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【刊行記念対談】古川日出男&仁木英之

波 2010年5月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/04/27

発売日 2010/04/27
JANコード 4910068230508
定価 105円(税込)

乃南アサ『すれ違う背中を』
重里徹也/日常を慈しむ物語

梨木香歩『渡りの足跡』
加藤幸子/本物のネイチャー

対談[古川日出男『MUSIC』刊行記念]
市川真人×古川日出男/猫は空を飛べる?!
対談[仁木英之『さびしい女神―僕僕先生―』刊行記念]
冲方 丁×仁木英之/彼は草食系でもアグレッシブ

井上荒野『つやのよる』
井上荒野/裏側の物語たち

和田 誠・三谷幸喜『これもまた別の話』(新潮文庫)
清水ミチコ/お祝いのことば

三浦しをん『天国旅行』
【インタビュー】三浦しをん/きみに心中を見せられたら

柴門ふみ『大人の恋力』
上村祐子/女の第三ステージをどう生きるか?

三鍋昌春『ウイスキー 起源への旅』(新潮選書)
佐々木幹郎/酔うことの謎を追う

特集[梅原 猛『葬られた王朝』刊行記念]
関 裕二/新たな出雲論の誕生を心から喜ぶ
花谷 浩/考古学者の手が届かない肝心なこと

アンヘル・エステバン ステファニー・パニチェリ『絆と権力―ガルシア=マルケスとカストロ―』
星野智幸/世界はギリシア悲劇を繰り返している

須藤孝光『1946 白洲次郎と日本国憲法』
牧山圭男/独り歩きさせてはならない真実

岡本和明『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』
塚越 孝/落語に正統も外道もない

竹内久美子『女は男の指を見る』(新潮新書)
竹内久美子/稼ぐ男は指が長い?

タン・ロミ『中国共産党を作った13人』(新潮新書)
タン・ロミ/中国革命と鹿児島をつなぐもの

【訳し下ろし短篇】ミランダ・ジュライ(岸本佐知子訳)/階段の男

第22回日本ファンタジーノベル大賞募集

コラム
とんぼの本編集部通信
「考える人」─アンケート「わたしの好きな聖書のことば」
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】蓮池 薫/拉致と決断
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第2回
山折哲雄/長谷川伸と日本人 第5回
群ようこ/ぎっちょんちょん 第17回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 立川談春(前篇)
新野剛志/中野トリップスター 第4話(1)
宮城谷昌光/古城の風景 第83回 丸根砦
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 最終回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第41回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、四月十六日に待望の新刊『1Q84 BOOK3』が刊行された、村上春樹氏です。
◇ショートショートを一〇〇一編以上発表し、新潮文庫の刊行部数は三〇〇〇万部に及び、海外でも二十言語以上に翻訳されている星新一氏。
 自筆原稿や創作メモ、愛用品など約三〇〇点で、没後十年以上を経てなおゆるぎない人気を保ち続けている作家・星新一の素顔と、その作品世界を紹介する、初の展覧会「星新一展」が、四月二十九日(木・祝日)より六月二十七日(日)まで、世田谷文学館(東京都世田谷区)で、開催されます。
 展覧会のオープニングを記念して、四月二十九日には、作家の江坂遊氏と星氏の次女・星マリナ氏による対談が、翌三十日(金)には、作家の新井素子氏、担当編集者だった加藤和代氏、『星新一―一〇〇一話をつくった人』の著者でノンフィクションライターの最相葉月氏の三人による座談会が開催されます(事前申し込みが必要)。その他、作家の瀬名秀明氏の講演会、映画上映会、ワークショップ、文学散歩、レクチャーなど盛りだくさん。詳しくは世田谷文学館のホームページ(http://www.setabun.or.jp/)をご覧ください。
 また、六月六日(日)まで、県立神奈川近代文学館(横浜市中区)で、「城山三郎展―昭和の旅人―」が開催されています。こちらも、作家の澤地久枝氏、渡辺淳一氏、真山仁氏の講演会など多彩なプログラム。県立神奈川近代文学館のホームページはhttp://www.kanabun.or.jp/です。
◇今月号で、松本健一氏「三島由紀夫と司馬遼太郎」の連載が終了致します。ご愛読ありがとうございました。また、蓮池薫氏の連載「拉致と決断」が、はじまります。
◇先月号に掲載した対談「母が娘の子を産む時代に」の対談者名は根津八紘氏でした。訂正して、お詫びいたします。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。