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[神永 学『フラッシュ・ポイント―天命探偵 真田省吾4―』刊行記念鼎談]神永 学×小峰麻衣子×高橋美里/「早く続きを読ませてください!」

波 2011年7月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/06/27

発売日 2011/06/27
JANコード 4910068230713
定価 105円(税込)

【町田 康『ゴランノスポン』刊行記念インタビュー】
町田 康/「ハッピー」と「魔力」の浸透

西村賢太『寒灯』
松本 徹/私小説なるものの働き

本谷有希子『ぬるい毒』
岩宮恵子/固い日常に切れ目を入れる「毒」

【石田衣良『明日のマーチ』刊行記念インタビュー】
石田衣良/迷ったら、まずは歩いてみる。この足で、未来はきっと変えられると信じて――。

近藤史恵『サヴァイヴ』
栗村 修/どん底の苦しみの中、「生き抜く」ということ

犬飼六岐『与太話浮気横槍』
縄田一男/良きかな、手練手管

【大城立裕『普天間よ』刊行記念対談】
大城立裕×佐藤 優/沖縄の魂を知るために

三浦しをん『ふむふむ―おしえて、お仕事!―』
高橋秀実/ウーマンズトークの意味しんしん

ベルンハルト・シュリンク『週末』(新潮クレスト・ブックス)
中村文則/テロリストのその後

[神永 学『フラッシュ・ポイント―天命探偵 真田省吾4―』刊行記念鼎談]
神永 学×小峰麻衣子×高橋美里/「早く続きを読ませてください!」

立川志らく『落語進化論』(新潮選書)
東 えりか/談志に捧げる讃歌

野嶋 剛『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)
樋泉克夫/日本人には理解しえない博物館への旅

和合亮一『詩ノ黙礼』
インタビュー】和合亮一/言葉の力、福島の魂

須田慎一郎『国債クラッシュ―震災ショックで迫り来る財政破綻―』
須田慎一郎/マーケットが握る日本の命運

里見清一『希望という名の絶望―医療現場から平成ニッポンを診断する―』
関川夏央/真面目に仕事をする「悪代官」の常識

岩波 明『精神科医が狂気をつくる―臨床現場からの緊急警告―』
岩波 明/「いのち」か「心」か?

早田英志・釣崎清隆『エメラルド王』
高野秀行/魂のエンターテイメント!

左巻健男+「RikaTan」編集部・編『大災害の理科知識Q&A250―地震・津波・原発・放射線・停電・災害対策―』(新潮ムック)
左巻健男/大災害時代を生き抜く一冊

林 壮一『オバマも救えないアメリカ』(新潮新書)
林 壮一/救世主か徒花か

藤澤清造『根津権現裏』(新潮文庫)
西村賢太/蘇える光茫

森見登美彦『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』
森見登美彦/京都を四畳半化する

コラム
「考える人」─没後一年を機に梅棹忠夫の大特集
三橋曉の海外エンタ三つ巴

第8回新潮エンターテインメント大賞作品募集

連載
【新連載】斎藤明美/高峰秀子の言葉 第1回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第16回
阿部和重/幼少の帝国 成熟を拒否する日本人 第8回
蓮池 薫/拉致と決断 第15回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 桂 三枝(前篇)
佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち 第14回
永田和宏/河野裕子と私 歌と闘病の十年 第2回
片山杜秀/未完のファシズム 第10回
三田 完/モーニングサービス 第11回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、この六月に人気シリーズ「天命探偵 真田省吾」の第四弾『フラッシュ・ポイント』が刊行された神永学氏です。撮影場所は神永氏の執筆デスクで、机の上に広げられているのはアイディアを書き留めるための制作ノート。通常一作品につき四、五冊のノートが走り書きの文字で埋まってしまうそうです。気分転換用のルービックキューブと並んでキーボードの横に座っているのは、シャイなご本人に代わって著者紹介や公式HP(http://www.kaminagamanabu.com/)などに登場する神永氏のそっくりさん人形でもちろん特注品。四種類のバリエーションがあり、この「夏バージョン」は今回が初お披露目となります。
◇乃南アサさんの直木賞受賞作『凍える牙』(新潮文庫)が韓国で映画化されることになり、目下撮影が順調に進んでいます。主人公の女性刑事を演じるのは『私たちの幸せな時間』(原作小社刊)で好演したイ・ナヨン。そして、彼女とペアを組んで連続殺人事件を追う中年刑事役には、『JSA』『殺人の追憶』『グエムル』など数々の大ヒット映画に出演している韓国ナンバーワンの名優ソン・ガンホが扮しています。物語の鍵を握る動物も本物を使って撮影されており、『ハウリング』というタイトルで韓国では今年中に公開される予定です。この作品は日本で二度テレビドラマ化されていますが、韓流映画の世界でどのように生まれ変わるのか、期待大です。
◇映画化でも話題の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の著者・岩崎夏海さんと、『「律」に学ぶ生き方の智慧』(新潮選書)の著者で仏教学者の佐々木閑さんが組織マネジメントについて語り合う異色のトークショー「釈迦とドラッカー」が七月十日(日)午後二時から、紀伊國屋書店新宿南店七階サザンシアターで行われます。電話予約、お問い合わせは03-5361-3321(サザンシアター)にお願いいたします。

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。