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特集[石田衣良『6TEEN』刊行記念]

波 2009年10月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/09/27

発売日 2009/09/27
JANコード 4910068231093
定価 105円(税込)

特集[石田衣良『6TEEN』刊行記念]
【インタビュー】石田衣良(聞き手・瀧井朝世)/青年期のトンネルを目の前にして――

南沢奈央/変わらずに煌めこうとする炎

青山七恵『かけら』
池内 紀/あるかなしかの縁

戌井昭人『まずいスープ』
柴田元幸/骨組みがゆらゆらなビルは意外に崩れない

乙川優三郎『逍遥の季節』
【インタビュー】中 一弥/乙川優三郎さんとわたし

濱 嘉之『電子の標的―警視庁特別捜査官・藤江康央―』
杉田和博/特別捜査室は警視庁のイージス艦

酒井順子『女流阿房列車』
【対談】酒井順子×田中比呂之/用もないのに乗りにいく

辻 仁成『ダリア』
藤沢 周/生きてあること

吉田秀和『之を楽しむ者に如かず』
岡田暁生/一言の凄み

黒柳徹子『小さいころに置いてきたもの』
草野 仁/こんなに素敵な私たちのトットちゃん

阿古智子『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告―』
清水美和/新たな書き手の誕生

立川昭二『人生の不思議』
黒井千次/老年の視野

工藤進英『見えないがんを追う―大腸内視鏡が拓く医療フロンティア―』
山内宏泰/内視鏡のカリスマ医師、その仕事と半生

山本秀正『暴走族だった僕が大統領シェフになるまで』
舘 ひろし/真っ直ぐな料理人のサービス満点作品

原田 泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか―「意外な事実」の経済学―』(新潮選書)
若田部昌澄/モデル化とデータの説得力

出久根達郎『春本を愉しむ』(新潮選書)
出久根達郎/啄木作の春本?

エリック・ガルシア『レポメン』(新潮文庫)
杉江松恋/金がなければ、心臓をよこせ!

春原 剛『甦る零戦―国産戦闘機vs.F22の攻防―』
佐藤 謙/「甦る零戦」の提起するもの

中村のん『社長、その服装では説得力ゼロです』(新潮新書)
中村のん/「服装」があなたを映し出す

小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞決定発表

コラム
とんぼの本編集部通信
「考える人」─「活字」と「ウェブ」の特集をしました
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
群ようこ/ぎっちょんちょん 第10回
中島義道/ヒトラーのウィーン 第11回
宮城谷昌光/古城の風景 第76回 常滑城
花村萬月/百万遍 流転旋転 第34回
池田清彦/生物38億年 進化の旅 第11回
新野剛志/中野トリップスター 第2話(2)
小泉武夫/男精食のすすめ 『東医宝鑑』と「参鶏湯」―韓国の強精食事情―
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第13回
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第15回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の「表紙の筆蹟」は石田衣良氏。直木賞受賞の青春小説『4TEEN』の続編、『6TEEN』が、いよいよこの九月に店頭を飾ります。ダイ、ナオト、ジュン、テツロー。『4TEEN』四人組のチームワークは、高校生になっても健在です。でも、どこかに秘密を抱えているのも十六歳。表紙の写真撮影のために東京・月島を歩いてくれた高校二年生たちは、恋の歓喜を想ってか、不確かな未来を見つめてか、生真面目に無口に、そしてだらだら歩く……。(撮影・菅野健児)
◇短編小説の名手・阿刀田高氏の主宰する「朗読21」の公演が、十月中旬に東京都千代田区内幸町の内幸町ホールで開催されます。
 短編小説の魅力を朗読を通して訴えようと、二〇〇一年より毎年秋に行われてきた公演も今年で第九回を迎えました。今回は、「朗読は爆発する」と題し、故・向田邦子氏の生誕八十周年を記念して、阿刀田慶子、森ミドリ、斉藤とも子の各氏による向田作品の朗読と、阿刀田氏の講演「食欲を描く」で構成されています。
 公演の日程は、十月十三日(火)十四時三十分開演、十四日(水)十四時三十分開演、十八時三十分開演、十五日(木)十四時三十分開演の計四回。料金は全席自由で四〇〇〇円。チケットの申し込みとお問い合わせは、「朗読21の会」事務局(03‐5292‐4677)までお願い致します。
◇本誌15頁掲載の決定発表でお知らせ致したとおり、第八回小林秀雄賞第八回新潮ドキュメント賞(両賞とも主催・財団法人新潮文芸振興会)が決定しました。
 小林秀雄賞は、水村美苗氏の『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』(筑摩書房刊)、新潮ドキュメント賞は、蓮池薫氏の『半島へ、ふたたび』(新潮社刊)です。選評など詳細は、小林秀雄賞は「考える人」秋号(十月三日発売)、新潮ドキュメント賞は「新潮45」十月号(発売中)をそれぞれお読みください。

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。