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【『ソロモンの偽証 第I部 事件』刊行開始記念インタビュー】宮部みゆき/その法廷は14歳の死で始まり偽証で完結した――。

波 2012年9月号

(毎月27日発売)

103円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/08/28

発売日 2012/08/28
JANコード 4910068230928
価格 103円(税込)

【『ソロモンの偽証 第I部 事件』刊行開始記念インタビュー】
宮部みゆき/その法廷は14歳の死で始まり偽証で完結した――。

戌井昭人『ひっ』
坪内祐三/テキトーに生きろ/現代の「教養小説」

[浅田次郎『赤猫異聞』刊行記念特集]
北上次郎/スリリングな物語
佐藤 優/見返りを求めぬ愛を描く

松浦理英子『奇貨』
佐久間文子/愛でも恋でも友情でもなく

さだまさし『はかぼんさん―空蝉風土記―』
大森 望/虚実皮膜の現代奇譚

壇上志保『脱獄者は白い夢を見る』
池上冬樹/フランス・ミステリ風の目眩む展開

【デビット・ゾペティ『不法愛妻家』刊行記念対談】
トニー・ラズロ×デビット・ゾペティ/僕たちの家族の愛し方

古野まほろ『復活―ポロネーズ 第五十六番―』
福井健太/「ここにしかない世界」の奪還劇

ドナルド・キーン『正岡子規』
黒田杏子/百十一年子規が待っていた人 鬼怒鳴門

長野まゆみ『あのころのデパート』
酒井順子/デパートという故郷

西村雄一郎『殉愛―原節子と小津安二郎―』
田中壽一/原節子――「伝説」から「真実」へ

横田早紀江『めぐみと私の35年』
歌代幸子/今こそ、母の声を届けたい

NHKスペシャル取材班・山辺昌彦『東京大空襲―未公開写真は語る―』
NHKスペシャル取材班『ドキュメント 東京大空襲―発掘された583枚の未公開写真を追う―』
板垣淑子/未公開写真の背後にあるもの

斎藤 環『原発依存の精神構造―日本人はなぜ原子力が「好き」なのか―』
國分功一郎/象徴化への抵抗

亀山郁夫『謎とき「悪霊」』(新潮選書)
中村文則/「謎とき」だけに留まらぬ、文学の戦慄

岡部 伸『消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い―』(新潮選書)
手嶋龍一/死活情報を発信した者、抹殺した者

巽 好幸『地震と噴火は必ず起こる―大変動列島に住むということ―』(新潮選書)
藤崎慎吾/マグマ学者が置いた「真実の刃物」

末木文美士『現代仏教論』(新潮新書)
末木文美士/「見えざるもの」とどう関わるか

福本武久『小説・新島八重 会津おんな戦記』『小説・新島八重 新島襄とその妻』(ともに新潮文庫)
東 えりか/闘う女、八重

ジュール・ヴェルヌ『海底二万里〔上・下〕』(新潮文庫)
竹内 薫/大人のための、時空を超えるファンタジー

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴

[新潮クレスト・ブックス 2012-2013]
【特別対談】
岸本佐知子×都甲幸治/最新アメリカ文学、気になる作家と気になる作品
【インタビュー】
テア・オブレヒト/トラとの出会い、母国への思い
藤井 光/魔術的な語りと、胸を打つ真摯さ
新潮クレスト・ブックス ベストセレクション

連載
津村節子/時のなごり 第12回
梨木香歩/冬虫夏草 続・家守綺譚 第4回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第30回
斎藤明美/高峰秀子の言葉 第14回
吉田篤弘/ソラシド 第2回
桜木紫乃/モノトーン 第7回
高橋秀実/とかなんとか言語学 第9回
三山 喬/トスキナの唄 流浪のキネマ屋・古海卓二伝 第7回
椎名 誠/ぼくがいま、死について思うこと 最終回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、宮部みゆきさんです。宮部さんが短篇「我らが隣人の犯罪」で「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、小説家としてデビューしたのは今からちょうど四半世紀前の一九八七年。以後、ミステリーから時代小説、ファンタジーなど次々に傑作を発表し続け、“国民的作家”となった活躍ぶりはご存じの通りです。
 作家生活二十五周年の今年、刊行される『ソロモンの偽証』(全三巻)は、「小説新潮」二〇〇二年十月号から一一年十一月号まで九年にわたって連載された、宮部さんの作品の中でも『模倣犯』を上回る長さのまさに記念碑的な超大作です。「構想十五年」という渾身作の内容に関しては本文のインタビューをお読みいただきたいのですが、単行本化にあたっては、大幅な加筆修正が施されました。表紙の写真に本の装幀と共に写っているのは、その徹底した添削の一端を物語る書籍用の校正刷です。
◇さる七月三十一日、第24回日本ファンタジーノべル大賞の選考会が行われました。七百作を超える多数の応募作の中から最終候補作四作が選ばれ、荒俣宏、小谷真理、椎名誠、鈴木光司、萩尾望都の五人の選考委員が審査した結果、今年は残念ながら大賞の受賞作はなし。そのかわりに三國青葉さん「朝の容花」、関俊介さん「ワーカー」の二作品に優秀賞が贈られることになりました。前者は八代将軍吉宗の時代を舞台に怨霊や隠密集団が跋扈する伝奇小説、後者は突然変異で巨大化したハチやアリが人間社会に参画するという設定のSF的作品で、二作とも小社より十一月に単行本として刊行予定です。
◇椎名誠さんの連載エッセイ「ぼくがいま、死について思うこと」が今月号で完結となりました。ご愛読いただき、有難うございました。いずれ単行本に編集の上、小社より刊行される予定になっています。

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。