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[よしもとばなな『アナザー・ワールド―王国その4―』刊行記念インタビュー]

波 2010年6月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/05/27

発売日 2010/05/27
JANコード 4910068230607
定価 105円(税込)

[よしもとばなな『アナザー・ワールド―王国その4―』刊行記念インタビュー]
よしもとばなな/3人のゆがんだ親と、無垢な娘のファンタジー

高橋克彦『鬼九郎孤月剣』
斎藤 純/紛うことなき剣豪小説

加藤 廣『求天記―宮本武蔵正伝―』
末國善己/武蔵の「後半生」が面白い

田中慎弥『実験』
青山七恵/実験者の正体

多田富雄『残夢整理―昭和の青春―』
養老孟司/多田さんの『残夢整理』

【『文学のレッスン』刊行記念インタビュー】
丸谷才一/おもしろくて、ちょっと不穏な「決定版文学講義」

タチアナ・ド・ロネ『サラの鍵』(新潮クレスト・ブックス)
蜂飼 耳/直視する勇気、成熟

[川本三郎『いまも、君を想う』刊行記念]
重松 清/幾重にも織り込まれた夫婦の歳月
西川美和/「別れ」という重たい代償

石井光太『レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち―』
東 えりか/痛くてたまらない文章

原 英史『官僚のレトリック―霞が関改革はなぜ迷走するのか―』
屋山太郎/官僚の「自己防衛本能」の凄まじさ

森繁 建・和久昭子『人生はピンとキリだけ知ればいい―わが父、森繁久彌―』
森繁 建/親父さん、すみません

中嶋 聡『眠れぬ夜の精神科―医師と患者20の対話―』(新潮新書)
中嶋 聡/やさしい精神科入門

関 裕二『物部氏の正体』(新潮文庫)
岩尾光代/関門海峡が古代権力争いのキーポイントだ

[新潮選書フェア]知は動いている
福岡伸一/「目をみはること」

【新潮選書】スタンダード&最先端フェア

原 武史・重松 清『団地の時代』
北田暁大/世代の記憶を媒介する対話
酒井順子/団地はみんなの「ホーム」になる

金 賛汀『韓国併合百年と「在日」』
【対談】辛 淑玉×金 賛汀/在日百年の歴史はもう一つの日本の姿

石原千秋『漱石はどう読まれてきたか』
長山靖生/「読む」ことの謎と愛

吉田伸夫『思考の飛躍―アインシュタインの頭脳―』
竹内 薫/世紀の天才の軽やかな思考術

中野 明『裸はいつから恥ずかしくなったか―日本人の羞恥心―』
紀田順一郎/「ホンネの眼差し」から「タテマエの視線」へ

第二十三回三島由紀夫賞・山本周五郎賞決定発表

コラム
「隠蔽捜査」シリーズが8倍楽しめる!
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち
【新連載】小林朋道/ヒト、動物に会う
宮城谷昌光/古城の風景 第84回 善照寺砦
蓮池 薫/拉致と決断 第2回
新野剛志/中野トリップスター 第4話(2)
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第3回
山折哲雄/長谷川伸と日本人 第6回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 立川談春(後篇)
花村萬月/百万遍 流転旋転 第42回
群ようこ/ぎっちょんちょん 最終回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、『アナザー・ワールド―王国その4―』が、五月三十一日に刊行される、よしもとばななさん。屋外での衣食住から出産法(!)まで、『地球の上に生きる』(草思社)は、シンプルな線画も魅力的な、スローライフの古典的名著。小学生時代から著者のアリシア・ベイ=ローレルを敬愛するよしもとさんが、その本の表紙に輝く太陽を模写してくださいました。
◇五十一頁でお知らせ致しましたように、第二十三回三島由紀夫賞第二十三回山本周五郎賞(主催・新潮文芸振興会)の受賞作が決定しました。三島由紀夫賞は東浩紀氏の『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)、山本周五郎賞は貫井徳郎氏の『後悔と真実の色』(幻冬舎)と道尾秀介氏の『光媒の花』(集英社)です。三島賞、山本賞の選考結果と各賞選考委員の選評は、三島賞は「新潮」七月号誌上(六月七日発売)に、山本賞は「小説新潮」七月号誌上(六月二十二日発売)に掲載されます。詳しくはそちらをご覧ください。
 また、第三十六回川端康成文学賞(主催・川端康成記念会/協力・新潮社)は、高樹のぶ子氏の「トモスイ」(「新潮」平成二十一年四月号)に決定しました。詳しい選評などは、ただいま発売中の「新潮」六月号に掲載されています。
◇五月三十一日に刊行される道尾秀介氏の『月の恋人~Moon Lovers~』。この本が原作のドラマ「月の恋人~Moon Lovers~」が、ただいま、フジテレビで月曜二十一時より、木村拓哉、篠原涼子、リン・チーリン、松田翔太、北川景子の豪華キャストで放送中です。
 山本周五郎賞も受賞して、現在絶好調の作家・道尾秀介氏が贈る眩しいラブストーリーを、小説で、そしてドラマでお楽しみください。
◇今月号で群ようこ氏の「ぎっちょんちょん」の連載が終了します。ご愛読ありがとうございました。また新しく、佐木隆三氏の「わたしが出会った殺人者たち」、小林朋道氏「ヒト、動物に会う」の連載が始まりました。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。