト・ブックス創刊10周年に寄せて
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖
東 直子/薬屋のタバサ 第12回
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(12)
桶谷秀昭/素人の読む『資本論』 第7回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第20回
日高敏隆/猫の目草-アゲハチョウのプログラム
秋山 駿/忠臣蔵 第11回
保阪正康/即位と崩御 第20回
宮城谷昌光/古城の風景 第62回 葛山城
鹿島 茂/パリの日本人 第6回
西村 淳/身近な物で生き残れ! 最終回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、七月十八日に六年ぶりに小説集『アカペラ』を刊行した山本氏。巻頭には山本氏のインタビュー、北上次郎氏の書評が掲載されています。なお表紙のイラストは、伊藤絵里子氏の単行本装画を使用しました。
◇先号まで小誌に連載されていた『あの夏を泳ぐ 天国の本屋』が七月十八日に発売されました。その刊行を記念して、イラストレーションを担当された田中渉さんの個展「田中渉展」が開催されます。連載時に使用したイラストをはじめ、今展のための描き下ろしなど五十点の新作が勢ぞろい。見応えある個展です。この「田中渉展」は、八月十二日(火)から二十一日(木)まで、東京・新宿の紀伊國屋画廊(紀伊國屋書店新宿本店四階)にて開催され、時間は午前十時~午後六時半(最終日は六時まで)、期間中は休廊日なし、入場は無料です。また、八月十六日(土)の午後三時からは、共著者の松久淳さんも来廊して、サイン会も行われます。詳しいお問い合わせは、紀伊國屋画廊(03‐3354‐7401)までお願いいたします。
◇第139回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が七月十五日に開催され、直木賞に井上荒野氏の『切羽へ』が決定しました。また、おしくも受賞にはいたりませんでしたが、小野正嗣氏の芥川賞候補作『マイクロバス』も、七月三十一日に発売されます。
◇今月号から「三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖」の連載が始まった田牧大和(たまき・やまと)氏。今、最も注目されている時代小説作家のひとりである田牧氏は、一九六六年東京都生まれ。市場調査会社に勤務のかたわらに、インターネット上で時代小説を発表し、二〇〇七年「色には出でじ 風に牽牛」で、第2回小説現代長編新人賞を受賞して、作家デビューしました。
◇今月号で、西村淳氏の連載「身近な物で生き残れ!」は終了します。ご愛読ありがとうございました。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。